まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

文字の大きさ
61 / 61

60話  Last

しおりを挟む
さて、じゃあ皆さんも気になっていると思いますがエリザベス様とお兄様のことですわね。

結論から言うと、あの2人はめでたく婚約者同士になりましたわ。

まぁ......婚約者になるまでの道のりに関しては、マカルポーネ侯爵が大変でしたのよ。

なんでも、今までエリザベス様に婚約者を、という話にならなかったのは可愛くて手放したくない、という親心からだったらしいんですのよ。

それを聞いた時、流石のエリザベス様もマカルポーネ夫人も驚いていましたわね。

なので、お兄様と婚約したい、という話をしたときは5分ほど、固まって動かなかったらしいですわ。

予想はしていたらしいですが、実際に言われるとまた違うな、とのことで。

ですが、お兄様は元々良い噂しかありませんし、敵対していましたが家同士で繋がることによって双方に利益がある、ということをお父様達のお茶会のなかでさりげなく刷り込んだらしいですわ。

流石お父様ですわね。

あ、うちは勿論、お父様とお母様もエリザベス様のことが大好きですし、お兄様が話をしたときに飛び跳ねるくらいの勢いで喜んでいましたわ。

とりあえず、エリザベス様が学園を卒業したらすぐに籍を入れる、ということになっていますが、お兄様はマカルポーネ侯爵に認めてもらうために日々頑張っていますわ。



そして最後は勿論私達ですわよね。

と言っても、特に変わったことはありませんのよ。

だって、元々婚約者同士ですし、小説の最後のように結婚して最後、みたいな展開になるにはまず卒業しないといけませんもの。

あ、ですが変わったことといえば周りからの私の評価が変わりましたわね。

今までは、運が悪いことに私の悪い噂だけが続いていましたが、噂が嘘なのでは?という話が広まって、それに加えて私の味方をしてくれた人たちが訂正してくれているらしいんですの。

まぁ、自分の噂というのはなかなか耳に入ってこないので、エリザベス様から聞いた話なんですけどね。

はぁ.........悪い噂を掻き消してくれるのもまた噂だなんて皮肉なものですわね。

そんなことを考えている私に

「マリアンヌ、式場のことなんだが」

そう言いながらアルフレッド様が大量のパンフレッドを持ってきましたわ。

私達の結婚は卒業して1か月後、という話になっているんですが、準備とかもありますのね。

知らなかったですわ。

なんて思いながら

「あら?私たちの式は国民の前で、ではありませんの?」

確かにそう聞いたはずですが、急に式場だなんてどうしたんでしょう?

思わず首を傾げていると、

「それが一般的だが、せっかくだし式場でもやりたいと思ってな」

そう言ってアルフレッド様が候補として10個ほど私の前に置きましたわ。

正直、どこでも良いんですが、そういうのにこだわるなんて...........

「アルフレッド様って、意外と乙女ちっくですわよね」

ついアルフレッド様にそう言うと

「なっ........別に普通だ!」

そう言って拗ねてしまいましたわ。

卒業まで後3か月。

それまでの間は出来ることなら何も問題なく終わって欲しいですわね。






ーーーーーーーー終---------


ここまで読んでくれてありがとうございました。

新しく連載してる

『こんな私が王女ですが、何か問題でもありますか?』

も読んでみてくれると嬉しいです。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。

藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。 「……旦那様、何をしているのですか?」 その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。 そして妹は、 「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と… 旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。 信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。 なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと? 婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。 ※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。 ※ゆるふわ設定のご都合主義です。 ※元サヤはありません。

処理中です...