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第9話
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触れ合った額が、振動で揺れる。頭のなかに直接注ぎ込まれたみたいな声に、全身の熱が一気に跳ね上がった。
糸川はじっとこちらを見つめる。至近距離で見る瞳は、しっとりと濡れているように感じた。
目を閉じる。すぐに瞼の上に唇が落ちてきた。顔のあちこちを唇でなぞられて、背中が震える。自然と熱い唇にすり寄ってしまう。
頬に熱い吐息がかかるのを感じて、目を開けた。
「ほんと……お前、なんなの」
糸川が口を尖らせている。
「なんなのって……」
「俺の我慢をなんだと思ってんだよってこと」
そう言うと、糸川はぐいっと私を引っ張った。そのまま器用にベッドとテーブルの合間の細いスペースに寝転がる。
私はそんな糸川の上に乗り上げるような体勢になってしまった。逃れようと体を捩るけれど、腰をしっかりと抱き込まれて動けない。
「ぶつかると、溢れるぞ」
ほとんど中身の減っていないマグカップを示される。カップの縁、ぎりぎりで水面を保っている紅茶の表面が視界に映る。おとなしくなるしかなかった。
頭の裏に糸川の手が添えられて、そのまま引き寄せられる。
唇が重なった。すぐに舌が唇を割って、押し入ってくる。
「ん、ん……、んっ」
自分の口からくぐもった声が漏れる。けれど糸川の舌は構うことなく私の口の中を蹂躙していく。息をつぎたいのに、頭をしっかりと押さえられていて離れることもできない。たらりと、口端から銀糸が垂れる。
ようやく唇が解放されたかと思うと、糸川の舌が垂れた唾液を舐め取っていった。
「俺は、続きしたいんだけど。この前の」
掠れた声が響く。下からゆらゆらと揺れる瞳に見つめられ、無言で頷いていた。
糸川がゆっくりと身体を起こす。その体幹に驚いていると、気づいたら今度はベッドの上に押し倒されていた。
ごつごつと骨ばった指がブラウスのボタンを外したかと思うと、露わになった首筋に強く吸いつかれた。
「痛っ」
思わず声をあげるけれど、唇は離れていかない。
じゅっと吸われたかと思うと、ようやく唇を離した糸川が満足そうに首筋を撫でた。
「すっげ。しっかり跡ついた」
「な……っ」
ついで鎖骨の上にも吸いつかれる。
「な、にするの……!」
「んー? いっぱい痕つけておこうと思って。相川は俺のだって」
「そんな、違うの、にっ」
「違わねーし」
糸川はそう言って、場所を変えて何度も何度も首筋や胸の上に吸い付いてくる。
見えないけれど、あちこちに赤い痕がついているだろう。土日を挟むとはいえ、どうやって仕事に行こう。隠せるだろうか。
必死に思考をめぐらせていると、
「他のこと考えんな」
鋭い声が響いて、再び唇が重なる。
気づけばうっとりと目を閉じてしまった。
糸川はじっとこちらを見つめる。至近距離で見る瞳は、しっとりと濡れているように感じた。
目を閉じる。すぐに瞼の上に唇が落ちてきた。顔のあちこちを唇でなぞられて、背中が震える。自然と熱い唇にすり寄ってしまう。
頬に熱い吐息がかかるのを感じて、目を開けた。
「ほんと……お前、なんなの」
糸川が口を尖らせている。
「なんなのって……」
「俺の我慢をなんだと思ってんだよってこと」
そう言うと、糸川はぐいっと私を引っ張った。そのまま器用にベッドとテーブルの合間の細いスペースに寝転がる。
私はそんな糸川の上に乗り上げるような体勢になってしまった。逃れようと体を捩るけれど、腰をしっかりと抱き込まれて動けない。
「ぶつかると、溢れるぞ」
ほとんど中身の減っていないマグカップを示される。カップの縁、ぎりぎりで水面を保っている紅茶の表面が視界に映る。おとなしくなるしかなかった。
頭の裏に糸川の手が添えられて、そのまま引き寄せられる。
唇が重なった。すぐに舌が唇を割って、押し入ってくる。
「ん、ん……、んっ」
自分の口からくぐもった声が漏れる。けれど糸川の舌は構うことなく私の口の中を蹂躙していく。息をつぎたいのに、頭をしっかりと押さえられていて離れることもできない。たらりと、口端から銀糸が垂れる。
ようやく唇が解放されたかと思うと、糸川の舌が垂れた唾液を舐め取っていった。
「俺は、続きしたいんだけど。この前の」
掠れた声が響く。下からゆらゆらと揺れる瞳に見つめられ、無言で頷いていた。
糸川がゆっくりと身体を起こす。その体幹に驚いていると、気づいたら今度はベッドの上に押し倒されていた。
ごつごつと骨ばった指がブラウスのボタンを外したかと思うと、露わになった首筋に強く吸いつかれた。
「痛っ」
思わず声をあげるけれど、唇は離れていかない。
じゅっと吸われたかと思うと、ようやく唇を離した糸川が満足そうに首筋を撫でた。
「すっげ。しっかり跡ついた」
「な……っ」
ついで鎖骨の上にも吸いつかれる。
「な、にするの……!」
「んー? いっぱい痕つけておこうと思って。相川は俺のだって」
「そんな、違うの、にっ」
「違わねーし」
糸川はそう言って、場所を変えて何度も何度も首筋や胸の上に吸い付いてくる。
見えないけれど、あちこちに赤い痕がついているだろう。土日を挟むとはいえ、どうやって仕事に行こう。隠せるだろうか。
必死に思考をめぐらせていると、
「他のこと考えんな」
鋭い声が響いて、再び唇が重なる。
気づけばうっとりと目を閉じてしまった。
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