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ダンジョンは地下深く
それ以上言ったら戦争だ
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「水は今の所は飲料用なら今日一日ぐらいは足りてるな?それと食の方だが肉は今は良いだろうし、野菜はまた幾つか持って来たから三日位は持つだろう。食はこれで良いな。後は着替えとかだが反物として幾つか持って来たから今から制作する。サイズは見た目で大体わかるから心配しないでくれ。あと、自分でも作りたいだろうから幾つか反物を置いとくな。俺の糸から作ったものだから肌触りは良いし丈夫で他の布よりも性能が良い、縫い合わせば良い服が出来るぞ。問題は針か…。仕方ない、当分の間のモノは私が作って置く。針は今ないから後日商人に持って来て貰おう。おっと、言い忘れる前に言っとくが、私の糸は白一色だから他の色は今回は諦めてくれ。それと…」
いやいや、着替えがあるなら大歓迎です。
白大いに結構。って何様だよって感じですね、すいません。
それに何時か衣食住が快適になったら布地を染める方法も模索しても良いしね。もしくは二ノ国に出向いて購入してくるとか。お金は無いから何か交換とかしないと拙いけど。
それはまだ先で良いと思う。
「私と交流している商人は今回この深淵の森が焼け野原となったから、高レベルの魔物の発生が減るので多分近々訪れに来るだろう。その時に私の布地と交換して何か品を得よう。レーベルその時にその、ええと…その、レーベル用のその、し、下着を…」
確かにこの先必要だし、言いたい事は分かる。
だが私の一点である局部をチラ見するのは如何なモノか。
胸とかいうなよ?
「殴って良いよね?」
ニッコリ微笑んだら彼の顔が青褪めた。
言うな、所詮エルフ。
時折ドコゾノ男共の羨望の現れとかダークとか付いちゃうエルフさん達は肉食系ムチムチ御姉様方が横行して居る。だが本来エルフとは長身細身の『森の住人』として有名な一族でスレンダーさんだ。森の中を狩猟で生活する上で引っ掛かる物騒なソレは必要ないのだ。むしろ必要『悪』なのだ。
だからアデルさん、私に殴られて下さいね?
こんなに色々優遇して頂いておりますが、身体的な箇所をあえて言葉にしようとするなら鉄拳制裁あるのみなのですよ?
拒否権はありません。
断じて暴力ではありません。
どうせ私の筋力は14しかないのですから、殴られても痛くは無いでしょう。
ただちょ~~と魔力籠めさせて頂きますから。うふふふふ。
アデルが部屋の隅っこでプルプル震えて居たが、太古の魔王さんはどうしてしまったんでしょうね?だって虐殺王でしょう?血塗られたアヒムさんでしょう?凶暴な毒蜘蛛さんでしょう?劇薬の使者でしょう?ねぇ、うふふふふふ。
く、惚れた弱み!とか言って握り拳をして涙目の蜘蛛男さん、お覚悟を。
* * *
「ええ!?エルフって種族この地上には私の他に居ないの!?」
鉄拳制裁の末、頭部にたん瘤を作った元虐殺王?さんはコクコクと頷く。
ちなみに目線は確りと私の顔に固定。下向いたらわかっているね?と言った脅しが効いたようです。別に私のとある一部分は決して小さくは無いのよ、他の肉食系御姉様が人外魔境なんですよ。何て言ってると負け惜しみの様だからこう言おう。
普通。
よし、それだ。
勿論この世界の他の女性の状態は知らないけど、前世なら標準だ。多分が付いてしまうけど。
ああ、ドラゴンさんは別で。アレは人外で女性でも雌らしいから、ちょっと違う種族って事で。
「少なくとも私は初めて聞いたし見た事が無い。亜人にも獣人にも居なかったし、勿論人間の中でも見た事は無い。ただその長い耳は亜人や獣人にも何人か居たから、てっきり亜人の一種かと思って居たのだが」
成程。
なおアデルの種族は大まかに見ると産まれた当初は魔物で今は魔族らしい。
ん、どうゆうこと?
「蜘蛛だからな。それにダンジョンで生まれた時は一メートル程の大きさの地蜘蛛だったし」
うん?
あれ?
「地蜘蛛って確か、地下の巣穴で獲物を待ち伏せするって言うあの蜘蛛?」
地球産のは結構小さかった筈だけど、流石異世界一メートル級になっちゃうんだなぁ。
「産まれた当初はあまり知性が発達して無い巨大な魔物の蜘蛛って感じだったな。言葉も当初は喋れなかったし。それが徐々にレベルが上がって行ってから進化し…」
「進化!?」
「私達ダンジョンの魔王は全員『必ず』進化する。良くも悪くも、な」
という事は私も進化するって言う…うん、待って。
「良くも悪くも?」
「ああ、進化次第で『本質そのモノ』が変わってしまう者が居る。良い場合なら良い。普通も然り。だが害悪、しかも敵対してしまうとなると…」
何でも完全に本質が塗り替えられ自我が崩壊し、暴れ回ったりするだけなら良いが何をトチ狂ったのかアデル自身を殺しに来る様に為ったりする事もあるのだとか。
つまりアデルは何人いや、何十や何百者の魔王を…
「ま、私に対して敵対しなければ殺さないんだけどな。他で暴れ回って居てもどうでも良いし。それに基本私は放置主義だ」
それってどうなのよ、アデル。
* * *
「実際中には未だに敵対行動をとる魔王も居るが、相手も無知じゃないからな。放置しておけば向こうからは来ないし来れない。何せ地力が足りない」
つまりアデル最強と。
色々話を聞くと多分だけどと断って言ってから「三千年も生きたせいか、この大地に置いては最強かもな」らしい。
「確かめた事は無いが、あの迷惑大蜥蜴(ドラゴンさんの事)曰くアーデルベルトは世界最強とか言って居たから、もしかしたら強いのかもな。彼奴出会った当初は『妾が世界最強じゃぁー!』とか息巻いて居たが、拳一発で黙りこくってしまったから信憑性は薄いが」
いや、多分アデルが最強なんじゃないだろうか。
だって私には地上焦土にしちゃう相手に無双は出来ません。少なくとも拳一発とか、第三の目から怪光線出してなんて。
「それ言ったらレーベルが最強じゃないか?」
とか言われたが、レベルを考えて欲しい。
「さっき本気で怖かった…」
「目線下げない」
「っ!」
取り敢えず教育的指導は忘れない。
忘れてはいけない。
首から下を見るな、頭を下げるな、目線注意。
「レーベルはとても綺麗なんだから気にしなくても」
「何か言った」
「…何でもありません」
宜しい。
女性にそれ以上言ったら戦争だ。
よく覚えて置く様に。
いやいや、着替えがあるなら大歓迎です。
白大いに結構。って何様だよって感じですね、すいません。
それに何時か衣食住が快適になったら布地を染める方法も模索しても良いしね。もしくは二ノ国に出向いて購入してくるとか。お金は無いから何か交換とかしないと拙いけど。
それはまだ先で良いと思う。
「私と交流している商人は今回この深淵の森が焼け野原となったから、高レベルの魔物の発生が減るので多分近々訪れに来るだろう。その時に私の布地と交換して何か品を得よう。レーベルその時にその、ええと…その、レーベル用のその、し、下着を…」
確かにこの先必要だし、言いたい事は分かる。
だが私の一点である局部をチラ見するのは如何なモノか。
胸とかいうなよ?
「殴って良いよね?」
ニッコリ微笑んだら彼の顔が青褪めた。
言うな、所詮エルフ。
時折ドコゾノ男共の羨望の現れとかダークとか付いちゃうエルフさん達は肉食系ムチムチ御姉様方が横行して居る。だが本来エルフとは長身細身の『森の住人』として有名な一族でスレンダーさんだ。森の中を狩猟で生活する上で引っ掛かる物騒なソレは必要ないのだ。むしろ必要『悪』なのだ。
だからアデルさん、私に殴られて下さいね?
こんなに色々優遇して頂いておりますが、身体的な箇所をあえて言葉にしようとするなら鉄拳制裁あるのみなのですよ?
拒否権はありません。
断じて暴力ではありません。
どうせ私の筋力は14しかないのですから、殴られても痛くは無いでしょう。
ただちょ~~と魔力籠めさせて頂きますから。うふふふふ。
アデルが部屋の隅っこでプルプル震えて居たが、太古の魔王さんはどうしてしまったんでしょうね?だって虐殺王でしょう?血塗られたアヒムさんでしょう?凶暴な毒蜘蛛さんでしょう?劇薬の使者でしょう?ねぇ、うふふふふふ。
く、惚れた弱み!とか言って握り拳をして涙目の蜘蛛男さん、お覚悟を。
* * *
「ええ!?エルフって種族この地上には私の他に居ないの!?」
鉄拳制裁の末、頭部にたん瘤を作った元虐殺王?さんはコクコクと頷く。
ちなみに目線は確りと私の顔に固定。下向いたらわかっているね?と言った脅しが効いたようです。別に私のとある一部分は決して小さくは無いのよ、他の肉食系御姉様が人外魔境なんですよ。何て言ってると負け惜しみの様だからこう言おう。
普通。
よし、それだ。
勿論この世界の他の女性の状態は知らないけど、前世なら標準だ。多分が付いてしまうけど。
ああ、ドラゴンさんは別で。アレは人外で女性でも雌らしいから、ちょっと違う種族って事で。
「少なくとも私は初めて聞いたし見た事が無い。亜人にも獣人にも居なかったし、勿論人間の中でも見た事は無い。ただその長い耳は亜人や獣人にも何人か居たから、てっきり亜人の一種かと思って居たのだが」
成程。
なおアデルの種族は大まかに見ると産まれた当初は魔物で今は魔族らしい。
ん、どうゆうこと?
「蜘蛛だからな。それにダンジョンで生まれた時は一メートル程の大きさの地蜘蛛だったし」
うん?
あれ?
「地蜘蛛って確か、地下の巣穴で獲物を待ち伏せするって言うあの蜘蛛?」
地球産のは結構小さかった筈だけど、流石異世界一メートル級になっちゃうんだなぁ。
「産まれた当初はあまり知性が発達して無い巨大な魔物の蜘蛛って感じだったな。言葉も当初は喋れなかったし。それが徐々にレベルが上がって行ってから進化し…」
「進化!?」
「私達ダンジョンの魔王は全員『必ず』進化する。良くも悪くも、な」
という事は私も進化するって言う…うん、待って。
「良くも悪くも?」
「ああ、進化次第で『本質そのモノ』が変わってしまう者が居る。良い場合なら良い。普通も然り。だが害悪、しかも敵対してしまうとなると…」
何でも完全に本質が塗り替えられ自我が崩壊し、暴れ回ったりするだけなら良いが何をトチ狂ったのかアデル自身を殺しに来る様に為ったりする事もあるのだとか。
つまりアデルは何人いや、何十や何百者の魔王を…
「ま、私に対して敵対しなければ殺さないんだけどな。他で暴れ回って居てもどうでも良いし。それに基本私は放置主義だ」
それってどうなのよ、アデル。
* * *
「実際中には未だに敵対行動をとる魔王も居るが、相手も無知じゃないからな。放置しておけば向こうからは来ないし来れない。何せ地力が足りない」
つまりアデル最強と。
色々話を聞くと多分だけどと断って言ってから「三千年も生きたせいか、この大地に置いては最強かもな」らしい。
「確かめた事は無いが、あの迷惑大蜥蜴(ドラゴンさんの事)曰くアーデルベルトは世界最強とか言って居たから、もしかしたら強いのかもな。彼奴出会った当初は『妾が世界最強じゃぁー!』とか息巻いて居たが、拳一発で黙りこくってしまったから信憑性は薄いが」
いや、多分アデルが最強なんじゃないだろうか。
だって私には地上焦土にしちゃう相手に無双は出来ません。少なくとも拳一発とか、第三の目から怪光線出してなんて。
「それ言ったらレーベルが最強じゃないか?」
とか言われたが、レベルを考えて欲しい。
「さっき本気で怖かった…」
「目線下げない」
「っ!」
取り敢えず教育的指導は忘れない。
忘れてはいけない。
首から下を見るな、頭を下げるな、目線注意。
「レーベルはとても綺麗なんだから気にしなくても」
「何か言った」
「…何でもありません」
宜しい。
女性にそれ以上言ったら戦争だ。
よく覚えて置く様に。
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