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20話 リナリーside
しおりを挟むなんなの!?
今までだったら私が虐められたって聞いたら皆でエリザベスを糾弾してたじゃない!
エリザベスが冤罪だろうとなんだろうと皆私の味方をして、私をチヤホヤしてくれてたじゃない!
それが今回は何をしても皆してエリザベスの味方。
それどころか、私を悪者扱いじゃん!
階段から落ちたように見せかけてエリザベスの評価を下げてやろうと思ったのに、あの知らない令嬢までエリザベスの味方だなんて...!
一体何が違うの?
いや、でも私は今までと同じように冤罪を擦り付ける為に動いた。
前だって同じことをやったらすぐにエリザベスを責め立てていた。
何かあるはず.........今までと違うことが...。
そう思いながら廊下を歩いていると、普通に歩いているだけなのに皆避けていくのがわかる。
なによ!私が何をしたって言うのよ!
子息達は私を見るのも嫌なのか、絶対こっちを見てくれない。
令嬢達は避けることはないが、私をチラチラ見ながら
「ねぇねぇ、またエリザベス様を陥れようとしたそうよ」
「え、またやったの?もしかして、あの包帯とかも全部偽物?」
「重症っぽく見せたかったんじゃない?落ちてもいないくせに」
「相変わらず身の程知らずね」
「本当にね」
そう言っている。
コソコソ言っているように見せているけど、実際は私に聞こえるように言っているのがよくわかる。
だって、私もエリザベスに対して同じようなことをしていたもの。
あの時は私はやっている方だからちょっと快感だったけど、やられる側になると話が違う。
あー!イライラするわ!
最近はお父様にまで怒られるし。
平民だったくせに、お母様はマナーがどうとか文句言ってくるし!
何がマナーよ!自分だって何も出来ないくせに!
そう思いながら人混みを避けて歩いていると、ある事に気が付いた。
そうよ......違うことがあるじゃない!
今まで必ず付けていたネックレスよ!
学園を卒業してからは付けていなかったけど、学生の時は必ずつけていたわ。
今思うと、あれは幸運を呼ぶ何かだったってこと...?
卒業して、外すようになってから私に悪いことばっかり起こったもの!
あの時は高いアクセサリーが沢山あるのに付けないなんて勿体ないじゃない?って思ったから放置していたけど......。
早速家に帰ったら........あぁ、無理だわ。
あれはお金が足りなくなったから売ったんだ...。
またあの商人から買い戻す...?
でも50万で買ってもらったってことは最低でも同じ金額を出さないと買えないわ......。
でもあれがないと私は不幸になるだけなのに...。
ていうか、私が主人公なのになんでこんな思いをしなきゃいけないの?
こうなったらネックレスなんかに頼らなくても自分でどうにかしてやるわよ!
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