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6話

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そして、憂鬱ですが今日も学園に来てしまいましたわ。

はぁ.........本当なら、お兄様と一緒におうちでゆっくりしたかったんですけどね。

お兄様のいない学園だなんてつまらなすぎて反吐が出ますわ。

なんてことを考えているうちに放課後になってしまいましたわね。

まぁ、変に絡んでくる人もいませんし、何もなく終わってよかったんですが、皆腫れものを触るように扱ってくるんですのよ?

婚約破棄されて喜んでいる私にそんな扱いは不要じゃなくて?

そう思いながら帰宅のために廊下を歩いていると

「あ、私に婚約者を奪われたシャルロット様じゃないですかぁ~」

「あら、アリス様」

面倒な人に声をかけられましたわね。

しかも奪われた、なんて言い方も気に食わないですわ。

まぁ、そう思っても顔に出さないのが立派な淑女というものですけどね。

そう思っていると、アリス様はニヤニヤとしながら

「悔しいですか?私のような下の者に婚約者を奪われるなんて」

と言ってきましたわ。

周りで見ていた人も、まさかそんなことを言うなんて思っていなかったようで

「あ、アリス様!なんてことを!」

と言いながら止めていますが、内心面白がっているのがバレバレですわよ?

他の人なんて、わざわざ足を止めて私たちの会話を聞いていますからね。

ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべているアリス様にキョトンとした顔をしながら

「いえ?ベルン様のことでしたら心から婚約がなくなって嬉しいですわよ?」

そう言って首を傾げると

「は........?」

あらあら、顔が引きつっていますわ。

自分から喧嘩を売っておいて、そんな反応するのはおかしいですわよね?

するとアリス様は

「え、強がってるんですか~?」

引きつった顔のまま、再び私に喧嘩を売ってきましたわ。

この人は、人をバカにすることしか出来ないんでしょうか?

それに強がりも何も本当の話ですし。

心の中で大きくため息をつきながら

「本当のことを言ったまでですが.......それとも、今日一日中、私が落ち込んでいるように見えましたか?」

そう言って周りを見ると、都合の悪そうに目を逸らされてしまいましたわ。

はぁ.....そんなことなら最初から話を聞こうと立ち止まらなきゃ良い話ですのに。

わざとらしく、頬に手を当てて大きくため息をつきながら

「私、ベルン様が嫌いでしたの。大して顔も良くないのに自信家で、勉強も出来ない、何も取り柄なんてないくせに公爵家に生まれただけで威張っているような男なんて好きになるところがありませんわよね?」

そうアリス様に言うと、どうしても私が悔しがっている、ということを聞きたいのか

「そ、そんなこと言って、10年も一緒にいたのに悲しくないわけがないじゃないですか」

と言い返してきたので

「それを言ったらベルン様と婚約したくなくて、決まった時は1日中泣いていましたけど?だから、今は物凄く嬉しいんですの」

そう言ってニッコリと微笑んで差し上げましたわ。

はぁ......これだからアリス様は悪い噂が消えませんのよ。

こんなことをしている暇があったら、ベルン様の母親に好かれるように努力した方が身のためだと思いますわよ?
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