55 / 61
54話
しおりを挟む
大体の話が終わって、隣国の陛下も状況をすべて把握すると、私達にも謝ってくれましたわ。
まぁ、私達としては本人からの謝罪が欲しい、としか思っていませんし、謝ってもらったところで時間は戻らないのでどうも出来ませんわよね。
そう思っていると
「本当にすまなかった.......その、ハニーア本人は?」
隣国の陛下がなぜかアルフレッド様にそう尋ねると
「それなら、もう少しで到着するでしょう」
そう答えたときでした。
急に扉が開いたと思ったら
「アルフレッド殿下ぁ~。お待たせしましたわぁ~」
なんてバカみたいな声が応接室に響き渡りましたわ。
きっと、アルフレッド様が私を呼んでいるわ、くらいの感覚できたんでしょう。
本当におバカさんですね。
それを見た隣国の陛下も驚いて、固まってしまっていましたが、すぐに元に戻って
「ハニーア」
とハニーア様のの名前を呼びましたわ。
すると
「お、お父様!?」
今まで父親がいることに気付いていなかったんでしょう。
物凄く驚いた顔をして隣国の陛下を見ています。
ハニーア様をギロリ、と睨みつけると
「お前、普段からそのようなバカ丸出しの喋り方をしていたのか」
「い、いえっ!これは........」
「我が王族の恥さらしが!お前何と言った?学びたいことがあると言ったから留学を許したんだ!」
「そ、それは..........」
まぁ!本当にそう言って留学に来ていましたのね。
ハニーア様は全く勉強をしている気配がありませんでしたけど、国に帰ってからどうするつもりだったんでしょう?
そう思いながら、隣国の陛下とハニーア様の会話を聞いていると、ハニーア様は急にアルフレッド様を指さして
「ち、違いますの!アルフレッド殿下から私に.........」
と何やらまた人に罪を着せようとしていますわね。
自分を守ることに必死、という様子ですわ。
ですが誰しもがそんな話、あるわけがないとわかっているので
「はぁ?俺は不愉快だから近寄るな、とは言ったことがあるが、そんな気持ちの悪い喋り方を強要した覚えはない」
というアルフレッド様の言葉に頷いています。
正直、好きな人に嫌われる才能を持っているのでは?なんて思いますわよね。
アルフレッド様の言葉を聞いた、隣国の陛下は
「お前のせいで......お前のせいで我が国の信用を失ったんだぞ!」
とハニーア様を怒鳴りつけています。
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃ」
「ふんっ!お前を可愛がってやったのは失敗だったようだ」
「お父様、ごめんなさい!許してください!」
「お前の行動のせいで、この国はどれほどの被害があったと思っているんだ」
「それに、お前は我が国で権力があると思っているのか?何が取引先をー、とかそんなことを言えたな!」
「な、なんでそれを..........」
隣国の陛下からは、様々な真実を聞くことが出来ましたが、ここまでくると救いようもありませんわね。
ハニーア様は嘘をつきすぎですわ。
それに、ユーフェミア様を脅した内容だって、嘘ですのね。
こればっかりは本当に許せませんわ。
私が座っている状況じゃなければ一発くらい、ビンタ出来ましたのに。
そう思っていると、ハニーア様は
「お、お母様!」
と泣き崩れて固まっている母親に助けを求めていますわ。
これで助けてもらえると思っていることが凄いですわね。
すると案の定、ハニーア様の母親は
「今すぐにここにいる皆さんに謝りなさい」
と死んだような目でハニーア様を見つめています。
驚いたハニーア様は
「........え?」
キョトンとした顔をして母親を見ていますが
「謝りなさい。ちゃんと頭を付けて。出来るわよね?お兄様達には出来たんだもの」
そう言うと、ハニーア様は顔を真っ青にして
「そ、そ、それは.........」
と戸惑っています。
それにしても、兄に土下座をさせられている、なんて凄い家ですのね。
しかも、このタイミングで全て暴露されるなんて、ハニーア様からしたら物凄く屈辱でしょう。
どうなるんでしょうね。
まぁ、私達としては本人からの謝罪が欲しい、としか思っていませんし、謝ってもらったところで時間は戻らないのでどうも出来ませんわよね。
そう思っていると
「本当にすまなかった.......その、ハニーア本人は?」
隣国の陛下がなぜかアルフレッド様にそう尋ねると
「それなら、もう少しで到着するでしょう」
そう答えたときでした。
急に扉が開いたと思ったら
「アルフレッド殿下ぁ~。お待たせしましたわぁ~」
なんてバカみたいな声が応接室に響き渡りましたわ。
きっと、アルフレッド様が私を呼んでいるわ、くらいの感覚できたんでしょう。
本当におバカさんですね。
それを見た隣国の陛下も驚いて、固まってしまっていましたが、すぐに元に戻って
「ハニーア」
とハニーア様のの名前を呼びましたわ。
すると
「お、お父様!?」
今まで父親がいることに気付いていなかったんでしょう。
物凄く驚いた顔をして隣国の陛下を見ています。
ハニーア様をギロリ、と睨みつけると
「お前、普段からそのようなバカ丸出しの喋り方をしていたのか」
「い、いえっ!これは........」
「我が王族の恥さらしが!お前何と言った?学びたいことがあると言ったから留学を許したんだ!」
「そ、それは..........」
まぁ!本当にそう言って留学に来ていましたのね。
ハニーア様は全く勉強をしている気配がありませんでしたけど、国に帰ってからどうするつもりだったんでしょう?
そう思いながら、隣国の陛下とハニーア様の会話を聞いていると、ハニーア様は急にアルフレッド様を指さして
「ち、違いますの!アルフレッド殿下から私に.........」
と何やらまた人に罪を着せようとしていますわね。
自分を守ることに必死、という様子ですわ。
ですが誰しもがそんな話、あるわけがないとわかっているので
「はぁ?俺は不愉快だから近寄るな、とは言ったことがあるが、そんな気持ちの悪い喋り方を強要した覚えはない」
というアルフレッド様の言葉に頷いています。
正直、好きな人に嫌われる才能を持っているのでは?なんて思いますわよね。
アルフレッド様の言葉を聞いた、隣国の陛下は
「お前のせいで......お前のせいで我が国の信用を失ったんだぞ!」
とハニーア様を怒鳴りつけています。
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃ」
「ふんっ!お前を可愛がってやったのは失敗だったようだ」
「お父様、ごめんなさい!許してください!」
「お前の行動のせいで、この国はどれほどの被害があったと思っているんだ」
「それに、お前は我が国で権力があると思っているのか?何が取引先をー、とかそんなことを言えたな!」
「な、なんでそれを..........」
隣国の陛下からは、様々な真実を聞くことが出来ましたが、ここまでくると救いようもありませんわね。
ハニーア様は嘘をつきすぎですわ。
それに、ユーフェミア様を脅した内容だって、嘘ですのね。
こればっかりは本当に許せませんわ。
私が座っている状況じゃなければ一発くらい、ビンタ出来ましたのに。
そう思っていると、ハニーア様は
「お、お母様!」
と泣き崩れて固まっている母親に助けを求めていますわ。
これで助けてもらえると思っていることが凄いですわね。
すると案の定、ハニーア様の母親は
「今すぐにここにいる皆さんに謝りなさい」
と死んだような目でハニーア様を見つめています。
驚いたハニーア様は
「........え?」
キョトンとした顔をして母親を見ていますが
「謝りなさい。ちゃんと頭を付けて。出来るわよね?お兄様達には出来たんだもの」
そう言うと、ハニーア様は顔を真っ青にして
「そ、そ、それは.........」
と戸惑っています。
それにしても、兄に土下座をさせられている、なんて凄い家ですのね。
しかも、このタイミングで全て暴露されるなんて、ハニーア様からしたら物凄く屈辱でしょう。
どうなるんでしょうね。
77
あなたにおすすめの小説
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる