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第11話 甘味王「バナナ」
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最近では美味しいもの食べると何となくどうやって育つんだろうと、調べ始めてしまいます。一から育てるにはどうすれば良いのか、実際に収穫できるまでどのくらいかかるのか、いつ頃から育て始めるのが良いのか。
もう、そういう病みたいなもんですよ。
買い物というと、カインズホームなどのホームセンターに行く事も多いのですが、そういったホームセンターでは、花や苗を店頭で売っている事が多いんです。どうしても中に入る前にそこを一通りぐるりと見てしまうんですよね。
もう、そういう病みたいなもんですよ。
梅雨のある日の事、その店頭の苗の中に、とある植物の苗を見つけてしまったのです。
それは「三尺バナナ」
バナナ?
バナナの木は私もフラワーパークなどで見た事があります。私の身長の倍以上の背に育ち、ラグビーボールのような蕾が付き、モサモサとバナナがなるんです。そんなものを買ってどうするんだろう。そんなものを置いておくスペースなんてどこにあるんだよ。最初はそう思ったのです。
洗剤なんかを買いながら店内を回っていた時に、ふっと思ったのです。三尺バナナって何が三尺なんだろう?
たまたま脚立の売り場の横を通ったんですよ。そこに、脚板が二枚ある脚立に三尺と書いてあったんです。この高さで三尺という事は、三尺の大きさのバナナができるという事では無いはず。
その場で調べてみたんです。三尺は約91cm。三尺バナナの三尺は木の背の高さという記述が。
育っても1m弱にしかならないなら……育てられるなあ。
気が付いたらバナナの苗を手にしてレジに並んでいました。……もう、そういう病みたいなもんですよ。
ここまで読んで、今回は普通の栽培の話かと思った方。お待たせいたしました。
プランターに腐葉土を入れ、そこにバナナの苗を植えるわけですけど、調べたところによると、バナナの栽培はとにかく窒素とカリウムが必要との事。とりあえず米ぬかを混ぜとけと書かれているので、茶殻を発酵させるのに用意している米ぬかをたっぷり混ぜておきました。
米ぬかが良かったのか、そこからバナナはぐんぐんと成長していきました。
バナナは、とにかくやたらと水を吸うんですよ。プランターに深めの受け皿を敷いていて、そこから零れるくらい毎朝水やりをするのですが、昼にはカラカラ。昼にまた同じように水をやるんですが、夕方にはもう受け皿はカラカラに。
そんなある日、異変が起きている事に気が付きました。バナナの茎のすぐ横に可愛いバナナの新芽が出ていたんですよ。
調べてみると、これは「吸芽」と言って、基本的にバナナはこれを切り取り、植え替える事で増やすんだそうです。
バナナの果肉に黒い種のようなものが見えるのですけど、あれを植えても発芽はしないのだそうで、この吸芽を親株から切り取って植える事で増やしているんだそうです。
そういえば聞いた事があります。市販のバナナ(キャベンディッシュ種というそうです)の株は全てこの吸芽を切り離す事で増やしたものだそうで、株の寿命が来ており、近い将来今のバナナは食べられなくなりそうという話を。
面白そう! これはやるしかない!
吸芽の周囲の土を除けていく。するとこの吸芽、親株から生えている事が判明。つまり、うまく切り離さないと、親株を傷めてしまうし、切り離し方が悪ければ、吸芽も駄目になってしまう。
スコップ(コテの方)の土をすくう方を親株に沿わせ、慎重かつ大胆にサクッと。
切り離した株の見た目は、ほぼ白葱のそれ。それを新しいプランターに入れた土に突き刺し、水をかけて様子見。
そこから五日ほど経った頃でしょうか。中の蔓のようなものがにょきにょきと伸びてきたのは。
そこから何度か同じように試してみたのですが、吸芽が根つかなかったという事は無く、このままだとバナナだらけになると危惧。そこからはカットした吸芽は破棄するようにしました。
ただ、昨年は冬が厳しかったようで、結局冬の間にバナナは全て枯れてしまいました。
ところが、春に驚きの事態が!
枯れたはずの根から吸芽が生えて来たんです。それを切り取り、植え替え、見事に今年の夏に復活を遂げました。バナナは早ければ二年で収穫ができるのだそうで、今年の越冬次第では!
今回は市販の苗から苗を増やすという事にチャレンジ。
次回は何を栽培するのか、次回をお楽しみに。
もう、そういう病みたいなもんですよ。
買い物というと、カインズホームなどのホームセンターに行く事も多いのですが、そういったホームセンターでは、花や苗を店頭で売っている事が多いんです。どうしても中に入る前にそこを一通りぐるりと見てしまうんですよね。
もう、そういう病みたいなもんですよ。
梅雨のある日の事、その店頭の苗の中に、とある植物の苗を見つけてしまったのです。
それは「三尺バナナ」
バナナ?
バナナの木は私もフラワーパークなどで見た事があります。私の身長の倍以上の背に育ち、ラグビーボールのような蕾が付き、モサモサとバナナがなるんです。そんなものを買ってどうするんだろう。そんなものを置いておくスペースなんてどこにあるんだよ。最初はそう思ったのです。
洗剤なんかを買いながら店内を回っていた時に、ふっと思ったのです。三尺バナナって何が三尺なんだろう?
たまたま脚立の売り場の横を通ったんですよ。そこに、脚板が二枚ある脚立に三尺と書いてあったんです。この高さで三尺という事は、三尺の大きさのバナナができるという事では無いはず。
その場で調べてみたんです。三尺は約91cm。三尺バナナの三尺は木の背の高さという記述が。
育っても1m弱にしかならないなら……育てられるなあ。
気が付いたらバナナの苗を手にしてレジに並んでいました。……もう、そういう病みたいなもんですよ。
ここまで読んで、今回は普通の栽培の話かと思った方。お待たせいたしました。
プランターに腐葉土を入れ、そこにバナナの苗を植えるわけですけど、調べたところによると、バナナの栽培はとにかく窒素とカリウムが必要との事。とりあえず米ぬかを混ぜとけと書かれているので、茶殻を発酵させるのに用意している米ぬかをたっぷり混ぜておきました。
米ぬかが良かったのか、そこからバナナはぐんぐんと成長していきました。
バナナは、とにかくやたらと水を吸うんですよ。プランターに深めの受け皿を敷いていて、そこから零れるくらい毎朝水やりをするのですが、昼にはカラカラ。昼にまた同じように水をやるんですが、夕方にはもう受け皿はカラカラに。
そんなある日、異変が起きている事に気が付きました。バナナの茎のすぐ横に可愛いバナナの新芽が出ていたんですよ。
調べてみると、これは「吸芽」と言って、基本的にバナナはこれを切り取り、植え替える事で増やすんだそうです。
バナナの果肉に黒い種のようなものが見えるのですけど、あれを植えても発芽はしないのだそうで、この吸芽を親株から切り取って植える事で増やしているんだそうです。
そういえば聞いた事があります。市販のバナナ(キャベンディッシュ種というそうです)の株は全てこの吸芽を切り離す事で増やしたものだそうで、株の寿命が来ており、近い将来今のバナナは食べられなくなりそうという話を。
面白そう! これはやるしかない!
吸芽の周囲の土を除けていく。するとこの吸芽、親株から生えている事が判明。つまり、うまく切り離さないと、親株を傷めてしまうし、切り離し方が悪ければ、吸芽も駄目になってしまう。
スコップ(コテの方)の土をすくう方を親株に沿わせ、慎重かつ大胆にサクッと。
切り離した株の見た目は、ほぼ白葱のそれ。それを新しいプランターに入れた土に突き刺し、水をかけて様子見。
そこから五日ほど経った頃でしょうか。中の蔓のようなものがにょきにょきと伸びてきたのは。
そこから何度か同じように試してみたのですが、吸芽が根つかなかったという事は無く、このままだとバナナだらけになると危惧。そこからはカットした吸芽は破棄するようにしました。
ただ、昨年は冬が厳しかったようで、結局冬の間にバナナは全て枯れてしまいました。
ところが、春に驚きの事態が!
枯れたはずの根から吸芽が生えて来たんです。それを切り取り、植え替え、見事に今年の夏に復活を遂げました。バナナは早ければ二年で収穫ができるのだそうで、今年の越冬次第では!
今回は市販の苗から苗を増やすという事にチャレンジ。
次回は何を栽培するのか、次回をお楽しみに。
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