毎朝俺の悲鳴から始まる!世話焼き幼馴染の溺愛治療

えなが つぐみ

文字の大きさ
17 / 50

8-1 キスだけでいいから、許して

しおりを挟む
ガチャガチャ……カチャ……。

「……あれ、開かない……」
震える指先で鍵を回すけど、うまく噛み合わない。
背中を伝う汗が気になって、余計に焦ってしまう。

「お、お待たせ……!」
ようやくドアが開き、俺はわざとらしく声を張って優成を振り返った。
「と、とりあえず……ビールでいいか?」
自分でもわかるくらい、声が裏返っていた。

優成は何も言わずに中へ入り、俺が靴を脱いだ瞬間──

──ガシッ。

「うわっ……!」
腕を掴まれて、次の瞬間には背中が壁に叩きつけられていた。
驚く暇もなく、優成の唇が激しくぶつかってくる。

「んっ……!?……んむ……!」
荒々しいはずなのに、熱に浮かされたみたいで、逃げられなかった。

──チュックチュ……ジュパッ……

「今日の世利……格好良かったのもあるけど」
唇を離した優成が、息を荒くしながら低く囁く。
「それ以上に可愛くて……ずっと我慢してた」

俺は、優成の切なそうな瞳を見つめ返した。

「……キスだけでいいから、許して」
そう言って、再び激しいキスが降ってきた。
優成に唇を何度も貪られて、呼吸なんてできやしない。

「んぐっ……っ……あふっ……」
壁に押し付けられたまま、逃げ場のない唇を何度も奪われる。
いつの間にか口を開かされて、舌をねじ込まれた。
分厚い優成の舌が、ヌメヌメと俺の口内を刺激する。

頭がクラクラして、立っていられなくなった俺は、必死に優成の腕を掴んでいた。



そんな状況の中、俺の脳内はお祭り騒ぎだった。

……こ、このシチュエーションは、『玄関セックス』の始まり!
ドラマ、少女漫画、AVなどの数多のフィクション作品で取り入れられてきたエッチシーン!

まさか自分の童貞人生で体験する日が来るなんて!!!
……でも、現実は想像より100倍激しいぃぃ!!



──ジュルッ……ジュパッ……チュッ……

「んっ……うっ……はんっ……」
舌が口内を暴れるたびに、お互いの息が絡み合う。
俺は、口の端からどちらのものかわからない唾液を垂らし、必死に優成のキスに答えていた。

優成の舌が俺の上顎をベロッと舐めた瞬間、背筋にゾワッと快感が走り抜けた。
足に力が入らなくなった俺は、そのまま膝から崩れ落ち尻餅をついた。

「っ!……痛っ……」

「世利、ごめん……ハァハァ、やりすぎた」


俺はキョトンと目を丸くして優成を見上げた。
影になっている優成の顔から流れる汗が、妙に色っぽく見えた。

「……え、終わり?」
つい、溢れた言葉だった。

さっきまで『玄関セックス』の妄想をしていたせいで、勝手にこの先も何かあるような気になっていた。


「お前……それ、本気で言ってんの?」
俺の言葉を聞いた優成は、目に黒い光を宿し見下ろしてきた。

「俺らまだ、付き合ってないぞ?」
声は優しいはずなのに、その真剣な言葉に俺は体をブルっと震わせた。

「ご、ごめん。深い意味はなくて……」

「軽い気持ちでやってた?」

「違う!そんなわけ、ない……。
優成だからできるんだよ……」

「っ…………」
俺の言葉に優成の動きが一瞬止まった気がした。
恐る恐る優成の顔を見上げると、困ったように眉が下がっていた。

「じゃあ、世利が大丈夫だと思うことだけやってもいい?」
優成の指先が俺の頬をなで、ゆっくりと下に下がっていく。

「……大丈夫だと、思うこと?」

優成の指先が俺の首筋をなぞるように下りていく。
俺の体が勝手にビクビクと反応する。

「うん。嫌なら嫌って言えよ?」
優成はそう言うと、座り込む俺の首筋に唇を這わせてきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

壁乳

リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。 最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。 俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 じれじれラブコメディー。 4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。 (挿絵byリリーブルー)

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

ばぶばぶ保育園 連載版

雫@不定期更新
BL
性癖全開注意で書いていたばぶばぶ保育園を連載で書くことにしました。内容としては子供から大人までが集まるばぶばぶ保育園。この園ではみんなが赤ちゃんになれる不思議な場所。赤ちゃん時代に戻ろう。

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

処理中です...