風華風唱-400年経った世界は残酷で優しかった

Aime

文字の大きさ
26 / 44
2章

22.

しおりを挟む
メインキャラの2人目をようやく出せます!

2章スタートです

ーーーーーーーーーーーーー



李都兄ぃの部屋でもう1日泊まって、朝早めに学校にいった。


「あ、唯都!!」


「おはよう、具合大丈夫?」


「おはよう、義樹、光。大丈夫だよ、心配かけてごめん。」


教室に入ると二人が駆け寄ってきた。


二人と話していると、周りがうるさい。


「何、あいつ。オタクの分際でまた平良様と刈谷様に媚びうってる。」


「でも、手を出さない方がいいって。李都様の弟だよ?」


「あんなヤツ、どうせ何も出来ない落ちこぼれに決まってるよ!!」


うるさい…この前の試合見なかったのかな?


俺、大和に勝ったのに…


「ちょ…唯都、殺気もれてる!」


殺気を感じた義樹は慌てる。


「うるさい…やっぱ今日も休むね。アキ…煉城先生に言っといて。」


「俺が何だって?志野。」


振り向くと怖い顔のアキ。


「あ、先生。体調不良で休みます。」


「嘘だろ?逃がさんぞ、志野。」


出口を塞がれ行き場がない…


「はぁ…光、ここ何階?」


「3階だけど…?」


「じゃあ、またお昼に。」


そう言うと俺は窓から飛び降りた。


「ちょっ!志野ぉ!!」


アキが叫んでいたが、それも無視して俺はストンッと降り立つと森の方に足を運んだ。


そよそよと吹く風が歓迎するように俺の周りを包みこむ。


「ねぇ、何処か静かな所ってない?」


尋ねると、風はこっちだよと言わんばかりに唯都を導いていった。


しばらくすると、泉が見えてきた。


木々に囲まれ太陽の光があたって輝いている。


「ありがとう。」


風達に礼をいって俺は草の上に座った。


ゴロンっと寝転ぶと土の匂いが香り、落ち着く。


「……~♪」


・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


Side:??

「委員長ー!!どこですかぁー!!今日こそは仕事してもらいますよ!!」


秋人が俺を探している。


でも俺は捕まる気はない。


森に入り、気に入っている場所に向かう。


そして、いつものように定位置で寝ようとしたが、人がいるのに気付いた。


「……ら………けー…」


何かを歌っているようだ。


俺はゆっくり近づいていった。


「♫(眠れ良い子よ 愛しい子よ
我ら風の子  天馬の血を継ぐ者
かぜはそなたを守り抜く
眠れ良い子よ 愛しい子
風に抱かれて …)」


そいつは歌いながら空を見上げた。



子守唄のようだが、そいつの目から涙が一筋零れたのを見て悲しい曲にも聞こえてくる。


そいつの容姿はオタクのようなのに、その一筋の涙はとても綺麗でその横顔から目が離せなくなる。


何故か分からないが、この懐かしいような感覚は…


オタクで思い出したが、確かこいつは外部生の志野唯都。


このまま声をかけるのは、と思い立ち去ろうとしたが、志野は俺の気配に気付いたようだ。


まだ結構な距離があるのに気づくなんて…


「!!! っ…」


よく表情はわからなかったが、驚いたようだ。


志野はぱっと立ち上がろうとしたが、ふらりとよろけた。


「大丈夫か?そんな急に立ち上がったら立ちくらみする。」


俺はとっさに走って志野をささえた。


「……ありがとうございます。」


志野は小さく呟くと、俺からサッと離れる。


そのまま立ち去ろうとした志野をとっさに服を掴む。


普段の俺ならそんなことはしないのに、何故かとっさに掴んでしまった。


「…離して。」


「座れよ。どうせお前もさぼりだろ?」


「……」


志野はしばらく考えた後、ストンッと座った。


お互いに無言のまま時間だけが過ぎていく。


呼び止めたはいいが、何を話していいか。


「なぁ…」


呼んでみると顔だけこっちを見あげてきた。


「っ!!」


大きな眼鏡をかけていたからわからなかったが、俺を見上げる志野の目は澄んだ碧色だった。


「?……何ですか?」


志野は淡々と見つめてくる。


その綺麗な目で俺をうつすがこれといった表情がない。


「いや…おま……志野、いや唯都って呼んでいいか?」


「お好きに。」


ふいっと俺から顔を背けた唯都。


「じゃあ、唯都……俺は紅月翔也だ。よろしく。」


「紅月…。…そうか、もう…」


この続きは聞こえなかった。


風の中に溶けとんだ声。


やっぱりずっと前に聞いた記憶があるが、思い出せない。


「目、碧いんだな…空みたいだ。」


ぼそりとつぶやくと志野、いや唯都は綺麗な目を見開いて俺を見つめてきた。


「な……んで…」


唯都は会って初めて表情が変わった。


「いや…なんで隠しているのか分からないが、
俺のように背の高い人から見たら眼鏡の意味がないな。」


「!!…カラコンしようとしたけど、目が受け付けなかったんですよ。」


先程よりかふてぶてしい様子の唯都。


そんな様子も可愛らしいと思いつつ、思った事を口走る。


「その目、綺麗だから見せればいいのに。」


すると、唯都は大きなめを更に見開いて走り去っていった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

処理中です...