毎朝俺の悲鳴から始まる!世話焼き幼馴染の溺愛治療

えなが つぐみ

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5-2 変質者はお前だけだ

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それからお互いに出かける準備をして、電車に乗り少し遠くのショッピングモールまで来ていた。

「優成……さすがの俺でも、ここはちょっと……」
蚊の鳴くような声で俺は優成に話しかけた。

「お前はさすがでもなんでもねーだろ、早く入ってこいよ」
優成が俺を手招きする。

「む、無理……俺には敷居が高すぎる!」

「ほら、いいから」
グイッと俺の腕を掴み優成はお店の中へと歩いていく。

「じょ……女性の下着しかないじゃん!」

「そりゃそーだろ」
俺たちは女性下着店に来ていた。


ことの成り行きは、電車の中で俺が、トランクスが女の体だとスカスカして心もとないと話したからだ。

それなら出かけたついでに下着を買いにいこうと優成が言うから、てっきりボクサーパンツでも買うのかと思ったら……ここに来ていた。

ハンガーに掛かっている色とりどりのブラジャー。
ただのマネキンが履いてるパンティ。
俺にはどれも目の毒で、今にも緊張でぶっ倒れそうだった。
特に、目立つところに飾ってあるレースをあしらったシースルーのパンティは、童貞の俺には劇物レベルで3秒と見ていられなかった。


「優成、俺たち変質者だと思われるよ」
俺はキョロキョロと視線を泳がせて、挙動不審な動きで優成のあとに続いて歩いた。

「変質者はお前だけだ」

「い、いかにも……おっしゃる通りで」

すると優成は端にある棚で止まり、俺に声をかけた。
「こんな感じなら、お前でも履けるだろ?」

それは、女性用のボクサーパンツだった。
男性のより丈が短く、緩めに作られている気がする。

「なんだ、良かった。てっきり俺は、ドエロパンティでも履かされるのかと思った」
俺はボクサーパンツを見て胸を撫で下ろした。

「……もしかして履きたいの?」

「あー、勘違いしないで。ドエロパンティに興味がないわけじゃないよ?俺が履くのは解釈違いってだけ」

「何の言い訳だよ」

いいから早くしろ、と優成にせっつかれて、俺は男が履いてもおかしくない柄のパンツを、何枚か選んだ。
すると、それを俺の手から奪い優成はレジに向かう。

「え?俺が買うよ?」

「ダメ。変質者のお前は外で待ってろ」

「なるほどね」
俺は変質者の自覚があるのだろうか。
優成の言葉をすんなりと受け入れて、ありがたく外で待たせてもらうことにした。


店の外の柱の裏で隠れながら待っていると、女性たちが俺を見てコソコソ話してるような気がしてくる。
自意識過剰ってのはわかってるけど、やっぱりこんな店は緊張する。
女性の下着は大好きだけど、たくさんの人の目があるお店では、いけない事をしている気分になった。

そう思うと、今一人で会計をしている優成のメンタルの異常さに気がつく。

「アイツの心臓は間違いなく毛が生えてるな。しかも剛毛の……」

「おい、聞こえてんぞ」

振り向くと片手に紙袋を下げてる不動明王……いや、優成が立っていた。


「お前のためだと思って、せっかく買ってきてやったのに」 

「ごめん、俺がピュアボーイなせいで迷惑かけます」

「お前がピュアなら全人類ピュアだわ」

そう言いながら優成は歩き出した。
俺は慌てて優成の後を追う。

「なぁ、このあとはどこ行くの?朝、なんか考えてたみたいだったけど……」

「……行ったらわかる。すぐそこだから」
優成の声は低くて、さっきより少し硬い気がした。

目的地は教えてくれなかったけど、きっと優成に考えがあるんだろう。
俺は黙って付いて行くことに決めた。


「どこだろーなー、なんかのお店?このモールの中?……あ!わかった。行きつけの筋トレジ……」

「黙って付いてこいっ!」
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