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還れない人魚姫
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15歳になった人魚の王女・晶は、父王の許可を得て陸の世界を目指して上へと泳ぐ
海面から顔を出すと、大きな炸裂音と共に暗い空に光が飛び散った
晶は驚きのあまり、岩礁に身を隠す
晶が恐る恐る辺りの様子を伺うと、目の前には大きな物体が浮かんでいた
恐らく、母から聞いた船という物だろう
先程の炸裂音は多分、花火という物だ
船上からは、楽しげな音楽が聞こえてくる
岩礁に座った晶は、音楽に釣られて歌い始めた
その歌声を聴いた1人の青年が海面の様子を探る
すると、1匹の人魚が岩礁の上に座って歌っている姿が見えた
青年は、その人魚の歌声と可憐な容姿を一目で気に入った
青年は何としても人魚を捕らえようと決意する
投網を投げようかと考えたが、彼女を傷付けてしまうかもしれない
青年は朝を待って、再び人魚が現れた時に接触しようと決めた
青年は家臣に命じて、人魚が好んで食べるとされる小海老を生きたまま入り江にばら撒いた
再び陸に上がってきた晶は、丁度お腹が空いていたので小海老を追い掛けて入り江に近づいた
たらふく小海老を食べて満足した晶は、入り江の洞窟で一休みする事にした
上機嫌で歌を歌い出す
岩陰に隠れて様子を伺っていた青年は、無防備な人魚に背後から近づいて一言呟いた
『ポッシデオ』
すると、晶は強烈な眠気に襲われ深い眠りについた
青年は自身の衣服が濡れるのも構わず、人魚を姫抱きにして居城へ連れ帰った
晶が目を覚ますと…そこは水の中だった
しかし、海の中ではない
なにか…透明な壁に阻まれた四角い空間である
その空間外に意識を向けると、そこには人間が居た
「やあ、おはよう。初めまして、人魚のお嬢さん」
「だ、誰ですか…?」
「俺は、フィガロ。この国の次期国王。王子様だよ」
「フィガロ…」
「きみの名前は?」
「晶、です…」
「そう。可愛い名前だね」
「此処は何処ですか?」
「俺の部屋。その水槽の居心地はどう?」
「此処から出して下さい!」
「そのお願いは聞けないな。きみは、俺が飼うんだから」
「飼う…?」
海にはペットなどの愛玩動物がいないので、晶には『飼う』という概念が分からなかった
「私に何をするんですか…?」
「きみの歌声を気に入ったんだ。だから、きみを飼う事にした。ほら、また歌ってよ」
晶は父王の言いつけをあまり真に受けず、人間の近くで呑気に歌っていた事を後悔した
「歌ってくれないなら、きみの大好物はあげないよ」
「いりません!」
晶は意地になって頑なに口を閉ざしたが、フィガロは晶が歌うまで本当に餌を与えるつもりはないらしい
3週間空腹に耐え続けたが、これ以上は飢えて死んでしまう…
晶は水槽の縁に凭れ掛かり、弱々しい声で歌った
「いい子だね、晶。ほら、きみの大好きな小海老だよ」
フィガロが晶の口に押し込んだ小海老を、晶は力なく咀嚼した
それからは、晶が歌う度にフィガロは晶に小海老を与えた
一度は痩せてしまった晶の体型も、少しずつ戻ってきた
長い間狭い水槽に閉じ込められているうちに、晶には不思議な感情が芽生えた
それは、フィガロへの依存心である
所謂、ストックホルム症候群だ
晶はフィガロの気を引きたくて、フィガロが不在の間も歌い続けた
フィガロはそんな晶を見て、強い独占欲と執着心を抱くようになった
歪な主従関係は、やがて種族を越えた恋愛関係に発展した
フィガロの従者が水槽の掃除をしている間、晶は浴室にある猫脚のバスタブに移動させられる
そのバスタブの中で、フィガロと晶は交わっていた
晶の総排泄腔には、フィガロの陰茎が激しく出し挿れされる
フィガロが晶の『ナカ』で精を放っても、決して着床する事はない
しかし晶は、「きゅー、きゅー」と鳴く
これは人魚が発情し、異性を誘惑する時の鳴き声だ
フィガロはそんな晶を愛おしく思い、晶を自分の妻にしようと決めた
ある日、晶は魔法使いであるフィガロに魔法を掛けられた
それは、人魚を人間に変える魔法である
自分の身体の変化について行けず、ふらふらの脚でフィガロに縋り付く
晶のそんな姿もフィガロには愛らしく映った
晶をベッドに組み伏せて、フィガロは晶に愛を囁いた
これは、今までの戯れのような性交ではない…と、晶に教える為だ
本来、卵生である人魚の総排泄腔は性交の為の器官ではない
晶は、結合による快感を得た事がなかった
だが今はフィガロによって人間の身体に作り変えられ、人間と同じ感覚を持っている
人間同士の身体で行う初めての性交は、晶にとって身も心も蕩かすような情熱的なものであった
快楽により一層、フィガロへの依存心を強めていった晶が、この行為が繁殖行為であると知るのは、まだ少し先のお話…
海面から顔を出すと、大きな炸裂音と共に暗い空に光が飛び散った
晶は驚きのあまり、岩礁に身を隠す
晶が恐る恐る辺りの様子を伺うと、目の前には大きな物体が浮かんでいた
恐らく、母から聞いた船という物だろう
先程の炸裂音は多分、花火という物だ
船上からは、楽しげな音楽が聞こえてくる
岩礁に座った晶は、音楽に釣られて歌い始めた
その歌声を聴いた1人の青年が海面の様子を探る
すると、1匹の人魚が岩礁の上に座って歌っている姿が見えた
青年は、その人魚の歌声と可憐な容姿を一目で気に入った
青年は何としても人魚を捕らえようと決意する
投網を投げようかと考えたが、彼女を傷付けてしまうかもしれない
青年は朝を待って、再び人魚が現れた時に接触しようと決めた
青年は家臣に命じて、人魚が好んで食べるとされる小海老を生きたまま入り江にばら撒いた
再び陸に上がってきた晶は、丁度お腹が空いていたので小海老を追い掛けて入り江に近づいた
たらふく小海老を食べて満足した晶は、入り江の洞窟で一休みする事にした
上機嫌で歌を歌い出す
岩陰に隠れて様子を伺っていた青年は、無防備な人魚に背後から近づいて一言呟いた
『ポッシデオ』
すると、晶は強烈な眠気に襲われ深い眠りについた
青年は自身の衣服が濡れるのも構わず、人魚を姫抱きにして居城へ連れ帰った
晶が目を覚ますと…そこは水の中だった
しかし、海の中ではない
なにか…透明な壁に阻まれた四角い空間である
その空間外に意識を向けると、そこには人間が居た
「やあ、おはよう。初めまして、人魚のお嬢さん」
「だ、誰ですか…?」
「俺は、フィガロ。この国の次期国王。王子様だよ」
「フィガロ…」
「きみの名前は?」
「晶、です…」
「そう。可愛い名前だね」
「此処は何処ですか?」
「俺の部屋。その水槽の居心地はどう?」
「此処から出して下さい!」
「そのお願いは聞けないな。きみは、俺が飼うんだから」
「飼う…?」
海にはペットなどの愛玩動物がいないので、晶には『飼う』という概念が分からなかった
「私に何をするんですか…?」
「きみの歌声を気に入ったんだ。だから、きみを飼う事にした。ほら、また歌ってよ」
晶は父王の言いつけをあまり真に受けず、人間の近くで呑気に歌っていた事を後悔した
「歌ってくれないなら、きみの大好物はあげないよ」
「いりません!」
晶は意地になって頑なに口を閉ざしたが、フィガロは晶が歌うまで本当に餌を与えるつもりはないらしい
3週間空腹に耐え続けたが、これ以上は飢えて死んでしまう…
晶は水槽の縁に凭れ掛かり、弱々しい声で歌った
「いい子だね、晶。ほら、きみの大好きな小海老だよ」
フィガロが晶の口に押し込んだ小海老を、晶は力なく咀嚼した
それからは、晶が歌う度にフィガロは晶に小海老を与えた
一度は痩せてしまった晶の体型も、少しずつ戻ってきた
長い間狭い水槽に閉じ込められているうちに、晶には不思議な感情が芽生えた
それは、フィガロへの依存心である
所謂、ストックホルム症候群だ
晶はフィガロの気を引きたくて、フィガロが不在の間も歌い続けた
フィガロはそんな晶を見て、強い独占欲と執着心を抱くようになった
歪な主従関係は、やがて種族を越えた恋愛関係に発展した
フィガロの従者が水槽の掃除をしている間、晶は浴室にある猫脚のバスタブに移動させられる
そのバスタブの中で、フィガロと晶は交わっていた
晶の総排泄腔には、フィガロの陰茎が激しく出し挿れされる
フィガロが晶の『ナカ』で精を放っても、決して着床する事はない
しかし晶は、「きゅー、きゅー」と鳴く
これは人魚が発情し、異性を誘惑する時の鳴き声だ
フィガロはそんな晶を愛おしく思い、晶を自分の妻にしようと決めた
ある日、晶は魔法使いであるフィガロに魔法を掛けられた
それは、人魚を人間に変える魔法である
自分の身体の変化について行けず、ふらふらの脚でフィガロに縋り付く
晶のそんな姿もフィガロには愛らしく映った
晶をベッドに組み伏せて、フィガロは晶に愛を囁いた
これは、今までの戯れのような性交ではない…と、晶に教える為だ
本来、卵生である人魚の総排泄腔は性交の為の器官ではない
晶は、結合による快感を得た事がなかった
だが今はフィガロによって人間の身体に作り変えられ、人間と同じ感覚を持っている
人間同士の身体で行う初めての性交は、晶にとって身も心も蕩かすような情熱的なものであった
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