この国の貴族達は婚約を破棄したい〜今まで我慢していましたが限界ですからね!〜

榎夜

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アリフィアのその後

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今回のお茶会は、いつもと何やら空気が違っていた。

それもそのはず.......今まで婚約者に悩まされてきた自分たちの中から1人、婚約破棄することに成功したのだから。

「軽くではありますがアリフィア様のこと聞きましたわ。本当に大変でしたのね.......よく我慢していたわ」

ソフィアがそう言って微笑むと、アリフィアは少し照れたような顔をしながら

「ありがとうございます」

と慎ましくお礼を言う表情は前回のお茶会の時と打って変わって晴れ晴れとした顔をしていた。

ついさっきまで自分たちの婚約者の愚行について話をしていた人たちもソフィアの言葉を始めに

「本当にお疲れ様でした」

「凄くかっこよかったですわ!」

「まさかあれほどまで酷い人だったとは......」

という労いの言葉をアリフィアにかけた。

そして、アリフィアへの労いが終わった後は

「アリフィア様から婚約破棄の話をされたときのキーン様のお顔、見ました?」

「えぇ!見ましたわ!」

「「本当にざまぁみろ!」ですわ!」

という満面の笑みとはそぐわない言葉が続いた。

ただ1人を除いて......。

今まで一言も話すことなくだんまりを決め込んでいたユーグが

「それにしてもキーン様は針の筵状態らしいな」

というと、今まで楽しそうに話していた人たちの動きがピタッと止まった。

それもそのはず。

キーンはアリフィアとの婚約破棄後、散々な目にあっていたからだ。

というのも、婚約破棄をしたのが原因という訳ではなく、今回のアリフィアとキーンの会話の内容、そしてレポートや自分の仕事を全てアリフィアに任せきっていたこと......それに加えてキーンが猫かぶっていたことも相まってこの事実の衝撃が大きかったのが原因でまず、レアドール伯爵家は商会からの商品の融通がなくなり、計画していた事業からも手を引く形となった。

これだけならまだ痛手は少ないがここからが散々で、レポートの件で先生からも生徒からも信用をなくしたキーンは一応学園には通っているが誰からも話しかけることなく、空気のように過ごし日々表情が暗くなっていっている。

しかも学園だけではなく社交界に参加をしても今回の噂が広まっているため、ヒソヒソと陰口を言われたり小さな嫌味に耐えるような状況が続いている。

それだけでも結構精神的にくるものがあるが、自分に振られた仕事をこなしていなかった、という事実に激怒したレアドール伯爵は後継ぎをキーン様からまだ2歳の弟へと変え家の中でも居場所がなくなってしまった、とのことだ。

ただもしアリフィアとの婚約を続けていたとしてもいずれはバレてしまう可能性もあることだったし、むしろ早めにわかって良かったのかもしれない、と皆が思ったことだろう。

伯爵夫人の方は今までの散財がバレ、持っていた装飾品の7割を売ることとなったらしく、社交界に出ては愚痴を言っているせいで周りからは迷惑がられているようで、少しずつ人が離れているらしい。

元々装飾品のおこぼれを貰えるかもしれない、という気持ちで近付いて来ていたような人たちばかりだったから当然の結果だ。

ここにいる全員、キーンの現状を知っているからこそ空気が重たくなったがそれを吹き飛ばすように

「まぁ、キーン様.....いや、あの家に関しては全て自業自得ですわ!」

ソフィアがそう言うと皆ホッとした顔をして再び談笑を始めた。

その談笑の際、ふと誰かがこう言ったのだ。

「次、婚約破棄するのは誰なんでしょう」
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