悪役令嬢は溺愛される

yui

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愛おしい温もりを・・・

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目覚めると俺は自室のベットに寝かされていた。
起き上がろうとすると、なにやら左手を誰かに握られているのに気づきそちらをみた。
そこには無防備に俺の前で寝ている、愛しの天使・・・エミリーが俺の手を握りながら寝ていた。

「エミリー・・・」

俺はエミリーの寝顔をみて空いてる右手で寝ている彼女の頬に触れる。

「う・・ん・・・」

くすぐったそうに体を揺するエミリー。
俺はそれをみて内心で悶えていた。
ヤバイ!寝てるエミリーの無防備さが可愛いすぎる!
エミリーの寝顔はいつもの周りにみせてるような強気な表情からかけ離れたなんとも無防備で愛らしい、子どものような可愛いさがあった。

しばらくそうして遊んでいると、部屋のドアが開いてジークフリードが姿を表した。

「おや?お目覚めですか?アルト様。お体の具合はいかがでしょうか?」
「ああ。問題ない。」
「それはなにより。」

にっこりと頬笑むイケメン執事。

「それよりも、状況を教えてくれるか?ついでに私はどのくらい寝ていた?」
「まず、アルト様が倒れてからかれこれ半日くらいです。夜会はこんな状況なので欠席にしていただきました。」

半日か・・・
まあ、夜会イベントはスルーできたと考えてよしか? 

「それから、例の毒物を盛った侍女ですが・・・どうやら、キャロライン家からの派遣ではなく、もぐり・・・成り済ましによるもののようです。」
「確か?」
「キャロライン家の侍女のリストには載ってませんでした。それに、エミリー様のところの体調を崩したという侍女なのですが・・・空き部屋に拘束されているのを発見されました。」

やはりか・・・

「侍女は無事だったか?」
「はい。多少の怪我はありましたが、命に別状はありません。あと、これは未確定なのですが・・・」

そこでジークフリードは声を落とすと俺の近くまできた。

「昨日、スリザン様と例の侍女が密会していたとの報告があります。今、侍女本人には少し強めに話を聞いていますが・・・」
「そうか・・・」

予想通りの報告に俺は少し目を閉じる。
キングの狙いはやっぱり、エミリーだったのだ。
昨日の接触は俺を油断させてエミリーへの注意を下げるため。
確かに、あのタイミングでエミリーにつっかかっていったら、警戒されるから、俺に意識を向けるのは当たり前なのかもしれないが・・・
何故夜会の前は油断してると知っていた?
考えすぎかもしれないが、用心はしておくか。

「わかった。引き続き頼む。ジークフリード。」
「畏まりました。」
「それから聴きたいんだが・・・エミリーはもしかしてずっと付いててくれたのか?」

ある程度予想は出来てるが一応聞いておかねば。
俺の問いにジークフリードはこくりと頷いた。

「アルト様が倒れてから心配そうにずっと付き添っていらっしゃいました。見ているこちらが辛いくらいにご自分を責めて・・・そして、それ以上にアルト様のご無事を祈っておられました。」
「そうか・・・心配かけたんだな・・・」

エミリーの頭を撫でる。
やっぱり、エミリーはずっと側にいてくれたんだ。
もし、俺が気付くのが少しでも遅くなっていたら・・・
想像するだけで恐ろしい。
それと、同時に頭にきた。
俺のエミリーを毒殺しようとした犯人に・・・!

「ジークフリード。」
「承知しました。」

俺の意思をわかっているのかのようにジークフリードはその言葉で部屋から出ていった。

さて、思い知らせてやるかな。
誰の女に手をだそうとしたのかを・・・!

そんな風に思っているとエミリーがうっすらと目を開けた。
どうやら起きたようだ。

「おはよう。エミリー。」

俺は心の怒りを抑えるといつものように優しく微笑んでエミリーの頭を撫でた。
エミリーは寝起きでぼーっとしていたが、次第に意識がはっきりしてきたのか、俺をみて驚いたように立ち上がった。

「あ、アルト様!目が覚めたのですね!よかった・・・」
「心配かけたね。大丈夫だよ。」

俺のことを本気で心配していたのだろう。
エミリーは心からほっとしたようにそういった。
それをみて、俺は本当に守れてよかったと心から思ってしまう。

「あの、すみませんでした!私のせいで、アルト様が・・・」
「はい。待った。」

やはり、自分のせいだと思っているエミリーに俺は待ったをかける。

「今回のはエミリーは何にも悪くない。だから、謝ったりはしないでよ。」
「ですが・・・」
「エミリーは自分のせいで俺が倒れたと思ってるみたいだけど違うよ。これは、俺がしたかったこと・・・俺にしかできないことだからね。」
「したかったこと・・・?」
「うん。エミリーを守ること。」

その言葉にエミリーは一瞬目を見張ったあとに瞳から涙をこぼした。

「わたし・・・怖かったんです・・・アルト様にもしものことがあったら・・・わたし・・・わたし・・・」
「大丈夫だよ。エミリー。」

俺はエミリーの涙を親指で拭うと、左腕でエミリーを自分へと抱き寄せた。

「俺は死なない。エミリーと一緒に生きたいからね。だから・・・信じてほしい。俺のこと・・・」
「あ・・あると・・さ・・まぁ・・・!」

エミリーは俺の腕のなかでこどものように泣いた。
そんなエミリーを俺はあやすようにゆっくりと抱き締めてあげた。

エミリーから伝わってくる熱を感じながら俺はエミリーが落ち着くまでずっと抱き締めた。

守れた温もりを感じるために・・・
愛しいエミリーの温もりを離さないように。
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