初めてはアイツと!?〜大嫌いなチャラ同期に、鉄壁の秘密を暴かれました〜

萩野詩音

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第3話

4

「音、気になんの?」

 糸川は目を細めたかと思うと、今度は私の耳に舌を差し入れた。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて舐められる。

 確かにさっきまでのはしたない音は聞こえなくなったけれど、耳に直接吹き込まれる音は、余計に快感を煽った。

 秘部と耳穴を同時に侵されて、頭のなかがじんじんと痺れていく。

 だらしなく開いた口からは、絶え間なく喘ぎ声が漏れていた。

 気づけば指の数はさらに増やされ、なかでバラバラに動いている。また先ほど味わった快感に似た感覚が競り上がってきて、身体中が震える。

 ふっと糸川が笑った気配がする。恥ずかしい。

 でも早くまたあの感覚を味わいた。解放された瞬間の気持ちよさを味わいたい。そう考えて必死に糸川にしがみついた。

「あ、ああ……っ」

 またいってしまう――そう思った瞬間、糸川の手が抜き取られた。

「……え?」

 呆然と糸川を見上げる。すると口端を引き上げた糸川が、
「だめ。もう指じゃイかせねーから」と告げた。

「な、なん、で……っ」

 呆然と呟けば、

「なんでって、こっちでイかせるために決まってんだろ」

 そう言って、避妊具をつけた陰茎を、蜜壺に擦り付けてくる。

「あ、や、やあ……」

 にゅるにゅると擦り付けられて、確かにそれだけで快感はあっさりと戻ってくる。
 でも、あまりの暴力的な大きさに、やっぱり入るとは思えない――。

 一気に緊張感に捕らわれて、全身が固まってしまう。
「大丈夫。無理にはしねーから」

 そう言って、糸川はまた腰を動かした。入っていないのに、自分のうえで腰を振る糸川の様子に、きゅんと胸が締め付けられる。

 それがなんという感情なのか、私には説明できなかった。

 ぐっと糸川が腰を進める。避けるような痛みが走って、思わず顔を顰める。
 一瞬で、先ほどまでの快感はどこかへ吹き飛んでしまった。

 さっきまでぬるぬると潤っていた自分の中が、急速に乾いていくのがわかる。

「……まだ先端しか入れてねーけど……平気?」
「や、やだ無理。痛いっ」

 素直にそう言えば、糸川は眉根を寄せた。

 キスをされたり、胸を舐めたりされても、身体はどんどんこわばっていく。

「痛い?」
「い、痛い……」

 糸川は入り口のところで止まってくれているのに、それだけでじんじんと避けるように痛い。

 やっぱりできないのだろうか。
 恋人でもない糸川とこんなことになったから?

 痛みと情けなさで、視界が滲んだ。
 そのままぼろぼろと涙が溢れる。

「な……っ。泣くなって……!」

 焦った糸川が自身を引き抜いた。じりじりとした痛みは消えたけれど、涙が全然止まらない。

「悪い。ちょっと急ぎすぎた」

 糸川の手が、私の頭をゆっくりと撫でる。

「これ以上はしねーから」
「え……」

 糸川のそれはまだ大きく膨らんだままだ。ちらりと目線を落とした私を見て、糸川は呆れたように息を吐いた。

「あのな、俺だって泣いてるやつに無理やりするほど鬼畜じゃねえし」
「で、でも……」
「いいから。もう寝とけ」

 そう言って糸川は自分の胸に私を引き寄せる。
 こつんとぶつかった額から、あたたかい熱が流れ込んでくるようで。

「う……うう……っ」

 まるでダムが決壊したみたいに泣き始める私を、糸川がそっと抱きしめた。

「悪かったって……」

 何度も謝ってくる糸川にゆるゆると首を振る。だって別に痛かったから泣いているわけでも、嫌だったから泣いているわけでもないのだ。
 それだけはわかっているのに、後から後から溢れる涙を止めることができず私は糸川の胸にすがりつくことしかできなかった。
感想 2

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