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134 貞操の危機です。
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「高峰」
『すいません、皇君。先程私が連れて行った子、私の【運命の番】です。』
恭介さんがスマホで連絡を取るとワンコールで即出たようで、高峰さんの声が聞こえる。
「やはりそうか。」
『ええ、申し訳ないのですが特別休暇申請します。学園側にはこの後此方から連絡致しますが、その。番の子が今日からこの学園のカフェテラスに勤務する予定だったらしくて、とても気にしていて。此方からも学園側とカフェテラス側に事情を連絡致しますが、皇君からも現場に居たという事で事情を話してくれると助かります。』
先程何かが倒れた様な音の正体。高峰さんが速攻で抱え込んでしまったので顔は見ていなかったのだけど、この会話の件から推測をすると、高峰さんの『運命の番』である人が倒れ込んだ時の音だと思う。
多分男性のΩだと思われるのだけど、服装からこの学園の生徒では無く従業員だったのでは無いだろうか。真新しいカフェの制服を着ていたし、聞こえて来た高峰さんの会話からもそう察した。
初日から運命の人に会ってしまって大変、だよね。
僕だって恭介さんと出会ってからゴタゴタあって大変だったし。何だか他人事ではないと思えてしまう。それでも僕よりは大人だろうし、大丈夫だよね。
「代わりは…」
『和木しか居ないでしょうね。』
「………」
恭介さんがガックリと項垂れ、大きな吐息を吐いた。
高峰さんは兎も角、此方が大丈夫じゃなさそうだ。
項垂れるなんて珍しいなとは思うけど、前に高峰さんが和木さんと言う人に対し、嫌悪感を露わにして居たのを思い出す。
和木さんって僕はまだ会ったことが無い人だけど、そんなに困ってしまう人なのかな?
以前恭介さんが「和木には気を付けろ」と言っていた事を思い出す。
それと同時に高峰さんも「アレは黒くてツヤツヤしていて成虫になると飛ぶ害虫と一緒です。殴っても踏んでも叩きつけても湧いてきますし、αだろうがΩだろうがβだろうが節操なしです。優樹君は恭介君の番という事で多少は和木の理性が効くとは思いますが、正直あてになりません。極力出会わないように。もし出会ったら即逃げて下さい」と言っていた事を思い出した。
…扱いが某ゴ…黒い物体と一緒なのは気になるけれど、恭介さん大丈夫なのだろうか。
高峰さんが警戒して嫌悪感を露わにする人だなんて、恭介さんも狙われるのでは無いだろうか。それともαだから大丈夫、とか?
『皇君、アイツには強気でのしてやって下さい。決して隙きを見せないように。未成年だからと言っても訳が分からない相手ですので。最悪、社長を脅して社長をマネージャーにした方が良いと思います。』
「いやそれは…。」
『貞操の危機です。』
「……。」
『倉敷君も同じです。けっして和木に隙きを見せないようにと注意して下さい。「ぁ…」……少々お待ちを。』
番の子かな?高峰さんの声の後ろの方から男性の上ずった声が上がっている。
そう言えば学園のシェルター、隔離室とも言うのだけど勿論この学園にあるということはΩ用の緊急避難用小部屋でもあるし、こういった事柄でもある運命の番に出会ったΩがヒートに陥ってしまった場合ようの、その、うん。
まぁ…別名【ヤリ部屋】でもあるわけで。
滅多に使用されるわけでは無いけど、少なくとも誘発剤の事件でΩ達が避難をして使われた部屋でもある。
僕等Ωやαが学園に入学した時、真っ先に説明を受けた場所だったりする。
学園内にも各階に設置されており、外には三箇所設置している。生徒用の門側と中庭、今回高峰さん達が駆け込んだカフェのやや隠れた場所に設置されている。
トイレ・シャワー室等の他に小さな冷蔵庫、電話に簡易ベッドが置かれている部屋があり、入り口の横には宅配ボックスのような物も設置されていて、そこから飲食物等を電話で注文して入れて貰う場所がある。
『…期間は恐らく一週間程掛かるかと。』
「はぁ、わかった。和木は兎も角、此方で何とかする。」
『すいません。』
「いや、高峰には普段から世話になっているんだ。それにやっと出逢えたのだろう?大事にしてやれ。」
『言われなくても。』
※
そんな訳で128話目に戻る。
え、ナンノコトダッテ?まぁ、気にしないきにしない。
「はい、あ~ん。」
「嫌ですわ、もう。」
僕の目の前でラブラブカップルの男性が、「あ~ん」と言いながらご飯をスプーンに乗せて女性に食べさせている。凄く至福そうだ。
その光景を見せられている僕。
・
・
・
「まさか高峰さんがねー…。」
あの後、恭介さんは大慌てで仕事の時間に間に合わないと僕と約束をした朝食を食べずに出て行った。
仕方が無い、分かっている。
分かっているのだけど、ぐぬぬぬぬぬぬ。
せめて学園の門迄お見送りをしたかったのだけど、この学園内に入る許可が降りないと言う和木さん(学園側から拒否されているらしい。一体何をしたのやら…)と車内で此れからのことと仕事の件やら高峰さんのことやら話を詰めないといけないとのこと、それと僕を和木さんに遭わせたくないと言うことで早々に出て行った。
そうして一人ポツンと残された僕。
…周囲の人々の好奇の目に晒された状態で。
無茶苦茶ボッチなのですけど~!
そんなこんなで寂しさやら何やらで、気落ちしてシュンっとしょげている僕をそのままにはして置け無いと、高蔵舞さんとその婚約者である楽さん達カップルが朝食の席に誘ってくれた。
僕に刺さっていた周囲の目を奪い去ってと言うオマケ付きで。
ううん、凄いラブラブカップルさん。
御蔭で助かったけれど。
こう、何だか胸からせり出す何かが砂糖を吐きそう。あっまーい!
「皇君ってば朝食はどうするのかしら。」
「その辺で取るって言っていたけど…。」
心配だなぁ。
急な事柄が色々と起こってしまい、もしかしたら朝御飯食べられないかも知れない。
「でも会社の人、ええと代理の人が来るのでしょう?」
「うん、多分和木さんって人が来るらしいって言っていたけど…。」
和木さんだと確定している様な言い方だったから気になっていた。他の人は居ないのかな?所属している事務所の人。そう言えば社長を云々とか言っていたような。
…大丈夫なの?社長を引っ張って来てしまったら会社として機能しないのでは?
「和木?」
ピクリと楽さんが反応する。
何だか頬引き攣っていません?
「楽ってばお知り合い?」
「あ~…ちょっと、ね。」
頬引き攣ってどころか物凄く嫌そう。
口の端の口角も歪になっている。楽さんの容姿でその様な表情はちょっと。
「ふ~ん、成程、和木、ね。」
高蔵さん、ヤケに区切って喋っているけど怖い、怖いこわい!
目が曇って額に青筋が見えるよ!僕高蔵さんの真向かいに座っているからその表情ガチで怖い!
「ふふ、舞。顔。」
「あら嫌だ、私ったら。」
そうしてニヤリと笑う高蔵さんと楽さんカップル。
…冷気がっ!
※ ※ ※ 2022年7月2日記載
・今回のツッコミどころ
作中度々出て来る和木氏。
高峰マネージャーに嫌われている理由とか裏設定は此方↓
・和木 男 α 30歳 188センチ
一人称は俺。
皇の事務所の雑用係。高峰マネージャーの休日等に代理に呼ばれる。他のマネージャーの休日等も代理で請け負っている。好みの相手は誰彼構わず口説く。そして高峰が好みど真ん中だが、高峰からは毛嫌いされている。
出来たら高峰を押し倒して自分の雌にしたいが、Gの如く嫌われているので無理なのはわかっている。
それと、高峰の番の設定や此方↓
壱屋蔵真(いちやくらまさ) 男 Ω 24歳 171センチ
一人称は俺。時折僕。
高峰の運命。24歳の誕生日にΩのヒートを起こし、そこでΩと判明。【遅咲きのΩ】である。
ツッコミと言うより、設定とか裏設定とかでスイマセン。
『すいません、皇君。先程私が連れて行った子、私の【運命の番】です。』
恭介さんがスマホで連絡を取るとワンコールで即出たようで、高峰さんの声が聞こえる。
「やはりそうか。」
『ええ、申し訳ないのですが特別休暇申請します。学園側にはこの後此方から連絡致しますが、その。番の子が今日からこの学園のカフェテラスに勤務する予定だったらしくて、とても気にしていて。此方からも学園側とカフェテラス側に事情を連絡致しますが、皇君からも現場に居たという事で事情を話してくれると助かります。』
先程何かが倒れた様な音の正体。高峰さんが速攻で抱え込んでしまったので顔は見ていなかったのだけど、この会話の件から推測をすると、高峰さんの『運命の番』である人が倒れ込んだ時の音だと思う。
多分男性のΩだと思われるのだけど、服装からこの学園の生徒では無く従業員だったのでは無いだろうか。真新しいカフェの制服を着ていたし、聞こえて来た高峰さんの会話からもそう察した。
初日から運命の人に会ってしまって大変、だよね。
僕だって恭介さんと出会ってからゴタゴタあって大変だったし。何だか他人事ではないと思えてしまう。それでも僕よりは大人だろうし、大丈夫だよね。
「代わりは…」
『和木しか居ないでしょうね。』
「………」
恭介さんがガックリと項垂れ、大きな吐息を吐いた。
高峰さんは兎も角、此方が大丈夫じゃなさそうだ。
項垂れるなんて珍しいなとは思うけど、前に高峰さんが和木さんと言う人に対し、嫌悪感を露わにして居たのを思い出す。
和木さんって僕はまだ会ったことが無い人だけど、そんなに困ってしまう人なのかな?
以前恭介さんが「和木には気を付けろ」と言っていた事を思い出す。
それと同時に高峰さんも「アレは黒くてツヤツヤしていて成虫になると飛ぶ害虫と一緒です。殴っても踏んでも叩きつけても湧いてきますし、αだろうがΩだろうがβだろうが節操なしです。優樹君は恭介君の番という事で多少は和木の理性が効くとは思いますが、正直あてになりません。極力出会わないように。もし出会ったら即逃げて下さい」と言っていた事を思い出した。
…扱いが某ゴ…黒い物体と一緒なのは気になるけれど、恭介さん大丈夫なのだろうか。
高峰さんが警戒して嫌悪感を露わにする人だなんて、恭介さんも狙われるのでは無いだろうか。それともαだから大丈夫、とか?
『皇君、アイツには強気でのしてやって下さい。決して隙きを見せないように。未成年だからと言っても訳が分からない相手ですので。最悪、社長を脅して社長をマネージャーにした方が良いと思います。』
「いやそれは…。」
『貞操の危機です。』
「……。」
『倉敷君も同じです。けっして和木に隙きを見せないようにと注意して下さい。「ぁ…」……少々お待ちを。』
番の子かな?高峰さんの声の後ろの方から男性の上ずった声が上がっている。
そう言えば学園のシェルター、隔離室とも言うのだけど勿論この学園にあるということはΩ用の緊急避難用小部屋でもあるし、こういった事柄でもある運命の番に出会ったΩがヒートに陥ってしまった場合ようの、その、うん。
まぁ…別名【ヤリ部屋】でもあるわけで。
滅多に使用されるわけでは無いけど、少なくとも誘発剤の事件でΩ達が避難をして使われた部屋でもある。
僕等Ωやαが学園に入学した時、真っ先に説明を受けた場所だったりする。
学園内にも各階に設置されており、外には三箇所設置している。生徒用の門側と中庭、今回高峰さん達が駆け込んだカフェのやや隠れた場所に設置されている。
トイレ・シャワー室等の他に小さな冷蔵庫、電話に簡易ベッドが置かれている部屋があり、入り口の横には宅配ボックスのような物も設置されていて、そこから飲食物等を電話で注文して入れて貰う場所がある。
『…期間は恐らく一週間程掛かるかと。』
「はぁ、わかった。和木は兎も角、此方で何とかする。」
『すいません。』
「いや、高峰には普段から世話になっているんだ。それにやっと出逢えたのだろう?大事にしてやれ。」
『言われなくても。』
※
そんな訳で128話目に戻る。
え、ナンノコトダッテ?まぁ、気にしないきにしない。
「はい、あ~ん。」
「嫌ですわ、もう。」
僕の目の前でラブラブカップルの男性が、「あ~ん」と言いながらご飯をスプーンに乗せて女性に食べさせている。凄く至福そうだ。
その光景を見せられている僕。
・
・
・
「まさか高峰さんがねー…。」
あの後、恭介さんは大慌てで仕事の時間に間に合わないと僕と約束をした朝食を食べずに出て行った。
仕方が無い、分かっている。
分かっているのだけど、ぐぬぬぬぬぬぬ。
せめて学園の門迄お見送りをしたかったのだけど、この学園内に入る許可が降りないと言う和木さん(学園側から拒否されているらしい。一体何をしたのやら…)と車内で此れからのことと仕事の件やら高峰さんのことやら話を詰めないといけないとのこと、それと僕を和木さんに遭わせたくないと言うことで早々に出て行った。
そうして一人ポツンと残された僕。
…周囲の人々の好奇の目に晒された状態で。
無茶苦茶ボッチなのですけど~!
そんなこんなで寂しさやら何やらで、気落ちしてシュンっとしょげている僕をそのままにはして置け無いと、高蔵舞さんとその婚約者である楽さん達カップルが朝食の席に誘ってくれた。
僕に刺さっていた周囲の目を奪い去ってと言うオマケ付きで。
ううん、凄いラブラブカップルさん。
御蔭で助かったけれど。
こう、何だか胸からせり出す何かが砂糖を吐きそう。あっまーい!
「皇君ってば朝食はどうするのかしら。」
「その辺で取るって言っていたけど…。」
心配だなぁ。
急な事柄が色々と起こってしまい、もしかしたら朝御飯食べられないかも知れない。
「でも会社の人、ええと代理の人が来るのでしょう?」
「うん、多分和木さんって人が来るらしいって言っていたけど…。」
和木さんだと確定している様な言い方だったから気になっていた。他の人は居ないのかな?所属している事務所の人。そう言えば社長を云々とか言っていたような。
…大丈夫なの?社長を引っ張って来てしまったら会社として機能しないのでは?
「和木?」
ピクリと楽さんが反応する。
何だか頬引き攣っていません?
「楽ってばお知り合い?」
「あ~…ちょっと、ね。」
頬引き攣ってどころか物凄く嫌そう。
口の端の口角も歪になっている。楽さんの容姿でその様な表情はちょっと。
「ふ~ん、成程、和木、ね。」
高蔵さん、ヤケに区切って喋っているけど怖い、怖いこわい!
目が曇って額に青筋が見えるよ!僕高蔵さんの真向かいに座っているからその表情ガチで怖い!
「ふふ、舞。顔。」
「あら嫌だ、私ったら。」
そうしてニヤリと笑う高蔵さんと楽さんカップル。
…冷気がっ!
※ ※ ※ 2022年7月2日記載
・今回のツッコミどころ
作中度々出て来る和木氏。
高峰マネージャーに嫌われている理由とか裏設定は此方↓
・和木 男 α 30歳 188センチ
一人称は俺。
皇の事務所の雑用係。高峰マネージャーの休日等に代理に呼ばれる。他のマネージャーの休日等も代理で請け負っている。好みの相手は誰彼構わず口説く。そして高峰が好みど真ん中だが、高峰からは毛嫌いされている。
出来たら高峰を押し倒して自分の雌にしたいが、Gの如く嫌われているので無理なのはわかっている。
それと、高峰の番の設定や此方↓
壱屋蔵真(いちやくらまさ) 男 Ω 24歳 171センチ
一人称は俺。時折僕。
高峰の運命。24歳の誕生日にΩのヒートを起こし、そこでΩと判明。【遅咲きのΩ】である。
ツッコミと言うより、設定とか裏設定とかでスイマセン。
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