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七話 六月十二日 木曜日
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真夜中の廃墟街。
廃墟街の中でも商店街。実夜と美香があの手紙を拾った場所だ。そこに、美香はいた。
対戦相手であるクレアは居なかった。ただし、クレアの銃は居た。ヴァンガード。クレアの分身である、ドローン型の飛行銃。
美香の手には、二つの銃。正確には二つで一つの銃、ハリケーン。圧縮した空気を発射する、リロードも装填も不要の、連射力を極限まで高めた銃。
「よお、元気してるか?」
美香は感情を持たない殺人兵器に向かって問いかけた。
『クレアちゃんは元気だよー』
ヴァンガードから、クレアの声が聞こえた。ヴァンガードを通して会話することは可能らしい。さすがは分身である。
「今どこにいる?」
『教えるわけないじゃーん。教えちゃったら遠隔操作してる意味ないよー』
遠隔操作することによって、操作する本体を戦場から遠ざけ、安全に戦うことが出来る。というのがクレアの銃、ヴァンガードの強み。
教えるわけがないので、美香もダメ元で聞いてみたまでだ。
『ヒントをあげるならねー。ヴァンガードを遠隔操作出来る最大距離は十キロらしいよー。だからそれ以上遠くにはいられないよー』
「情報提供さんきゅ。参考にさしてもらうぜ。……つっても、お前を探すのはあたしじゃなくて実夜なんだけどな」
実夜の役割は、クレアを探し出し殺すことだ。きっと今頃、夜の街を駆け回っていることだろう。
「だから、お前の相手はあたしだ」
『おー、そのセリフかっこいいねー。是非クレアちゃんも言ってみたいものだよー』
「うるせえ、じゃあとっとと始めるぞ」
『よろしくうー』
美香はハリケーンの引き金を引いた。
五十の銃声が廃商店街に響いた。それが戦闘の始まりの合図となった。
高速で発射された空気の塊達は、天井のカラフルなガラスをバラバラに割り、無数の破片を降らせた。しかし、ヴァンガードには当たっていない。
どこだ?
上空だ。
一瞬にして上昇したヴァンガードは、その位置から発砲する。
「おっと!」
美香は間一髪の所で飛び退きかわす。そして起き上がりざまに弾幕を撃ち込む。不安定な状態から撃っても、弾丸の数でカバーできるのがハリケーンの強み。
『ま、当たらないんだけどねー』
ヴァンガードは持ち前の機動力で、大きく旋回しかわす。
ヴァンガードの素早さは、ハリケーンの弾幕の面積をもろともしないようだ。
「なんだか初めて銃撃戦らしい銃撃戦をしてる気がするぜ!」
その後も続く、弾丸の撃ち合い、かわしあい。
どちらの弾も、一向に当たる気配がない。
それも当然だ。どちらも残機はたった一つのこの勝負。被弾することだけは絶対に避けなければいけないため、必然的に守りに集中する他はなくなる。それに加え、両者とも銃の扱いは初心者だ。命中率は低い。
『やっぱり殺し合いって楽しいよねー』
そんな電子音声が聞こえた。
「悔しいけど、同感だ」
美香はニヒルに笑い、発砲した。
* * *
「すみません、このくらいの、金髪の女の子、見ませんでしたか?」
「あ、見たことあるよ! その子。えっとたしか……三十分くらい前に、あっちの方向に歩いて行ったような」
「ありがとうございます!」
美香がクレアの分身としのぎを削っているその頃、実夜はクレアの本体の捜索を進めていた。
かれこれ五時間、こうして道行く人にクレアの情報を聞いて回っている。こんな田舎で金髪はやはり目立つらしく、目撃証言をもとに大体の居場所は掴むことが出来た。
しかし、見つからない。
ここら辺は、二日前、実夜の家が破壊された後に引っ越したアパートの近くで、ある程度は隠れられそうな場所は知っているはずなのだ。飲食店や、トイレの個室、路地裏など、至るところまで目を通した。もう探していないところを挙げる方が難しい。
実夜にはある後悔があった。
クレアの家に来たとき、あのまま帰らずクレアの家の前で見張っていれば、こんなに苦労をかけて探し回ることも無かった。美香を危険に晒すことも無かった。それについては美香も反省しているところであって、今更考えても仕方の無いことではあるが。
「……絶対に見つけなきゃ」
実夜は、長くても三十秒以内にクレアを仕留めなくてはいけない。なぜなら、クレアが美香との戦いを中断し、ヴァンガードをクレアの元に呼び出すという可能性があるからだ。そうなってしまえば、銃を持っていない実夜はクレアに対抗する術はない。
「その前に……」
その前に、実夜のバッグに入れたナイフで、殺す。
殺さなければならない。
銃を持っていたら、確実だったのだが。
実夜の銃は凛のデストロイによって、家もろとも破壊されてしまった。
実夜にも、美香のハリケーンや、凛のデストロイや、クレアのヴァンガードに並ぶような協力な銃があれば、昨日の凛との戦いだってもっと優位に進められたはず。というか、美香と結託している以上何にも負けることはないはずだ。
本当に、悔やまれる。
ここ最近、悔やんでばかりだ。
凛を殺すことができなかったことも、今になっても後悔が襲う。
美香は、クレア宅にて、クレアにこんな質問をしていたと思い出す。
「本気で人に銃を向けたことがあるのか?」
あの時殺せなかったのは、自分が本気で銃を向けていなかったからなのだろうか。
ああ、悔しい。
そういえば、クレアはこの質問に対し、こう答えていた。
「うん、あるよー。愛ちゃんって人がクラスにいるんだけど、その人に撃ったんだー。え、なんでかってー? ……実はクレアちゃん、虐められてたんだよねー。あははー、愛ちゃんだけじゃなくて他にもいろんな女の子にも虐められてたんだけどさー。中心になってやってたのは愛ちゃんみたいなー? まあ、そんな感じー。あ、でも心配しないでー、さすがに殺したりはしてないよー。ちょっと一生歩けなくしただけだよー」
クレアは、モニターではない一般の人間に銃を向けたと言った。クレアがどんなレベルの虐めを受けていたのかは定かではないため、同情することも非難することも出来ないが、少なくとも人を撃つことに抵抗は無い人間らしいことはわかった。
人の嫌がることをするのが好きだと、自分で言うだけのことはある。
「人の嫌がることをするのが好き……」
私が今、一番されたら嫌なことはなんだろう。
それがクレアを探す鍵になるかも、しれない。
一番されたら嫌なこと。
一番されたら嫌なこと。
それは、
「私の家だ……!」
* * *
視点は美香に戻る。
相変わらず撃ってはかわし、撃ってはかわしの激しい銃撃戦が続く。
戦場となっている廃商店街の店々には、至る所に穴が開き、元々ボロボロだった建物がさらに崩れそうな具合だになっている。
『そろそろ死んでくれてもいいんだよー?』
銃撃戦の最中、ヴァンガードが紡ぐ電子音声で間の抜けたな声が聞こえる。
「そりゃこっちのセリフだよ!」
素早い相手の動きに翻弄され、攻撃することが出来ないもどかしさを感じつつも、美香は勝利の確信を持っていた。
この勝負、長引けば長引くほど、こちらの方が有利になる。
拮抗していた単調な戦いに、突如、変化が訪れる。
ヴァンガードの銃撃が、ビタリと止んだのだ。
銃撃戦は美香が一方的なものとなり、攻撃に徹することで密度と面積を増したハリケーンの無数の弾が、一斉にヴァンガードへと襲いかかる。
そして、数発が命中した。
この勝負において初めての被弾。
外装の一部を破壊されたヴァンガードは、バランスを失いながらも高速で飛行し、美香から射程外までの距離を取った。
「やっと来たか? 弾切れ」
『あははー、そうみたいだねー』
弾切れ。銃にとって、通常切っても切り離すことの出来ない弱点だ。弾がなくなれば、銃はただの鉄の塊と化し、武器としての役割を失う。
ハリケーンは、銃弾を圧縮した空気で代用することによってリロードも弾切れも起こすことのない、持久力において史上最強の銃。
しかし、ヴァンガードはそうもいかない。
長く続いた銃撃戦で、負けるはずがないのだ。
『美香ちゃん、お寿司ってさー、どうしてこんなに美味しいんだろうねー』
「お寿司? 何故今お寿司の話をするんだよ。降参するなら降参と言ってくれ。きっと悪いようにはしないから」
美香と実夜はお金のために戦っているわけでも、本能で戦っているわけでもない。生きるために戦っているのだ。戦わなくて済むならば戦いたくはない。死にたくないし、殺したくない。
降参してくれるならそうしてほしいのだが。
しかしクレアは構わずに続ける。
『だってお寿司ってさー、ご飯にお刺身を乗っけて、お醤油とわさびをつけただけのすっごくシンプルな食べものなのに、不思議だよねー』
「だからなにが言いたい?」
『さっきまで美味しいお寿司を食べながら戦っていたんだけどさー』
「……それマジか?」
こっちは心臓を銃弾でぶち抜かれる危険と隣合わせで戦っているというのに、クレアは寿司を楽しみながら戦っているというのか?
「いやもうほんと……嫌になっちゃうぜ」
昨日の凛との戦いの時もそうだが、こちらばかり走り回って相手は汗水ひとつたらしていないという展開。なんだか疲れる銃を渡されてしまったと美香は思った。
『だけど、もう今からそんな余裕はなくなりそうだなーって思ってさー』
「そりゃどういうことだ?」
クレアの口ぶりでは、まだ戦えるような感を出しているが、もうヴァンガードの銃弾は切れた。装填するには、クレアの家に一度ヴァンガードを戻さなくてはいけないのではないだろうか。
『第二形態ー!』
そう宣言するや否や、ヴァンガードは一瞬にして変形し、刃が四本の生えた、凶悪なフォルムと化す。かと思えば、ヴァンガードのは高速回転し、刃は電動ノコギリのようになる。
そして、飛行する電動ノコギリは徐々に加速し、美香の心臓に向かって一直線に突進をしかける。
『弾丸が無いのなら、自分が弾丸になればいい! って ねー』
「いや……これは言い訳の余地なしで銃じゃねーだろ!」
自らが弾丸となったヴァンガードに、美香は容赦なく空気の弾丸を浴びせる。直進してくるので、命中させやすい。美香は放った弾丸のほとんどを命中させることができた。
しかし、ヴァンガードの勢いは止まらない。刃が、こちらの弾を切り裂いているというのだろうか。
それとの距離はぐんぐんと迫る。
そして、胸に届く、
いやその直前、美香はハリケーンを胸の前で重ねて盾として使い、刃に体が切り刻まれるのを必死で防ぐ。
金属の擦れ合う音。黒板を爪で引っ掻いたときようなあの不快感が、美香を襲う。
刃の回転は勢いを増す。火花が散る。
うるさい。熱い。
そして最後に一発、耳をつんざくような高音と、体を焼き尽くさんとばかりの高温を放ち、二人のそれぞれの銃は、弾かれ、宙を舞った。
ヴァンガードは、青い店のトタンの看板に激突し、制御を失う。
ハリケーンは、その二つともが別々の方向へ飛び散った。美香はそれらの行方を目で追うことは出来なかった。
あまりの衝撃に美香は尻もちをついた。すぐには立ち上がることはできなそうなほど、体のあちこちが痛い。
美香がヴァンガードの様子を確認すると、外装は亀裂がいくつも走り、ボロボロの状態で地面に転がっていた。
破壊することができたか、という希望を持ったそのとき、ヴァンガードはフラフラとではあるが飛行をはじめる。
「まだ……壊れていない?」
『ギリギリだけど、動くみたいー』
まずい。
こちらの銃は吹っ飛ばされてしまい、武器は何も無い。あまりにも無防備だ。この状態であの突撃をされたら、一環の終わり。
「くっそ……」
しかしこちらに向かって来るかと思ったそれは、上昇し、頭上を通り越し、東の方向へ消えて!行った。
「……実夜」
どうやら、実夜がクレアを発見できたようである。さすがにクレアも自己防衛が最優先だろうから、実夜に襲われている自分のところにヴァンガードを派遣したと考えるのが妥当だ。
にしても、間一髪だった。あと少し遅れていれば、どうなっていたかわからない。
「サンキュー実夜」
あとは、実夜の勝利と無事を祈るばかりであった。
* * *
これは数十分前のこと。
実夜が凛に自宅を破壊され、その代わりに住むことになったアパートに、一人の金髪の少女が訪れた。
金髪の少女がチャイムを鳴らすと、中から実夜の母が出てくる。
「わたし、実夜ちゃんの同級生で、クレアって言うんですけどー、実夜ちゃんはいらっしゃいますかー?」
金髪の少女、クレアは尋ねた。
「えっとね、今、友達と出かけちゃってて居ないんだけど、どうしたの?」
実夜の家の門限は緩いらしく、目的だけ伝えれば基本的に何時に帰ってこようと許される。ここ連日のことについては、実夜は「美香ちゃんと遊びに行ってくる」で済ましている。
さすがに、原因不明の家が破壊される事件があった後なので、実夜の母も心配を隠しきれないが、友達との関係を大事にする方が重要だと考えたらしい。
「そうですかー、実夜ちゃんと大事なお話があるので、会いたかったのですがー」
「ごめんね、クレアちゃん。あ、じゃあ実夜が帰ってくるまで家で待ってる?」
「え、いいんですかー? ありがとうございますー!」
というわけで、クレアは実夜の家に招待された。
時刻は十時三十分。
「クレアちゃん、どうしたの? そんなに難しい顔して。なんか、すっごく難しい別のことを考えてるみたいだよ?」
「あ、大丈夫ですー。気にしないでくださいー」
難しい顔をするのも当然だ。クレアは脳に埋め込まれた小型チップを通して、ヴァンガードを遠隔操作して美香と戦っている。つまり、クレアは人の二倍の思考を行っていることになるのだ。常に集中力切らすことができない。
「ご飯は食べた?」
食卓の椅子に座ったクレアに、キッチンで作業をしながら実夜の母は聞いた。
「いいえー、まだですー」
「そうなんだ、じゃあちょうどよかった。今日はお寿司パーティーをしようと思ってたんだけど、パパが今夜は忙しいみたいだから、お寿司がいっぱい余っちゃうところだったんだよね。よかったら食べていってよ」
「ありがとうございますー!」
机にはトロ、サーモン、エビと様々な種類のネタが並んでいて、それをクレアは幸せそうな顔で順番に食べていく。とても、今銃撃戦をしているとは思えない、可愛らしい笑顔だった。
しばらく食べ続けて、クレアは
「もうお腹いっぱいになっちゃいましたー。ごちそうさまでしたー」
と言った。正直、クレアは何貫でも食べられそうな勢いだったけれど、これからさらに集中しなけらればならない、ヴァンガードの『第二形態』に移行するので止むを得なかった。
クレアは目を閉じ、廃墟街にいるもう一人の『自分』に意識を集中させる。
その時、ドアが開け放たれる。
そして叫び声。
「お母さん! 早く! 逃げてえ!」
それを聞いたかと思えば、クレアがいるリビングに実夜が飛び込んできた。
「ど、どうしたの? 実夜」
実夜の母が困惑した様子で言った。
「いいから! お母さん! ここはマジで危ないから!」
早く退避しなければ、クレアのヴァンガードがここに到着してしまう。
自分だけでない。お母さんの命が、危ない。
「あーもう! 行くよ! お母さん!」
実夜は母の手を引っ張り、家を飛び出した。
クレアを殺すことが出来れば一番良かったのだが、こういう状況になってしまえばそうはいかない。一番に優先すべきは、母の命である。
「ねえ、実夜、なんなの? ちゃんと説明して!」
手を引かれて走りながら、母は言う。
しかし今はそれに答えている暇は無い。
ただ、走れ。
廃墟街の中でも商店街。実夜と美香があの手紙を拾った場所だ。そこに、美香はいた。
対戦相手であるクレアは居なかった。ただし、クレアの銃は居た。ヴァンガード。クレアの分身である、ドローン型の飛行銃。
美香の手には、二つの銃。正確には二つで一つの銃、ハリケーン。圧縮した空気を発射する、リロードも装填も不要の、連射力を極限まで高めた銃。
「よお、元気してるか?」
美香は感情を持たない殺人兵器に向かって問いかけた。
『クレアちゃんは元気だよー』
ヴァンガードから、クレアの声が聞こえた。ヴァンガードを通して会話することは可能らしい。さすがは分身である。
「今どこにいる?」
『教えるわけないじゃーん。教えちゃったら遠隔操作してる意味ないよー』
遠隔操作することによって、操作する本体を戦場から遠ざけ、安全に戦うことが出来る。というのがクレアの銃、ヴァンガードの強み。
教えるわけがないので、美香もダメ元で聞いてみたまでだ。
『ヒントをあげるならねー。ヴァンガードを遠隔操作出来る最大距離は十キロらしいよー。だからそれ以上遠くにはいられないよー』
「情報提供さんきゅ。参考にさしてもらうぜ。……つっても、お前を探すのはあたしじゃなくて実夜なんだけどな」
実夜の役割は、クレアを探し出し殺すことだ。きっと今頃、夜の街を駆け回っていることだろう。
「だから、お前の相手はあたしだ」
『おー、そのセリフかっこいいねー。是非クレアちゃんも言ってみたいものだよー』
「うるせえ、じゃあとっとと始めるぞ」
『よろしくうー』
美香はハリケーンの引き金を引いた。
五十の銃声が廃商店街に響いた。それが戦闘の始まりの合図となった。
高速で発射された空気の塊達は、天井のカラフルなガラスをバラバラに割り、無数の破片を降らせた。しかし、ヴァンガードには当たっていない。
どこだ?
上空だ。
一瞬にして上昇したヴァンガードは、その位置から発砲する。
「おっと!」
美香は間一髪の所で飛び退きかわす。そして起き上がりざまに弾幕を撃ち込む。不安定な状態から撃っても、弾丸の数でカバーできるのがハリケーンの強み。
『ま、当たらないんだけどねー』
ヴァンガードは持ち前の機動力で、大きく旋回しかわす。
ヴァンガードの素早さは、ハリケーンの弾幕の面積をもろともしないようだ。
「なんだか初めて銃撃戦らしい銃撃戦をしてる気がするぜ!」
その後も続く、弾丸の撃ち合い、かわしあい。
どちらの弾も、一向に当たる気配がない。
それも当然だ。どちらも残機はたった一つのこの勝負。被弾することだけは絶対に避けなければいけないため、必然的に守りに集中する他はなくなる。それに加え、両者とも銃の扱いは初心者だ。命中率は低い。
『やっぱり殺し合いって楽しいよねー』
そんな電子音声が聞こえた。
「悔しいけど、同感だ」
美香はニヒルに笑い、発砲した。
* * *
「すみません、このくらいの、金髪の女の子、見ませんでしたか?」
「あ、見たことあるよ! その子。えっとたしか……三十分くらい前に、あっちの方向に歩いて行ったような」
「ありがとうございます!」
美香がクレアの分身としのぎを削っているその頃、実夜はクレアの本体の捜索を進めていた。
かれこれ五時間、こうして道行く人にクレアの情報を聞いて回っている。こんな田舎で金髪はやはり目立つらしく、目撃証言をもとに大体の居場所は掴むことが出来た。
しかし、見つからない。
ここら辺は、二日前、実夜の家が破壊された後に引っ越したアパートの近くで、ある程度は隠れられそうな場所は知っているはずなのだ。飲食店や、トイレの個室、路地裏など、至るところまで目を通した。もう探していないところを挙げる方が難しい。
実夜にはある後悔があった。
クレアの家に来たとき、あのまま帰らずクレアの家の前で見張っていれば、こんなに苦労をかけて探し回ることも無かった。美香を危険に晒すことも無かった。それについては美香も反省しているところであって、今更考えても仕方の無いことではあるが。
「……絶対に見つけなきゃ」
実夜は、長くても三十秒以内にクレアを仕留めなくてはいけない。なぜなら、クレアが美香との戦いを中断し、ヴァンガードをクレアの元に呼び出すという可能性があるからだ。そうなってしまえば、銃を持っていない実夜はクレアに対抗する術はない。
「その前に……」
その前に、実夜のバッグに入れたナイフで、殺す。
殺さなければならない。
銃を持っていたら、確実だったのだが。
実夜の銃は凛のデストロイによって、家もろとも破壊されてしまった。
実夜にも、美香のハリケーンや、凛のデストロイや、クレアのヴァンガードに並ぶような協力な銃があれば、昨日の凛との戦いだってもっと優位に進められたはず。というか、美香と結託している以上何にも負けることはないはずだ。
本当に、悔やまれる。
ここ最近、悔やんでばかりだ。
凛を殺すことができなかったことも、今になっても後悔が襲う。
美香は、クレア宅にて、クレアにこんな質問をしていたと思い出す。
「本気で人に銃を向けたことがあるのか?」
あの時殺せなかったのは、自分が本気で銃を向けていなかったからなのだろうか。
ああ、悔しい。
そういえば、クレアはこの質問に対し、こう答えていた。
「うん、あるよー。愛ちゃんって人がクラスにいるんだけど、その人に撃ったんだー。え、なんでかってー? ……実はクレアちゃん、虐められてたんだよねー。あははー、愛ちゃんだけじゃなくて他にもいろんな女の子にも虐められてたんだけどさー。中心になってやってたのは愛ちゃんみたいなー? まあ、そんな感じー。あ、でも心配しないでー、さすがに殺したりはしてないよー。ちょっと一生歩けなくしただけだよー」
クレアは、モニターではない一般の人間に銃を向けたと言った。クレアがどんなレベルの虐めを受けていたのかは定かではないため、同情することも非難することも出来ないが、少なくとも人を撃つことに抵抗は無い人間らしいことはわかった。
人の嫌がることをするのが好きだと、自分で言うだけのことはある。
「人の嫌がることをするのが好き……」
私が今、一番されたら嫌なことはなんだろう。
それがクレアを探す鍵になるかも、しれない。
一番されたら嫌なこと。
一番されたら嫌なこと。
それは、
「私の家だ……!」
* * *
視点は美香に戻る。
相変わらず撃ってはかわし、撃ってはかわしの激しい銃撃戦が続く。
戦場となっている廃商店街の店々には、至る所に穴が開き、元々ボロボロだった建物がさらに崩れそうな具合だになっている。
『そろそろ死んでくれてもいいんだよー?』
銃撃戦の最中、ヴァンガードが紡ぐ電子音声で間の抜けたな声が聞こえる。
「そりゃこっちのセリフだよ!」
素早い相手の動きに翻弄され、攻撃することが出来ないもどかしさを感じつつも、美香は勝利の確信を持っていた。
この勝負、長引けば長引くほど、こちらの方が有利になる。
拮抗していた単調な戦いに、突如、変化が訪れる。
ヴァンガードの銃撃が、ビタリと止んだのだ。
銃撃戦は美香が一方的なものとなり、攻撃に徹することで密度と面積を増したハリケーンの無数の弾が、一斉にヴァンガードへと襲いかかる。
そして、数発が命中した。
この勝負において初めての被弾。
外装の一部を破壊されたヴァンガードは、バランスを失いながらも高速で飛行し、美香から射程外までの距離を取った。
「やっと来たか? 弾切れ」
『あははー、そうみたいだねー』
弾切れ。銃にとって、通常切っても切り離すことの出来ない弱点だ。弾がなくなれば、銃はただの鉄の塊と化し、武器としての役割を失う。
ハリケーンは、銃弾を圧縮した空気で代用することによってリロードも弾切れも起こすことのない、持久力において史上最強の銃。
しかし、ヴァンガードはそうもいかない。
長く続いた銃撃戦で、負けるはずがないのだ。
『美香ちゃん、お寿司ってさー、どうしてこんなに美味しいんだろうねー』
「お寿司? 何故今お寿司の話をするんだよ。降参するなら降参と言ってくれ。きっと悪いようにはしないから」
美香と実夜はお金のために戦っているわけでも、本能で戦っているわけでもない。生きるために戦っているのだ。戦わなくて済むならば戦いたくはない。死にたくないし、殺したくない。
降参してくれるならそうしてほしいのだが。
しかしクレアは構わずに続ける。
『だってお寿司ってさー、ご飯にお刺身を乗っけて、お醤油とわさびをつけただけのすっごくシンプルな食べものなのに、不思議だよねー』
「だからなにが言いたい?」
『さっきまで美味しいお寿司を食べながら戦っていたんだけどさー』
「……それマジか?」
こっちは心臓を銃弾でぶち抜かれる危険と隣合わせで戦っているというのに、クレアは寿司を楽しみながら戦っているというのか?
「いやもうほんと……嫌になっちゃうぜ」
昨日の凛との戦いの時もそうだが、こちらばかり走り回って相手は汗水ひとつたらしていないという展開。なんだか疲れる銃を渡されてしまったと美香は思った。
『だけど、もう今からそんな余裕はなくなりそうだなーって思ってさー』
「そりゃどういうことだ?」
クレアの口ぶりでは、まだ戦えるような感を出しているが、もうヴァンガードの銃弾は切れた。装填するには、クレアの家に一度ヴァンガードを戻さなくてはいけないのではないだろうか。
『第二形態ー!』
そう宣言するや否や、ヴァンガードは一瞬にして変形し、刃が四本の生えた、凶悪なフォルムと化す。かと思えば、ヴァンガードのは高速回転し、刃は電動ノコギリのようになる。
そして、飛行する電動ノコギリは徐々に加速し、美香の心臓に向かって一直線に突進をしかける。
『弾丸が無いのなら、自分が弾丸になればいい! って ねー』
「いや……これは言い訳の余地なしで銃じゃねーだろ!」
自らが弾丸となったヴァンガードに、美香は容赦なく空気の弾丸を浴びせる。直進してくるので、命中させやすい。美香は放った弾丸のほとんどを命中させることができた。
しかし、ヴァンガードの勢いは止まらない。刃が、こちらの弾を切り裂いているというのだろうか。
それとの距離はぐんぐんと迫る。
そして、胸に届く、
いやその直前、美香はハリケーンを胸の前で重ねて盾として使い、刃に体が切り刻まれるのを必死で防ぐ。
金属の擦れ合う音。黒板を爪で引っ掻いたときようなあの不快感が、美香を襲う。
刃の回転は勢いを増す。火花が散る。
うるさい。熱い。
そして最後に一発、耳をつんざくような高音と、体を焼き尽くさんとばかりの高温を放ち、二人のそれぞれの銃は、弾かれ、宙を舞った。
ヴァンガードは、青い店のトタンの看板に激突し、制御を失う。
ハリケーンは、その二つともが別々の方向へ飛び散った。美香はそれらの行方を目で追うことは出来なかった。
あまりの衝撃に美香は尻もちをついた。すぐには立ち上がることはできなそうなほど、体のあちこちが痛い。
美香がヴァンガードの様子を確認すると、外装は亀裂がいくつも走り、ボロボロの状態で地面に転がっていた。
破壊することができたか、という希望を持ったそのとき、ヴァンガードはフラフラとではあるが飛行をはじめる。
「まだ……壊れていない?」
『ギリギリだけど、動くみたいー』
まずい。
こちらの銃は吹っ飛ばされてしまい、武器は何も無い。あまりにも無防備だ。この状態であの突撃をされたら、一環の終わり。
「くっそ……」
しかしこちらに向かって来るかと思ったそれは、上昇し、頭上を通り越し、東の方向へ消えて!行った。
「……実夜」
どうやら、実夜がクレアを発見できたようである。さすがにクレアも自己防衛が最優先だろうから、実夜に襲われている自分のところにヴァンガードを派遣したと考えるのが妥当だ。
にしても、間一髪だった。あと少し遅れていれば、どうなっていたかわからない。
「サンキュー実夜」
あとは、実夜の勝利と無事を祈るばかりであった。
* * *
これは数十分前のこと。
実夜が凛に自宅を破壊され、その代わりに住むことになったアパートに、一人の金髪の少女が訪れた。
金髪の少女がチャイムを鳴らすと、中から実夜の母が出てくる。
「わたし、実夜ちゃんの同級生で、クレアって言うんですけどー、実夜ちゃんはいらっしゃいますかー?」
金髪の少女、クレアは尋ねた。
「えっとね、今、友達と出かけちゃってて居ないんだけど、どうしたの?」
実夜の家の門限は緩いらしく、目的だけ伝えれば基本的に何時に帰ってこようと許される。ここ連日のことについては、実夜は「美香ちゃんと遊びに行ってくる」で済ましている。
さすがに、原因不明の家が破壊される事件があった後なので、実夜の母も心配を隠しきれないが、友達との関係を大事にする方が重要だと考えたらしい。
「そうですかー、実夜ちゃんと大事なお話があるので、会いたかったのですがー」
「ごめんね、クレアちゃん。あ、じゃあ実夜が帰ってくるまで家で待ってる?」
「え、いいんですかー? ありがとうございますー!」
というわけで、クレアは実夜の家に招待された。
時刻は十時三十分。
「クレアちゃん、どうしたの? そんなに難しい顔して。なんか、すっごく難しい別のことを考えてるみたいだよ?」
「あ、大丈夫ですー。気にしないでくださいー」
難しい顔をするのも当然だ。クレアは脳に埋め込まれた小型チップを通して、ヴァンガードを遠隔操作して美香と戦っている。つまり、クレアは人の二倍の思考を行っていることになるのだ。常に集中力切らすことができない。
「ご飯は食べた?」
食卓の椅子に座ったクレアに、キッチンで作業をしながら実夜の母は聞いた。
「いいえー、まだですー」
「そうなんだ、じゃあちょうどよかった。今日はお寿司パーティーをしようと思ってたんだけど、パパが今夜は忙しいみたいだから、お寿司がいっぱい余っちゃうところだったんだよね。よかったら食べていってよ」
「ありがとうございますー!」
机にはトロ、サーモン、エビと様々な種類のネタが並んでいて、それをクレアは幸せそうな顔で順番に食べていく。とても、今銃撃戦をしているとは思えない、可愛らしい笑顔だった。
しばらく食べ続けて、クレアは
「もうお腹いっぱいになっちゃいましたー。ごちそうさまでしたー」
と言った。正直、クレアは何貫でも食べられそうな勢いだったけれど、これからさらに集中しなけらればならない、ヴァンガードの『第二形態』に移行するので止むを得なかった。
クレアは目を閉じ、廃墟街にいるもう一人の『自分』に意識を集中させる。
その時、ドアが開け放たれる。
そして叫び声。
「お母さん! 早く! 逃げてえ!」
それを聞いたかと思えば、クレアがいるリビングに実夜が飛び込んできた。
「ど、どうしたの? 実夜」
実夜の母が困惑した様子で言った。
「いいから! お母さん! ここはマジで危ないから!」
早く退避しなければ、クレアのヴァンガードがここに到着してしまう。
自分だけでない。お母さんの命が、危ない。
「あーもう! 行くよ! お母さん!」
実夜は母の手を引っ張り、家を飛び出した。
クレアを殺すことが出来れば一番良かったのだが、こういう状況になってしまえばそうはいかない。一番に優先すべきは、母の命である。
「ねえ、実夜、なんなの? ちゃんと説明して!」
手を引かれて走りながら、母は言う。
しかし今はそれに答えている暇は無い。
ただ、走れ。
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異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
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林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
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転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
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「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
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