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58話 ハニーアside
しおりを挟むなんで、こんなことになったんですの!?
私の作戦は完璧なはず!
それなのに、なんでお父様とお母様までこの国にいますの!?
そう思いながら、私を担ぎ上げていた兵士は、乱暴に私を馬車に乗せましたわ。
王女の私のこんな扱いをしていいわけないわ!
そう思った私は
「ちょっと!痛いじゃない!お父様に言いつけますわよ!」
と言うと、兵士はバカにしたように笑いながら
「お父様ぁ?お前、自分の立場がわかってないのか?」
と言ってきましたわ。
自分の立場ですって!?
私は王女で、この国の王妃になる人で、お父様に一番かわいがられていますわよ!
そう言おうと思ったけど、それよりも先に
「お父様に見捨てられ、留学に来た国の人達には厄介者扱いされて、悪いことをしても謝ることすら出来ない元王女様だよなぁ」
そう言って、一緒についてきた兵士たちと下品にゲラゲラと笑っていますわ。
ふんっ!覚えてなさい!
私はまたこの国に帰ってきて、アルフレッド殿下と結婚するんですわ!
こいつらのことはお父様に言って解雇にしてもらいましょう!
そう思っていたのに
「な、何よここ!出しなさい!」
なんで私が牢屋に閉じ込められているのよ!
あり得ないわ!
きっと何かの間違いでこうなっているのよね!
「出しなさい!早く出しなさいよ!」
とりあえず、間違って私が入っていることを気付いてもらわないと。
そう思った私はひたすら牢屋の中で叫んだわ。
すると
「うるせぇなぁ........」
という聞き覚えのある声が聞こえてきましたわ。
お父様の次に私が恐れている相手...........。
思わず
「お、お兄様..........」
と呟くと、お兄様はとてつもなく嫌そうな顔をして
「は?お前なんかもう兄弟でもなんでもねぇよ」
と私に言ってきましたわ。
「ど、どういうことですの」
兄弟ではない?
でも、血の繋がりはあるから兄弟なのは変わりなくて.........。
でも、ここまでハッキリと否定されたのは初めてですわ。
そう思っていると、お兄様は私をギロっと睨みつけて
「お前、自分が何したのかわかってんのか?お前のせいで、国の信用はパァ。それどころか、国同士の争いになるところだったんだぞ」
と言ってきましたわ。
国同士の争い.......?
あ、きっとお父様が私を手放したくなくて戦争しようと、と思ったときでしたわ。
「お前は王族でも、貴族でもなくなったよ。3日後に修道院行きだそうだ」
し、修道院..........?
「な、なぜですの..........」
なぜですの?
私のことをあれほど可愛がっていたではありませんか。
あの怒っていたのはアルフレッド殿下達がいたから仕方なく怒っていましたのよね?
だから、本当は私のことを怒っているのではなくて...........。
そう思っている私に、お兄様は容赦なく
「自分でやったことを考えればそれでも優しい方だろ。お前のせいで側室も実家に帰るんだとよ」
「お母様が!?」
「まぁ、自業自得だな。修道院で一生反省でもするんだな」
そう言って牢屋を後にしました。
お兄様が来るまでは現実逃避して、大丈夫、大丈夫だと言い聞かせていましたが、ここまで現実を突きつけられるともう逃げ場はなくて
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
そう叫んだけど、その声は誰もいない牢屋の中に響き渡るだった。
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