聾唖のバレリーナ

夜千流

文字の大きさ
2 / 3

聾唖のバレリーナ

しおりを挟む
重度の呼吸器障害を抱えるフィガロは、聾唖のバレリーナ・晶と出逢い、仕草のみで互いに愛を交わし合った

医学の発展によって、新しい薬を投与されたフィガロは、以前より病状が改善した
昔より顔色が良くなったフィガロはこの日、恋人の晶が出演する舞台を観に劇場へ赴いた

「(俺の、晶…)」

フィガロは、他の男と踊る晶を見て、沸々と嫉妬の感情が湧き起こる
晶が相手役の男へ『愛のマイム』を行う度に、気が狂いそうになる

「(晶…俺の白鳥シュヴァン…)」

フィガロは観客席から晶へ熱い視線を送る
一瞬、晶と目が合った
フィガロは親指、人差し指、小指を同時に立てて、手話で晶への愛を伝える
それを見た晶の頬に、薄っすら紅が差す
フィガロはその様子を見て、ようやく溜飲を下げた





日曜日の夜…
晶は、フィガロの部屋に泊まりに来ていた
身を清め、パジャマを着たフィガロがベッドに腰掛ける
広いフィガロの自室の中央で、ワンピースタイプのパジャマを着た晶が踊りを披露する
恋人のフィガロへ向けた、特別な踊りだ
晶は頭の先から爪先まで使って、全身でフィガロへの愛を表現する
その姿を、フィガロは満足気に観賞した

ダンスが終わり、晶はフィガロの前に立った
フィガロは晶へ手を伸ばし、晶の後頭部に手を添えて引き寄せる
触れ合った唇を薄く開いて、舌先を絡めた
口づけの合間に、晶はフィガロをベッドへ押し倒す
くちゅ、くちゅ、と…口づけは更に深くなる

晶は、既に兆し始めたフィガロの下肢へ触れた
パジャマ越しに、半勃ちの陰茎を撫でる
フィガロのくぐもった声に、晶は気持ちが昂る
唇を離すと、淫靡な唾液の橋が架かった
晶は、フィガロのパジャマと下着を脱がせた
芯を持った陰茎を握って、ゆるゆると扱く

「は、…あっ…」

色気のある吐息に、晶の子宮が疼いた
亀頭に口づけ、先端をカプッ♡と食んだ

「うっ…、…はぁ…、…あ、…!」

恋人から齎される口淫に、フィガロは喘ぐ
陰嚢から竿、先端までを一気に舐め上げられ、思わず腰が浮いた

「はぁ…はぁ…、…ゴホッ、ゴホッ…!」

突然、フィガロが咳き込んだ
それに気づいた晶が、心配そうにフィガロの顔を覗き込む

「ごほっ…、ハァ…ハァ…、ん…大丈夫だよ…」

不安気にフィガロを見つめる晶の頬を、フィガロは優しく撫でた
晶は、ほっ…と、胸を撫で下ろす

「晶、跨って…」

晶は、フィガロの唇の動きで彼の意図を理解した
ショーツを脱ぎ捨て、陰茎に手を添えた晶は、ゆっくりと恋人の陰茎を受け入れる

「コホッ、コホッ…ははっ、…気持ちい…」

軽く咳き込みながらも、フィガロは恋人の膣内の心地良さに感嘆の息を漏らした
フィガロの身体を気遣った緩い抽挿は、じわじわとした快楽を齎す

「あっ、…あっ…」

口がきけない晶は、性交の時だけ喘ぎや呻き声を上げる
フィガロは、その声をもっと聴きたくて、じっくりと…腰を突き上げた

互いの熱を、愛を確かめ合うスローセックスは、言葉を交わせない二人にとっての重要な交流手段である

「晶…っ!」

フィガロは、晶の胎内へ精を放つ
指を絡め、強く握り合った手が、互いへの熱情を物語っていた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。

ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」 実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて…… 「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」 信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。 微ざまぁあり。

処理中です...