冤罪で殺された令嬢が転生したら溺愛ルートでした

榎夜

文字の大きさ
20 / 36

19話 セルドリックside

しおりを挟む

今日はリナリー嬢がエリザベスに冤罪をきせようとしたみたいだ。

これで何回目だ?

いい加減にして欲しい。

そう思いながら眠りについた。

ここ最近は毎日エリザベスのことを考えている気がするな。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「エリザベス!貴様を斬首刑とする!」

......ん?これは俺の声か?

あぁ、またこの夢か。

なんたんだ?この夢は。

エリザベスが何をしたって言うんだ!?

なぜ俺はエリザベスに処刑を言い渡しているんだ!?

そして、隣にいる令嬢は誰なんだ...。

そう思って隣を見ると

「セルドリック様ぁ~。私、怖かったですぅ~」

この耳障りな声は...リナリー嬢!?

嘘だろ...?俺はこの女と共にエリザベスを処刑しようとしているのか?

「一体何が.........」

俺が呆然としていると、急に周りが真っ黒になって、目の前に1人の女性が現れた。

「あぁ、やっと自分の意思が戻ってきましたか?」

そう言って呆れたような顔をしているが、誰なんだ?この女性は......

「そっか、そっち側で私は居ないんですっけ?じゃあ、初めまして。エマと申します」

恭しく頭を下げた女性の名前に聞き覚えがあった。

エリザベスが目を覚ましたとき、エマはどこか、と言っていたな。

まさか......そのエマなのか...?

「驚いた顔をしていますね。私のことを知っているんですか?」

エマは首を傾げながらそう聞いてきた。

「い、いや...エリザベスがエマはどこか、と聞いきたことがあって......でも人違い「いえ、それは私ですよ」」

「......え?」

何を言っているんだ?だって、エリザベスの専属メイドはアンナで、エマというこの女性は初めて会ったはずだ。

もちろん、エリザベスの家にもこんな使用人は見たことがない。

「だから、エリザベス様が言っているエマは私です。はぁ...せっかく自我は取り戻しても記憶は曖昧なんですね」

何を言っているんだ?

自我?記憶?

「やっぱりわからないんですね。じゃあ、最初から説明しますよ?」

なんのことかはわからないが、聞いた方が良いような気がして頷くと、エマが説明してくれた内容に驚きが隠せなくなっていた。

俺は転生をしていて、そのうちの9回もエリザベスを殺した......?

リナリー嬢が魅了をかけていたから周りが見えなくなっていた?

エリザベスに冤罪を着せて殺して、しかも、エリザベスはそれを全て覚えているだと?

そんな話、信じられるわけ.........。

いや、でもそれだったらエリザベスが悲しそうな顔をするのだって頷ける。

俺に最後は殺されると思っているから.........。

それならば

「...どうやったらその魅了にかからないんだ?」

そうだ。魅了にかからないようにすればいいんだ。

そうすれば、後はリナリー嬢が勝手に自滅してくれる。

俺がそう聞くと、エマは笑いながら

「あぁ、それでしたら大丈夫ですよ。今回はリナリーが魅了を使えないようにしましたので」

そう言って懐から出したネックレスを振り回した。

「どういうことだ?」

「まぁ、そのうちわかりますよ。頑張ってください。今回の転生は貴方次第でエリザベス様が幸せになれるか決まるんですから」

エマがそう言うと、急に視界が霞んでいってしまった。

まだ聞きたいことがあるのに......!

「ちょっと待て...!」

そう言った俺の声は誰にも届かなかった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い結婚のはずでしたが、理屈で抗った結果すべて自分で詰ませました

鷹 綾
恋愛
「完璧すぎて可愛げがない」 そう言われて王太子から婚約破棄された公爵令嬢ノエリア・ヴァンローゼ。 ――ですが本人は、わざとらしい嘘泣きで 「よ、よ、よ、よ……遊びでしたのね!」 と大騒ぎしつつ、内心は完全に平常運転。 むしろ彼女の目的はただ一つ。 面倒な恋愛も政治的干渉も避け、平穏に生きること。 そのために選んだのは、冷徹で有能な公爵ヴァルデリオとの 「白い結婚」という、完璧に合理的な契約でした。 ――のはずが。 純潔アピール(本人は無自覚)、 排他的な“管理”(本人は合理的判断)、 堂々とした立ち振る舞い(本人は通常運転)。 すべてが「戦略」に見えてしまい、 気づけば周囲は完全包囲。 逃げ道は一つずつ消滅していきます。 本人だけが最後まで言い張ります。 「これは恋ではありませんわ。事故ですの!」 理屈で抗い、理屈で自滅し、 最終的に理屈ごと恋に敗北する―― 無自覚戦略無双ヒロインの、 白い結婚(予定)ラブコメディ。 婚約破棄ざまぁ × コメディ強め × 溺愛必至。 最後に負けるのは、世界ではなく――ヒロイン自身です。 -

【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。

鏑木 うりこ
恋愛
 クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!  茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。  ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?    (´・ω・`)普通……。 でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。

所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜

しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。 高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。 しかし父は知らないのだ。 ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。 そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。 それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。 けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。 その相手はなんと辺境伯様で——。 なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。 彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。 それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。 天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。 壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています

綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」 公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。 「お前のような真面目くさった女はいらない!」 ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。 リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。 夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。 心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。 禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。 望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。 仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。 しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。 これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

竜皇帝陛下の寵愛~役立たずの治癒師は暗黒竜に今日も餌付けされ中!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリリアーナ・アンシーは社交界でも醜い容姿故にアザラシ姫と呼ばれていた。 そんな折、敵対する竜の国との平和条約の為に生贄を差し出すことになった。 その相手は純白の聖女と呼ばれるサンドラだったが国の聖女を差し出すわけにも行かず、リリアーナが身代わりを務めることになった。 辺境伯爵令嬢ならば国の為に働くべきだと泣く泣く苦渋の選択をした婚約者だったが体よくリリアーナを国から追い出し、始末する魂胆が丸見えだった。 王も苦渋の選択だったがリリアーナはある条件を付け了承したのだ。 そして決死の覚悟で敵国に迎えられたはずが。 「君が僕のお嫁さんかい?とりあえず僕の手料理を食べてくれないかな」 暗黒竜と恐れられた竜皇帝陛下は何故か料理を振る舞い始めた。 「なるほどコロコロ太らせて食べるのか」 頓珍漢な勘違いをしたリリアーナは殺されるまで美味しい物を食べようと誓ったのだが、何故か食べられる気配はなかった。 その頃祖国では、聖女が結界を敷くことができなくなり危機的状況になっていた。 世界樹も聖女を拒絶し、サンドラは聖女の地位を剥奪されそうになっていたのだった…

【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?

鏑木 うりこ
恋愛
アリシアは6歳でどハマりした乙女ゲームの悪役令嬢になったことに気がついた。 楽しみながらゆるっと断罪、ゆるっと領地で引き篭もりを目標に邁進するも一家揃って病弱設定だった。  皆、寝込んでるから入学式も来れなかったんだー納得!  ゲームの裏設定に一々納得しながら進んで行くも攻略対象者が仲間になりたそうにこちらを見ている……。  聖女はあちらでしてよ!皆様!

女嫌いな騎士が一目惚れしたのは、給金を貰いすぎだと値下げ交渉に全力な訳ありな使用人のようです

珠宮さくら
恋愛
家族に虐げられ結婚式直前に婚約者を妹に奪われて勘当までされ、目障りだから国からも出て行くように言われたマリーヌ。 その通りにしただけにすぎなかったが、虐げられながらも逞しく生きてきたことが随所に見え隠れしながら、給金をやたらと値下げしようと交渉する謎の頑張りと常識があるようでないズレっぷりを披露しつつ、初対面から気が合う男性の女嫌いなイケメン騎士と婚約して、自分を見つめ直して幸せになっていく。

処理中です...