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プロローグ
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「はぁ......」
優雅な貴族のお茶会には不釣り合いなため息が、1つだけではなく幾つも響き渡った。
椅子に座っている貴族たちの表情を見てみると、本来ならば楽しいお茶会のはずなのに明るい顔をした人なんて1人も居なく、全員が疲れ切った、曇った表情をしている。
まぁ、それも仕方のないことかもしれない。
だって、このお茶会に参加している貴族たちは皆、何かしらの問題を抱えた人たちなのだから。
何かを話すわけでもなく、ただただお茶を一口、また一口と飲んでいるこの光景は、他から見るとあまりにも異様な光景だろう。
そんな中、1人の令嬢が声をあげた。
「もう、うんざりですわ!こんな生活!」
そう声をあげたのは、このお茶会に参加している貴族の中で2番目に発言力のある『ソフィア・グリリアント』公爵令嬢だ。
現在、公爵子息と婚約をしていて、自身の家の爵位も高いためプライドは高いが、曲がったことが大嫌いで言い方は強いが間違ったことは言わない、というような評判の令嬢だ。
影ながら貴族令嬢の中でも人気がある、というのはここにいる子息令嬢の全員が耳にしたことがあるだろう。
そんなソフィアが声をあげたものだから、それが合図だったかのように今まで静寂だったお茶会の空気が一気に変わった。
「本当にその通りですわ!」
「僕だって、そろそろ限界です!」
「私もですわ!」
口々にそう言う人達の表情はさっきまでの曇った表情とは一変して、完全に怒っているというか、恨みが込められているのがわかる。
そんな中、1人だけがそんな貴族たちのことを何とも言あないような複雑そうな表情で見つめていた。
「ソフィア様、やめましょう」
そう言ったのは、このお茶会の中で1番の発言力がある『ユーグ・バーライアン』公爵子息だ。
ユーグは次期王である第一王女と婚約している、ということもあって成績優秀で頭の回転も速い。
ただ、1つ難点なのが気弱で目立つようなことが苦手だということくらいだ。
まぁ、だからこそ、我儘でプライドの高い王女の婚約者に選ばれたんだが。
もちろん、そんなユーグの言葉は苛立っているソフィアにとって無駄なもので
「いいえ!やめませんわ!」
そう言うと、ソフィアは今まで溜め込んでいたものを一気に吐き出すかのように、お茶会に参加している子息令嬢たちの顔をグルっと見渡してこう言った。
「だって、おかしいとは思いませんか!?跡継ぎが決まっている人達はあれほどまでに身勝手な行動をしているというのに.......同じ貴族なのにここまで差があるのはどう考えてもおかしいですわ!」
同意を求める様にユーグのことを見るソフィアの勢いに負けてしまったのか、今までは止めようとしていたユーグも
「ま、まぁ......確かにそう思わないわけではないけど...........」
と複雑そうな顔をしながらも小さく呟いた。
それを見た周りの人達も、ユーグが頷いたんだから、と言わんばかりに
「そもそも、いくら跡継ぎだとはいえ、私たちが居なければあの人たちは何も出来ないじゃないですか」
「婚約者だから、という理由で毎回尻拭いをさせられるのも流石に疲れてくるよな」
「私なんてお茶会だ、と言わない限り領地経営の勉強ですわよ?当の本人は遊んでいるというのに!」
そう言って、ソフィア同様に今まで溜めていたものを吐き出すかのように次々と今の婚約者、そして自分の置かれている状況のことを非難し始めた。
こうなってしまっては、誰が何を言っても止めることは不可能だ、そう誰しもが感じていたであろうその時
「だったら、こうしませんか?」
という言葉で、辺りが一気に静まり返った。
そして、皆が静かになったのを見計らっていたかのようにユーグはニッコリと微笑みながらこう言った。
「ここにいる人達全員、婚約を破棄するんです」
優雅な貴族のお茶会には不釣り合いなため息が、1つだけではなく幾つも響き渡った。
椅子に座っている貴族たちの表情を見てみると、本来ならば楽しいお茶会のはずなのに明るい顔をした人なんて1人も居なく、全員が疲れ切った、曇った表情をしている。
まぁ、それも仕方のないことかもしれない。
だって、このお茶会に参加している貴族たちは皆、何かしらの問題を抱えた人たちなのだから。
何かを話すわけでもなく、ただただお茶を一口、また一口と飲んでいるこの光景は、他から見るとあまりにも異様な光景だろう。
そんな中、1人の令嬢が声をあげた。
「もう、うんざりですわ!こんな生活!」
そう声をあげたのは、このお茶会に参加している貴族の中で2番目に発言力のある『ソフィア・グリリアント』公爵令嬢だ。
現在、公爵子息と婚約をしていて、自身の家の爵位も高いためプライドは高いが、曲がったことが大嫌いで言い方は強いが間違ったことは言わない、というような評判の令嬢だ。
影ながら貴族令嬢の中でも人気がある、というのはここにいる子息令嬢の全員が耳にしたことがあるだろう。
そんなソフィアが声をあげたものだから、それが合図だったかのように今まで静寂だったお茶会の空気が一気に変わった。
「本当にその通りですわ!」
「僕だって、そろそろ限界です!」
「私もですわ!」
口々にそう言う人達の表情はさっきまでの曇った表情とは一変して、完全に怒っているというか、恨みが込められているのがわかる。
そんな中、1人だけがそんな貴族たちのことを何とも言あないような複雑そうな表情で見つめていた。
「ソフィア様、やめましょう」
そう言ったのは、このお茶会の中で1番の発言力がある『ユーグ・バーライアン』公爵子息だ。
ユーグは次期王である第一王女と婚約している、ということもあって成績優秀で頭の回転も速い。
ただ、1つ難点なのが気弱で目立つようなことが苦手だということくらいだ。
まぁ、だからこそ、我儘でプライドの高い王女の婚約者に選ばれたんだが。
もちろん、そんなユーグの言葉は苛立っているソフィアにとって無駄なもので
「いいえ!やめませんわ!」
そう言うと、ソフィアは今まで溜め込んでいたものを一気に吐き出すかのように、お茶会に参加している子息令嬢たちの顔をグルっと見渡してこう言った。
「だって、おかしいとは思いませんか!?跡継ぎが決まっている人達はあれほどまでに身勝手な行動をしているというのに.......同じ貴族なのにここまで差があるのはどう考えてもおかしいですわ!」
同意を求める様にユーグのことを見るソフィアの勢いに負けてしまったのか、今までは止めようとしていたユーグも
「ま、まぁ......確かにそう思わないわけではないけど...........」
と複雑そうな顔をしながらも小さく呟いた。
それを見た周りの人達も、ユーグが頷いたんだから、と言わんばかりに
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「婚約者だから、という理由で毎回尻拭いをさせられるのも流石に疲れてくるよな」
「私なんてお茶会だ、と言わない限り領地経営の勉強ですわよ?当の本人は遊んでいるというのに!」
そう言って、ソフィア同様に今まで溜めていたものを吐き出すかのように次々と今の婚約者、そして自分の置かれている状況のことを非難し始めた。
こうなってしまっては、誰が何を言っても止めることは不可能だ、そう誰しもが感じていたであろうその時
「だったら、こうしませんか?」
という言葉で、辺りが一気に静まり返った。
そして、皆が静かになったのを見計らっていたかのようにユーグはニッコリと微笑みながらこう言った。
「ここにいる人達全員、婚約を破棄するんです」
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