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47話
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カリステラ様の見事な自爆に、思わず大きなため息をついてしまった私ですが、当の本人はまだ自分が言ってはいけないことを言った、というのに気付いていないみたいですわね。
顔を真っ赤にしたまま私のことを思いっきり睨みつけていますもの。
はぁ......正直、殿下と婚約したいのであれば、何かしらのアピールはした方が良いと思います。
あ、もちろん誘惑して、とかではないですわよ?
自分の何が優秀で、婚約することによってこのような利益があるんだぞ、というアピールですわ。
カリステラ様は顔は綺麗ですし、成績も良い。
それでいて、今回のことがある前は皆の人気者ですし、おうちの方も安定したお金がありますわ。
そう考えると、変に殿下に対して色気を使うより大人しくしていた方が評価が高かったのではないでしょうか?
なんて思いながら、私のことを睨みつけているカリステラ様の目をジッと見つめ返しましたわ。
すると、まさか私が見つめてくれるは全く想像もしていなかったんでしょう。
動揺したように急に視線を逸らしましたわね。
全く......だったら睨むのもやめて欲しい、という感じですわ。
そう思いながら、再び本に集中しようと、一度動いた場所からまた離れた場所へと座りましたわ。
殿下と令嬢たちとの距離は大体5メートルほど。
ここなら変に絡まれるようなこともありませんわね。
そう思った私は、一度はしまった紙を再び目の前に出して、ペンにインクを付けましたわ。
えーっと.......とにかく、明日は学園もないですし、お父様と話をしてディアと一緒に試作を開始する。
薬草を取りに行くことに関しては、領地内には大量にヨモギがありますし、その他にゴボウ茶のようなものは作れるでしょうね。
洗う桶のようなものは家の中で使っていない大きなものを貰う、または借りてくるとして、問題はどうやって乾燥させるか......。
この本では、乾燥させる機械がある、と言っていますがこの国では見たことがないものですわ。
それに、機械の名前も値段もわからないので、ヘタに手を出すのも怖いですわよね。
なんて思いながら紙に明日の予定と、必要になるであろう物を本を参考にして考えていると
「で、殿下!誤解ですの!」
「うるさい!もう二度と俺に関わるな!」
という完全に修羅場になってしまっている殿下達の声が聞こえてきましたわ。
誤解ですの、とか、俺に関わるなって.....元々恋仲だった2人の会話みたいですわよね。
付き合っていたのにカリステラ様の方が浮気をしてしまって、それを見かけた殿下が怒っている......みたいな。
あ、こんなことを言ってしまうと怒られるのはわかっているので、もちろん私の心の中だけで想像していますわよ。
うーん.....そうなると、取り巻きの令嬢3人はカリステラ様が浮気をしていることを知っていながら隠していた、という感じでしょうね。
なんて勝手に頭の中で物語を作って、関係図なんかも書いてしまいましたわ。
だって、出来ることなら図書館から出たいのにまだ話をしているんですもの。
顔を真っ赤にしたまま私のことを思いっきり睨みつけていますもの。
はぁ......正直、殿下と婚約したいのであれば、何かしらのアピールはした方が良いと思います。
あ、もちろん誘惑して、とかではないですわよ?
自分の何が優秀で、婚約することによってこのような利益があるんだぞ、というアピールですわ。
カリステラ様は顔は綺麗ですし、成績も良い。
それでいて、今回のことがある前は皆の人気者ですし、おうちの方も安定したお金がありますわ。
そう考えると、変に殿下に対して色気を使うより大人しくしていた方が評価が高かったのではないでしょうか?
なんて思いながら、私のことを睨みつけているカリステラ様の目をジッと見つめ返しましたわ。
すると、まさか私が見つめてくれるは全く想像もしていなかったんでしょう。
動揺したように急に視線を逸らしましたわね。
全く......だったら睨むのもやめて欲しい、という感じですわ。
そう思いながら、再び本に集中しようと、一度動いた場所からまた離れた場所へと座りましたわ。
殿下と令嬢たちとの距離は大体5メートルほど。
ここなら変に絡まれるようなこともありませんわね。
そう思った私は、一度はしまった紙を再び目の前に出して、ペンにインクを付けましたわ。
えーっと.......とにかく、明日は学園もないですし、お父様と話をしてディアと一緒に試作を開始する。
薬草を取りに行くことに関しては、領地内には大量にヨモギがありますし、その他にゴボウ茶のようなものは作れるでしょうね。
洗う桶のようなものは家の中で使っていない大きなものを貰う、または借りてくるとして、問題はどうやって乾燥させるか......。
この本では、乾燥させる機械がある、と言っていますがこの国では見たことがないものですわ。
それに、機械の名前も値段もわからないので、ヘタに手を出すのも怖いですわよね。
なんて思いながら紙に明日の予定と、必要になるであろう物を本を参考にして考えていると
「で、殿下!誤解ですの!」
「うるさい!もう二度と俺に関わるな!」
という完全に修羅場になってしまっている殿下達の声が聞こえてきましたわ。
誤解ですの、とか、俺に関わるなって.....元々恋仲だった2人の会話みたいですわよね。
付き合っていたのにカリステラ様の方が浮気をしてしまって、それを見かけた殿下が怒っている......みたいな。
あ、こんなことを言ってしまうと怒られるのはわかっているので、もちろん私の心の中だけで想像していますわよ。
うーん.....そうなると、取り巻きの令嬢3人はカリステラ様が浮気をしていることを知っていながら隠していた、という感じでしょうね。
なんて勝手に頭の中で物語を作って、関係図なんかも書いてしまいましたわ。
だって、出来ることなら図書館から出たいのにまだ話をしているんですもの。
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