風華風唱-400年経った世界は残酷で優しかった

Aime

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Side:??

『俺と番の誓いをしてくれ!』


遠い昔に約束をしたあの人が、血まみれになりながらも私の手を引く。


先の戦で傷つき大怪我を負ったあの人は、今も立っていることが精一杯のはずなのに。


爆発と金属がぶつかり合う音を背にあの人と私は、秘密の地下通路をひた走っている。


「っ、はぁ、はぁ、、っ××!あ、あいつがっ…すぐそこまで来てる!
て、手を離して!お前まで失いたくない!」


手をひかれている私は、目の前のあの人に声をかける。


あの人は顔色こそ見えぬが、苦しそうな、だが優しい声で私に語りかける。


「大丈夫。…はぁ、はぁ、ここは、我らしか…っ知らない、場所。
ヤツ、も…ここまで…はぁ、来れは、しない。」


しばらく走った先、我々のみが知る洞窟の最奥、精霊の祠。


泉の周囲には草花が咲き乱れ、泉の中心には東屋と祠がある。


東屋には2つの影と、儀式の際に開かれる精霊の花と私も見たことがない方陣。


その前にたどり着いたあの人と、見慣れぬものに困惑する私。


そんな私の背を安心させるように撫でながらあの人はその影に声をかけた。


「ノーム、フェニクス。準備はいいか?……ミラ、すまない。」


暖かく柔らかなモノが口に触れる。


その瞬間、光が差し込み私の意識は闇へと飲まれていった。










No.side

「まって!!っつ・・・夢か・・・」


アメリカ帝国、ニューヨーク。


建設途中の高層ビル、鉄骨がむき出しになっているその場所に一つの影と2羽の鳥がいた。


真っ黒な装束に身を包みローブを頭から被っているため性別は判断がつかないが、その165cmほどの身長から大人ではなさそうと判断が出来る。


スラリとした足を鉄骨の外に投げ出し寝転んでいた人影は、突然がばっと身体を起こす。


その突然の動きに、人影の横で羽を休めていた白と黒の隼のような、だが尾羽が長い不思議な鳥が2羽、驚きキュイと声を上げながら羽を広げる。


「あっ、わるい。」


人影は二羽を腕に止まらせると、落ち着けさせるように背をなでる。


二羽が落ち着いたのを見て、両肩に止まらせ、脇に投げ出されていた一冊の本を手に取る。


その本には『大日本帝国歴戦記』とか書かれている。


「こいつのせいか、・・・・・」


本を撫で、懐にしまうと一枚の紙を取り出す。


そして、一羽の黒い鳥の足にそれを結ぶと鳥たちに話しかけた。


「そろそろ時間だ。
・・・ロナ、この報告書を長に届けて。
リィも一緒に戻りな。俺は・・・次の任務に行く。」


飛び立たせるように腕を上げると、二羽は少し旋回し鳴きながらはばたいていった。


それを見届けた人影は立ち上がった。


「さて、次が終わったら一度本部に帰るか。」


人が簡単には登って来れない鉄塔の上にいた人影は、すっと音もなく闇に姿をくらませた。



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