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質問
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「どうぞ」
客間にクロを案内してからお茶をクロの前においたルナ。伝説の龍種がお茶を飲むのかわからなかったが・・・とりあえずいつも客用に出すお茶をいれてきてみた。
『ありがとう』
クロはそれを普通に飲んだのをみてとりあえず一安心する。そんなルナの内心を読んだかのようにクロは苦笑気味に言った。
『あまり気をつかわなくていいよ。客と言って私は遥の友人・・・というか祖父のつもりだからね。家族と言ってもいいだろう。その遥の奥方の君も私からすれば家族のようなものだからね』
「家族・・・ですか」
一体何があればここまで龍種に気に入られるのだろうかと疑問に思いつつも流石は遥と内心で密かに惚れなおしつつルナは先ほどから気になってたことを聞いてみた。
「あの・・・さっきから口を動かさずに言葉を発してますけど・・・それも魔法なんですか?」
『うーん・・・魔法と言えばそうかな。私達は言語を発するよりも頭の中に直接意思を伝えることが楽だからそうしているだけで、一応普通に話すことも出来るよ』
わかるような、わからないような説明になんとなく頷いてみるルナ。魔法というもの事態貴族の頃の知識しか知らない上に、唯一生で見た魔法というものが遥の魔法のみなのでそれが凄いのかどうかわからないルナだが・・・本来言葉を発することなく頭に直接送る魔法なんてものは使える人間がかなり限られるほどに高度なものなので、一般的な魔法の使い手が見たら腰を抜かしそうなほどの現象なのだが・・・もちろんそんなことは知らないルナはそういうものかと納得した。
『しかし、あの遥がとうとう嫁を娶るとはな・・・感慨深いよ』
「そうなんですか?」
マイヤやロバートと同じような反応をするクロにルナは首を傾げて聞くとクロはどこか懐かしそうに言った。
『かれこれ2年・・・いや、3年経たない頃かな?それくらいの頃から知ってるが、彼はあまり他人に興味がないようだったからね。親しげに見えてもある程度距離を置いてるようなところがあったから、誰かと結婚するなんて考えられなかったが・・・』
そのクロの言葉にいまひとつ首を傾げるルナ。ルナからすれば遥はいつも優しく微笑んでくれていて、常にルナのことを見てくれる大切な存在なので、今の話が遥のことなのかわからないというのが正直なところだった。
そんなルナの反応にクロは苦笑気味に言った。
『まあ、年寄りのくだらい話だよ。それよりも・・・君のその首につけているものは何かな?』
「これですか?これは遥にもらったものです」
『そうか・・・すまないが少し見せてくれるかい?』
その言葉にルナは少し首を傾げながらもネックレスをクロに見せた。
しばらくじっとネックレスを見てから・・・クロは少し驚いたように言った。
『これはまた凄いな・・・読めない箇所がいくつかあるが、かなり高度な術式が込められているようだ』
「術式・・・魔法ですか?」
『ああ。とはいえ、少し違うかな。魔法よりも奇跡に近いような力か・・・いや、それよりもあの遥がここまで本気で力を使うなんて余程愛されているのだろうな』
クロが読める限りで、守りの術式がかなり込められている上に、ちょっとした回復補助の魔法までかかっているように見えた。他人に興味がなさそうな遥からは考えられないくらい過保護なほどに力をつぎ込まれているそれを見て本当にルナのことを遥が大切に思っているのが伺えて嬉しくなるクロだった。
『ところで二人の馴れ初めなんかを聞いてみたいのだが・・・教えてもらえるかな?』
「それは・・・えっと・・・」
そこでルナは言葉に詰まってしまう。ルナにとってはもう過去のこととはいえ、あまり貴族の頃のことを人に話したくないというのと・・・なんとなく遥との大切な時間を他人に話したくないという独占欲のようなものがあったからだ。
そんなルナの様子を見てクロは察したように言った。
『無理に話をしなくてもいいよ。年寄りの興味本意の質問だからね』
「すみません・・・」
『いや。こちらも悪かったね。それよりも・・・そうだな。遥のことで何か聞きたいことはあるかい?お詫びという訳ではないが・・・私に答えられることなら答えよう』
「聞きたいことですか・・・」
いきなりのことに咄嗟には何も出てこなかったルナだったが・・・しばらく考えてからルナはなんとなく前から気になっていたことを聞いてみた。
「あの・・・遥はいつからこの森で一人で住んでいるのか知ってますか?」
『だいたい3年前くらいとは聞いてるが・・・』
「それじゃあ、その・・・遥の家族のことって何か知ってますか?」
今まで聞いてみたくても聞けなかったことだ。遥がいつから一人でここに住んでいたのか、その前はどうしていたのかということ・・・遥のことを全て知りたいと思ったルナはあまり自分のことを語らない遥には質問出来ないのでこうして聞いてみたが・・・そんなルナに申し訳なさそうにクロは言った。
『すまないがそれは私も知らないんだよ。役に立てずすまないね』
「いえ・・・気にしないでください」
それからは遥が戻ってくるまでクロの知ってる限りの遥のエピソードを聞いたルナだったが・・・なんとなく、遥の過去に何があったのかますます興味が出てきたので、いつか聞いてみようと密かに誓ったのだった。
客間にクロを案内してからお茶をクロの前においたルナ。伝説の龍種がお茶を飲むのかわからなかったが・・・とりあえずいつも客用に出すお茶をいれてきてみた。
『ありがとう』
クロはそれを普通に飲んだのをみてとりあえず一安心する。そんなルナの内心を読んだかのようにクロは苦笑気味に言った。
『あまり気をつかわなくていいよ。客と言って私は遥の友人・・・というか祖父のつもりだからね。家族と言ってもいいだろう。その遥の奥方の君も私からすれば家族のようなものだからね』
「家族・・・ですか」
一体何があればここまで龍種に気に入られるのだろうかと疑問に思いつつも流石は遥と内心で密かに惚れなおしつつルナは先ほどから気になってたことを聞いてみた。
「あの・・・さっきから口を動かさずに言葉を発してますけど・・・それも魔法なんですか?」
『うーん・・・魔法と言えばそうかな。私達は言語を発するよりも頭の中に直接意思を伝えることが楽だからそうしているだけで、一応普通に話すことも出来るよ』
わかるような、わからないような説明になんとなく頷いてみるルナ。魔法というもの事態貴族の頃の知識しか知らない上に、唯一生で見た魔法というものが遥の魔法のみなのでそれが凄いのかどうかわからないルナだが・・・本来言葉を発することなく頭に直接送る魔法なんてものは使える人間がかなり限られるほどに高度なものなので、一般的な魔法の使い手が見たら腰を抜かしそうなほどの現象なのだが・・・もちろんそんなことは知らないルナはそういうものかと納得した。
『しかし、あの遥がとうとう嫁を娶るとはな・・・感慨深いよ』
「そうなんですか?」
マイヤやロバートと同じような反応をするクロにルナは首を傾げて聞くとクロはどこか懐かしそうに言った。
『かれこれ2年・・・いや、3年経たない頃かな?それくらいの頃から知ってるが、彼はあまり他人に興味がないようだったからね。親しげに見えてもある程度距離を置いてるようなところがあったから、誰かと結婚するなんて考えられなかったが・・・』
そのクロの言葉にいまひとつ首を傾げるルナ。ルナからすれば遥はいつも優しく微笑んでくれていて、常にルナのことを見てくれる大切な存在なので、今の話が遥のことなのかわからないというのが正直なところだった。
そんなルナの反応にクロは苦笑気味に言った。
『まあ、年寄りのくだらい話だよ。それよりも・・・君のその首につけているものは何かな?』
「これですか?これは遥にもらったものです」
『そうか・・・すまないが少し見せてくれるかい?』
その言葉にルナは少し首を傾げながらもネックレスをクロに見せた。
しばらくじっとネックレスを見てから・・・クロは少し驚いたように言った。
『これはまた凄いな・・・読めない箇所がいくつかあるが、かなり高度な術式が込められているようだ』
「術式・・・魔法ですか?」
『ああ。とはいえ、少し違うかな。魔法よりも奇跡に近いような力か・・・いや、それよりもあの遥がここまで本気で力を使うなんて余程愛されているのだろうな』
クロが読める限りで、守りの術式がかなり込められている上に、ちょっとした回復補助の魔法までかかっているように見えた。他人に興味がなさそうな遥からは考えられないくらい過保護なほどに力をつぎ込まれているそれを見て本当にルナのことを遥が大切に思っているのが伺えて嬉しくなるクロだった。
『ところで二人の馴れ初めなんかを聞いてみたいのだが・・・教えてもらえるかな?』
「それは・・・えっと・・・」
そこでルナは言葉に詰まってしまう。ルナにとってはもう過去のこととはいえ、あまり貴族の頃のことを人に話したくないというのと・・・なんとなく遥との大切な時間を他人に話したくないという独占欲のようなものがあったからだ。
そんなルナの様子を見てクロは察したように言った。
『無理に話をしなくてもいいよ。年寄りの興味本意の質問だからね』
「すみません・・・」
『いや。こちらも悪かったね。それよりも・・・そうだな。遥のことで何か聞きたいことはあるかい?お詫びという訳ではないが・・・私に答えられることなら答えよう』
「聞きたいことですか・・・」
いきなりのことに咄嗟には何も出てこなかったルナだったが・・・しばらく考えてからルナはなんとなく前から気になっていたことを聞いてみた。
「あの・・・遥はいつからこの森で一人で住んでいるのか知ってますか?」
『だいたい3年前くらいとは聞いてるが・・・』
「それじゃあ、その・・・遥の家族のことって何か知ってますか?」
今まで聞いてみたくても聞けなかったことだ。遥がいつから一人でここに住んでいたのか、その前はどうしていたのかということ・・・遥のことを全て知りたいと思ったルナはあまり自分のことを語らない遥には質問出来ないのでこうして聞いてみたが・・・そんなルナに申し訳なさそうにクロは言った。
『すまないがそれは私も知らないんだよ。役に立てずすまないね』
「いえ・・・気にしないでください」
それからは遥が戻ってくるまでクロの知ってる限りの遥のエピソードを聞いたルナだったが・・・なんとなく、遥の過去に何があったのかますます興味が出てきたので、いつか聞いてみようと密かに誓ったのだった。
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