波のように生きてきた私へ ―仮死状態で生まれた命の記録―

cocohera

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第1章「祈りの中で生まれた命」③

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小節3:家族との関係性の芽生え

私は、家族の中で末っ子として育った。  
兄と姉がいて、私はいちばん小さな存在だった。  
その立場は、時に守られ、時に見過ごされる。  
兄や姉が先に経験することを、私は後ろから見ていた。  
その分、私は「見つめる力」を育てていたのかもしれない。

兄は、私にとって少し遠い存在だった。  
彼はいつも忙しそうで、何かに夢中になっていた。  
姉は、私にとって憧れの存在だった。  
彼女の言葉、仕草、服装――すべてが私には眩しかった。

でも、兄と姉の間にいると、私は「小さな存在」でしかなかった。  
何かを言っても、聞き流されることがあった。  
何かを求めても、後回しにされることがあった。  
それは、私が悪いわけではない。  
ただ、順番の問題だった。

母は、私にとって絶対的な安心だった。  
でも、母もまた兄や姉のことで忙しく、私のことを見落とすこともあった。  
そのとき、私は「気づかれない存在」になったような気がした。  
それが、私の中に「さみしさ」の種を植えた。

父は、仕事で家を空けることが多かった。  
でも、帰ってくると私を抱き上げてくれた。  
その腕の力強さが、私には少し怖くて、でも嬉しかった。  
父の匂いは、今でも記憶の中に残っている。  
それは、安心と緊張が混ざった匂いだった。

家族の中で、私は「静かな子」として育った。  
あまり泣かず、あまり騒がず、あまり主張しなかった。  
それは、私が「空気を読む子」だったからかもしれない。  
誰かが怒っていると、私は黙った。  
誰かが悲しんでいると、私はそっと寄り添った。  
それが、私の「生き方」だった。

でも、時々、私は「見てほしい」と思った。  
誰かに「あなたがいてくれてよかった」と言ってほしかった。  
その思いは、言葉にならず、ただ胸の奥で静かに揺れていた。

家族との関係は、複雑で、あたたかくて、少し切なかった。  
私は、愛されていた。  
でも、時々、見落とされていた。  
その両方が、私の中に同時に存在していた。
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