悪役令嬢は溺愛される

yui

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あの二人には幸せになって欲しいね

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部屋に着くと俺は執事のジークフリードにお茶を用意させてみんなで一息つく。

ならび順は、俺とエミリーが隣同士で、向かい合うようにロインとマリーナが座っている。
もちろんこれは、俺の意図的なものだ。
理由はもちろんエミリーの隣がいいからだ!

「さて、二人とも。ちょっと辛いかもだけど、さっき何があったのか教えてくるかな?」

俺はできる限り優しい声音で二人に問いかける。
二人は互いにアイコンタクトをしてから、エミリーが俺のほうをみた。

「講義が終わったあとに、私とマリーナは早めに待ち合わせの場所へ着きました。ただ、何故かそこにジェシカ様がいて・・・」

エミリーの話をまとめるとこうだ。
二人は早めに待ち合わせの場所へ着いたが、何故かそこにはジェシカがいて、いきなりエミリーは俺にふさわしくないと言ったそうだ。
エミリーは少し怒りながらも冷静に対応したそうだが、そのあとにマリーナまで何故かサンデーの件で罵倒しはじめて、我慢できなくなったエミリーはマリーナのために怒ったそうだ。
そして、そのタイミングで丁度俺が現れたそうだ。

一体あの女は何がしたいんだ?
まあ、そんなことよりも・・・
俺は立ち上がるとエミリーの後ろに立ち、背後からエミリーを抱き締めた。

「あ、アルト様・・・!お二人の前で・・・」
「すまなかった。遅くなってしまって。そのせいで二人に・・・エミリーに嫌な思いをさせて・・・」
「アルト様・・・」

俺が本気で悔やんでいるのを察したのか最初は抵抗していたエミリーが赤くなりながらもそっと抱き締めている俺の腕に触れた。

「アルト様。助けていただいてありがとうございます。」
「エミリー・・・」
「その・・・あのときのアルト様はいつも以上に凛々しくて、か、かっこ・・よかったで・・・す・・・。」

後半は萎んでしまったが、全て聞き取れた。
俺のことを格好いいと言おうとして恥ずかしくなったエミリーが愛しすぎる!
もじもじしてて可愛い!

そんなバカップルをやっているとロインとマリーナからの視線を感じた。
ロインはやれやれといった感じの優しげな視線。マリーナは恥ずかしそうだけど、羨ましそうな視線を向けてきた。
いけない、いけない。二人もいたんだよな。

「マリーナも大丈夫だった?色々言われたみたいだけど?」
「私はエミリーに守ってもらったので大丈夫です。それに、あのあとにアルト様もロイン様も私を守ってくれましたから。ありがとうございます。」

そうハニカムマリーナにロインは見惚れているように見つめていた。
早くくっついて欲しいよな。あの二人も。

「そうか。まあ、これからはロインがマリーナを守ってくれるだろ。だろ?」
「えっ・・?ああ、もちろんだ!」
「ありがとうございます。ロイン様。」

微笑み会うロインとマリーナ。
初々しくていいねー。
じゃあ、こっちも・・・

「もちろん、エミリーを守るのは私だ。」
「アルト様・・・あ、ありがとうございます!」

少し羨ましそうな視線を二人に向けていたエミリーももちろんきっちりフォロー。

まあ、そんなこんなで突発的なダブルデートは穏やかに過ぎていった。
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