聖剣におまかせ!~元聖剣の女の子に振り回される俺~

ぱぴっぷ

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第一章

私に……

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 トウカー達が捕まり、色々調べる内に分かった事がある。

 まず街で被害にあった店は、すべて母さんのプロデュースした物や、コラボした物しか盗まれてないと言うこと。

 次に、街にガラが悪い奴が増えていたという話は、トウカー達が母さんのイベント前に観光していただけみたいだ。

 トウカー達は最初は20人くらいだったのが、色々寄り道している内に人が増えて、いつの間にか100人以上になっていったらしい。

 元々、見た目がガラの悪いトウカーが引き連れている集団を見て、不良集団と勘違いした奴らも何人がいて、そいつらが街ではしゃいでいて、ホテルで母さん達に絡んできた奴らもその内の何人かだ。

 そして最後にシボリー村の事についてだが、実はシボリー村は盗賊被害を受けてなく、シボリー村の村長が使い込みすぎて失くした金を盗賊に盗まれたと嘘を付き、村人の税金をあげたり同情した村人から金を貰ったりしていたみたいだ。

 父さんの部下の調査で分かり、村長に追及した結果、すべて自分の自作自演だった事を認めた。

 それで村人達は怒り村長は追放され、村人達は村長から搾り取られていた金の返還を求めたが、村長の手元にはほとんど金は残っていなかった。

 どうやらギャンブルにすべて使ってしまって、逆に借金まであることが分かり、このままでは村自体が潰れてしまうと思った村人は、隣のオズク村に助けを求めた。

 その後、オズク村の人々と話し合った結果、2つの村は合併する事となった。

 元々隣同士で、お互いの村は近くて頻繁に人の行き来はあったので、それほど大変な事はないらしい。
 
 合併した新しい村の村長になったネイトさんは、元々2つの村があった間の場所にレジャー施設などを建て、観光地にしようと計画しているみたいだ。

 今色々話し合いの途中らしいが、ネイトさんの補佐としてアレンさんの就職も決まり、2つの村を行き来しながら必死に働いているみたいだ。

 ネイトさんがわざわざ家に来て教えてくれて、完成したらぜひ遊びに来て下さいと言われた。


 何だか短い間に色々あったなぁ……

 ボケ~っと前を向いていると

「ハル! ちゃんとシャキっと座ってなさい!」

 後ろの方からソフィアの大きな声が聞こえた。
 周りからこっちを見られ、クスクスと笑われている……恥ずかしいが前を向いていよう。

 今、俺は卒業式の真っ最中だ。

 校長の長い話に飽きて色々ボケ~っと考えてたんだが、何で後ろ姿しか見えないのに俺がボケ~っとしてたのが分かったんだ?

「ハルくん、今寝てたでしょ~? 頭がフラフラしてたよ~」

 笑いながら俺の背中をつついてくるアリサに、俺がウトウトしていた事を教えられた。

 そうか、考え事しながら校長の声をBGMに寝そうになってたのか! 穏やかな話し方だからいつも眠くなるんだよな~

「若、ソフィアさんが睨んでるから、大人しく前を向いていた方がいいでござるよ?」

 アリサの方を見て話をしていると、横からコン太に言われ、ソフィアの方を見てみると睨み付けながら前を向けとジェスチャーしている。

「まったく! 卒業式の最中でも寝るなんて! ハルったら……」
「も~ソフィー! ハルちゃんがせっかくこっち見てくれたのに~!」
「ママ……どっちが母親か分からないわね……」
「あはは……」

 ソフィア達が俺の方を見ながらあれこれ言ってるな…… どうせこんな時まで寝るなんて! とか言ってるんだろ?

 卒業式も終わりに近づき、これで学生生活も終わって、本格的に父さんの所で働くのか~!

 今までは学校が休みの時に父さんの仕事の手伝いをしてただけだったけど、これからは毎日だもんな~、よく考えてみると父さんの仕事の手伝いというか、ソフィアにただ振り回されてただけのような……元聖剣に振り回されるって、何か笑えてくるな。

 でもこの短い間にあった事や、出会った人には感謝しないとな……ただ何となくダラダラ過ごして暮らしていけたらいいな~、なんて事をずっと思ってたけど、街の人の手伝いや困った人を助けて感謝される事がこんなに嬉しい事だとは思わなかったよ。

 それもこれもソフィアが俺を振り回してくれたおかげなんだよな……
 ただソフィアは少し暴走気味だけど……

 ソフィアには恥ずかしいから言えないけど、とても感謝している。
 多分ソフィアに言ったら大泣きされて、次の日にはもっと張り切って俺を振り回すだろうから黙っておこう……


「ハル、卒業おめでとう! これからは父さんの所で働いて貰うけど、息子だからって甘い事はしないからな?」
「ハルちゃん♥️ 卒業おめでとう♪ 明日からはママの仕事も手伝ってね♥️」

「父さん、母さんありがとう! これから俺のできる範囲で頑張るよ! って母さんの仕事の手伝いって?」
「それはね~♥️ ママの着替え手伝ったり、ママと一緒に添い寝したり~♥️……」
「母さん!?」
「マリー!?」

 何の仕事だよそれ! 父さん! 痛い! 肩が取れちゃうからそんな力入れないで!!! 

「ていうのは冗談で~♪ ファンクラブのイベントとかある時の護衛かな? この間の事で、護衛を付けて出掛けるように言われちゃったから」

「何だよ、最初からそう言ってよ! 父さんに肩を取られると思ったよ……」
「マリー!その仕事僕が……」

「ダメ! パパが来たら、ファンクラブの人が恐くて来られないじゃない! それにその日はハルちゃんとデートする日って決めたの♥️ だってソフィーばっかりズルいじゃない?」

「まだ言ってるのかよ……って! 父さん! ホント痛いからやめて! 肩が! そんなに力入れて握ったら肩が潰れちゃう!」

 お願いだから父さんを嫉妬させるような事言わないで!

「……ハル卒業おめでとう、今度からハルは私の後輩になるのね、分からない事があったら何でも聞いてね? 気が向いたら教えてあげる」
「気が向いたらかよ! そこはちゃんと教えてよ!」

「……ダメ、何事も自分の力で解決するようにしないと」
「で、本音は?」

「分からなくて困ってるハルの顔が見たい」
「やっぱりな! そんな事だろうと思ったよ!」

「ハルの困った顔、面白い」
「最低だな!」

 何だよ! 困った顔が面白いって! 姉ちゃんは相変わらずだな。

 そういえばさっきからソフィアが大人しいな……

「ソフィア?」

「ハルぅ~! ぞづぎょうおめでど~! おどなになっだね~! わだじうれじぃ~~!」

「……あ、ありがとう……」

 さっきは前を向けって怒ってたのに、今は号泣してるんだけど……

「ソフィーったら相変わらず涙脆いわね~♪」
「僕達の結婚式の時もそうだったよね?」

 父さん達は笑ってるけど……何か号泣しすぎで反応に困るわ……

「うぅ……ぐすっ、ハル……学校も卒業したし今度からユートの所で働く事になるわ……だから今まで以上にビシバシいくからね!」

「いや、今までも結構凄かったけど……まあほどほどで頼むよ……」

 卒業式も終わったしそろそろ帰るか! すると……

「あの! ハル先輩! 第2ボタン下さい!」
「私も!」
「私も欲しいです!」
「ハルくん! 私も欲しいわ!」

 何だ!?後輩とか同じ学年の女の子とかが俺の所に来て、第2ボタンとか……その前に俺はモテた事なんてないのに!

「何で俺の第2ボタンなんだ?」

「ハル先輩の事カッコいいと思ってたんですけど……ハル先輩の周りにいる女の人はみんなキレイすぎて、私なんかじゃ……だからせめて第2ボタンくらいは……」
「ええっ! ……俺のでよければ……」

 すると母さんが

「ハルちゃん♥️ ママが第2ボタン欲しいな~!」
「あっ! こらっマリー! 何大人げない事してるのよ!」

「だって~! ハルちゃんのハートはママのものだから♥️」
「そういう事じゃないのよ! あなた達ごめんなさいね?」

「いいえ、私達は貰えるならどのボタンでも……」
「じゃあ第2ボタンはママがもらっちゃお♥️ 後はみんな好きな所を持ってってね♪」

「じゃあ私はこの下のボタンで!」

「私はコレ!」

「じゃあ私は……」

「私も!」

「私は……ボタンなくなったからネクタイで!」

「じゃあ私は上着!」

「ズボン貰っちゃえ!」

「ハァっ、ハァっ! じ、じゃあ私は靴下を……」

「シャツ下さい!」

「……ハルのパンツは私のだから……」

 やめてー! キャー! えっちー! ……えっ!? それまで!? てか姉ちゃん!? パンツだけは! パンツだけは今やめてー!

 …………
 …………
 …………


 身ぐるみ剥がされてスッポンポンになってしまった……父さんが羽織っていたコートを貸して貰えたが、コートの下はスッポンポン……何かイケナイ気分になってきた!

 何て事はなく、そのままトボトボ家に帰った。
 母さんのせいでヒドイ目にあった……



 次の日……



「ハル! 今日からビシバシいくわよ! 覚悟しなさい!」

「えっ!? 昨日卒業したばっかりじゃん!」

「何言ってるのよ! 卒業したから今日からは普通に働くのよ!」

「そんなの聞いてないよ! 父さんも昨日何も言ってなかったし……」

「だから私が話をつけといたわ! さぁ見回りに行くわよ! それから近所のおばあちゃんの所の畑の収穫手伝って、それから……」

「ソフィアが決めたのかよ! 今日ぐらい休ませてよ……」

「ダメよ! それに困ってる人がいたら助けてあげないと! 当主への道はまだまだ遠いわよ!」

「だから俺は……」

「言わなくてもいいわ! 大丈夫、私がしっかりサポートしてあげるから! だから……」



「私にまかせて!」
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