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第一章

ビシバシいかないと!

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 学校を卒業するまであともう少しなので、学校に登校しなければならない日は週に2、3日しかない。

 なので休みの日は家の手伝いやソフィアと街の見回りをしたりしてるから、全然休みがない!

 その事をソフィアに愚痴ったら、今日と明日は休みにしてくれるみたいだ。

「やっと休めるー! さて、明日はコン太達と遊びに行くから、今日は家でダラダラするぞー!」

「なんで家でダラダラするだけなのに、そんな気合入れてるのよ……」

「ただダラダラするのも大変なんだぞ? いかに動かなくて済むように準備しなきゃいけないし!」

「何なのよその下らない理由は……はぁ~、まあ休みなんだから好きに過ごせばいいけど、また夜更かししすぎて朝起きれないなんてやめてよ? なかなか起きないから起こすの大変なのよ?」

「はいはい、それでソフィアも今日休みなんだろ?何する予定なの?」

「はいは1回! う~ん、そうね~? とりあえず掃除、洗濯して馬達のお世話して近所のおばあちゃんの畑仕事手伝って……」

「ちょっと待って! それ全然休みになってないじゃん! いつも休みにそんな事してるのかよ!?」

「そうね~、でも何か動いてないと落ち着かなくてね……長い間じっと動かないで居たようなものだから……」

 そう言ったソフィアの顔が少し寂しそうで、何か悪い事聞いちゃったかな?

 よし! それなら今日はソフィアと……

「ソフィア! とりあえず散歩にでも行こうぜ!」

「えっ? 今日は休みだから見回りはしなくていいわよ?」

「違うよ! ただそこらへんを散歩するだけだよ」
「でも掃除とかしないと……」

「いいからとりあえず行こう!」
「ちょっと!……」

 とりあえずあのままだといつまでたっても出掛けようとしないので手を引っ張って強引に連れていく。

「すいませーん、このサンドイッチ2つ!」

「まいどー! おぉ! ハルとソフィアちゃんじゃないか! 何だ? 今日も手ぇ繋いでまたデートか?」

「今日は見回りじゃないし、まあそんなとこだよ」

「えぇ!!! デート!? 私そんな!……」 

「あっはっは! 何だいソフィアちゃん? いつも手ぇ繋いでるのにデートだって言われたら急に顔真っ赤にして!」

「おじさん! 俺達もう行くからな!」

「ハルまで顔真っ赤にして、それじゃあ楽しんで来いよ!」

 クソ~! おじさんが変な事言うから急に恥ずかしくなってきたじゃないか!
 今さら手を離すのもあれだし、とりあえず目的地に行こう! 


 しばらく歩いて目的地の公園に着いた。

 公園に着くまで2人は無言で、ソフィアなんかずっとうつむき気味で顔真っ赤にして歩いてたし……

「え~っと、よし! この辺でいいかな?」

 ちょうど良い所にベンチがあったのでそこに座る事にした。

「ソフィア、さっき買ったサンドイッチ食べようぜ!」
「えっ! ええ……そうね……」

「何だよ、食べたくないの?」
「いや! 食べたいわよ、それじゃあ食べましょうか」

「いただきま~す!」
「いただきます……」

「お~!うまい!」
「うん、美味しい」

 また無言になっちゃったよ……なんか調子狂うな~!

 もう食べ終わっちゃったよ……

「なぁソフィア、もしかして俺が連れ出したの迷惑だった?」

 するとソフィアは慌てたようにこっちを見て

「そんなことないわ! ハルから私を誘って出かけるなんて滅多にないし嬉しかったわ! でも……パン屋のおじさんにデートって言われて、ハルも否定しなかったから、デートだと思うと急に恥ずかしくなって……楽しくなさそうにしてゴメンね?」

「ならいいんだけどさ、そんなに恥ずかしそうにされるとこっちも恥ずかしくなるよ」

「ゴメンね……でも私デートなんてしたことないから、変よね? いつもハルと2人で出かけるなんてよくある事なのに……」

「だからいつもと変わらないんだから気にしなくたっていいんだよ、ソフィアが大人しいと調子狂うよ」

「そう?いつも口うるさくしてるから迷惑じゃない?」

「迷惑って……口うるさいっていうのも俺がだらしなかったり俺のために言ってるってのはわかってるから、本当は素直に言うこと聞けば言われることもないだろうけど、まあ俺だし! でも感謝はしてるよ、普通ここまで言うこと聞かなかったら愛想をつかされてもおかしくないし」

 はははっと、笑ってごまかしたけど一応本当のことだし、だけど照れくさい……
 チラッとソフィアの顔を見ると、驚いた顔をして

「嫌われてもおかしくないと思ってたのに感謝してるなんて……私」

 ソフィアが何だか泣きそうな顔になってるよ……

「まあそう思ってるならほどほどにしといてよ」

「ダメよ? 嫌われてないなら今まで以上にビシバシいかないと!」

「ええ~! 勘弁してよ~!」
「うふふっ、覚悟してなさい!」

 何だかソフィアも調子出てきたな、まあビシバシはやめて欲しいな……

 ご飯も食べ終わったし、今日は天気もいいから眠くなってきたな~、するとソフィアが

「それでこれからどうするの?」

「えっ? とりあえずここで昼寝でもするかな?」

「何もしないの?」

「今日はあったかいし何もしないでのんびりしようと思ってたんだよ、もちろんソフィアも一緒にな? ソフィアは働きすぎだよ」

「そうかしら? 逆に何か動いてないから落ち着かないわ」

「たまにはゆっくりしろよ、ソフィア1人でのんびり出来そうにないから俺が付き合ってるんだよ」

「とか言って自分がのんびりしたいだけでしょ?」

「へへっ! バレた?」
「も~! しょうがないんだから!」

 そしてベンチの背もたれに寄りかかって目を閉じようとした時

「あっ! そうだハル、頭をこっちに乗せなさい」

 ポンポンと太ももの上を叩くソフィア。
 もしかしてひざ枕しようとしてるのか?

「え~! いいよ恥ずかしい!」
「別にいいじゃないの! ほら」

 グッと引き寄せられソフィアの太ももに頭を乗せられた。
 恥ずかしいがソフィアの太ももはムチムチでとても心地がいい、そしてとても懐かしかった。

「ハルがちっちゃい頃はよくひざ枕してってねだってきて、ひざ枕してあげたわよね」

 そう言ってソフィアはニッコリ笑いながら俺の頭を撫でる。

「そうだったっけ?」

 とぼけたふりをしたが、よく覚えている。
 いつもひざ枕をしてくれる時は今みたいな笑顔で頭を撫でてくれて、その顔がとても安心できたんだよな~、今はたぷたぷスイカのおかげで顔半分も見えてないけど…… 

 目を開けてるとたぷたぷが目に入ってくるので、目を閉じた。



 たっぷん たっぷん

 目を閉じたらすぐ寝てしまったが、何か柔らかい物が顔に当たるので目が覚めた。

 そうしたら顔にソフィアのたぷたぷスイカが当たっては離れてしているではないか!

 するとソフィアも目を瞑り船をこいでる。
 あ~! 柔らかいし、いいにおいだな~! もう少し寝たふりしておくかな~? と思ったが、向こうの方のベンチに座ってる老夫婦が笑顔でこっちを見ているので

「ソフィア、起きて」
「ん~、あれ? 私も寝ちゃってた?」

 ソフィアの腕をポンポンと叩くとソフィアが目を覚ました。

「ソフィアありがとう、もうそろそろ起きるよ」

「あらそう? って結構時間たってるわね?」
「そうだね、もうそろそろ帰ろうか?」

「そうね、今日はハルのおかげでゆっくりとできたからよかったわ♪」

「たまにはこういう休みもいいだろ?」
「ふふっ♪ そうね、たまにならいいかもね♪ハルみたいにいっつもだったら退屈そうだけど」

「俺は退屈しないようダラダラしてるから大丈夫!」
「ふふふ♪ 何それ!」

 2人で下らない話をしながら家に帰る。

 こんなに嬉しそうにしてくれるならこれからもたまにソフィアを誘って出かけてもいいかもな♪ 息抜きにもなるだろうし。

 
 そして家に着いて俺の部屋に戻ろうとしたら、部屋の中からガサゴソと音が聞こえる。

 あれ? 父さんと母さんはリビングにいたしソフィアも今まで一緒にいた。

 何だ? もしかして泥棒とかじゃないだろうな? ヤバいどうしよう!
 ドキドキしながらドアノブに手をかけ勢いよくドアを開け


「誰だ!」





 そして部屋の中を見ると……






 俺のパンツを被った変態がいた!
 
 
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