皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

榎夜

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43話

さて、美味しい食事もいただきましたし、私も仕事に戻りましょうか。

そう思っていると

「ちょっと!いい加減にしなさいよ!」

急にバンっ!という大きな音がして扉が開いたと思ったら、さっき皇帝に振られたばかりのディアナ様が部屋に入ってきました。

顔を真っ赤にさせてどうしたんでしょうね?

それよりも.....私は貴方よりも上の立場だと何回言えばわかるんでしょう?

流石に常識として、名乗らなかったとしてもノックくらいはして欲しいですわ。

無意識にため息をついてしまった私の態度が気に食わなかったのか、ディアナ様は

「何なのよ!その態度はっ!」

と怒鳴りつけてきました。

あら?ディアナ様の後ろには剣を抜いているリンが見えますわね。

まぁ、そうなるのも無理はありませんが、私の部屋を馬鹿の血で汚すのだけは勘弁ですわ。

そう思いながら、リンに視線でやめるように訴えると、渋々ですが剣を収めてくれましたわ。

さて、私も仕事があるので手短に済ませましょうか。

ディアナ様の方に視線を移して

「何の用でしょうか?」

と尋ねると、ディアナ様は顔を真っ赤にさせて

「あんたが皇帝に余計なことを言ったんでしょう!?」

そう言っています。

余計なこと、ですか。

私は特に何も言ってないんですが、普通に考えたら私が皇帝を脅して誘惑を断るように言ってると思いますわよね。

正直、私だって皇帝がディアナ様のお誘いを断ったのは驚いていますのに。

なんて思いながら

「何のことでしょう?」

と首を傾げる私に

「しらばっくれるんじゃないわよ!」

ディアナ様は短気ですわねぇ。

そんなに怒鳴って.......外に聞こえますわよ?

恥ずかしくないんでしょうか?

そう思いながら、今回の皇帝の件は何も知らないということになっている私は

「ディアナ様がなぜ怒っているのか全く分かりませんし、何に対して私が皇帝に余計なことを言ったのか教えてくださいます?」

わざとらしく頬に手を当ててため息をつくと、ディアナ様は顔を真っ赤にしてプルプルと震えています。

でも、ここで皇帝を誘惑しても誘いに乗らなかった、なんて言ったらどうなるかわかっているんでしょうね

「そ、それは........」

と口をモゴモゴするだけで次の言葉は言ってきませんでした。

さぁ、これでディアナ様の話は終わりでしょうかね。

だったら私からも軽く言わせてもらいますわ。

「内容もわからないことを私のせいにされても困りますわ。それに、言いましたよね?私の方が立場が上なんです、と」

そう言ってほほ笑むと、ディアナ様は

「な、なによっ!」

と強がりながらも一歩後ろに下がりました。

さて、私の番ですわね。

「その口調、態度、服装、全てがあり得ませんわ。いっそのこと平民になって娼婦にでもなったらどうでしょう?」

にこやかにそう言うと、ディアナ様は

「はぁ!?娼婦だなんて、私を誰だと思ってるのよ!」

そう言っていますわ。

誰だと思っている、ですか。

伯爵令嬢が何を言ってるんでしょうね?

そう思いながら

「じゃあ同じことを聞きますが、私を誰だと思っているんですの?」

私がそう尋ねると、ディアナ様は返す言葉がないのか黙ってしまいましたわ。

あらまぁ、これで終わりですの?

思ったより早かったですわね。

リンに目で合図を送った後に

「もう少し考えて行動した方がよろしいですわよ。貴方は伯爵令嬢、私は元他国の王女で今はこの国の皇妃。言っている意味が分かりますか?」

そう言うと、ディアナ様は私を睨みつけながら何か言おうとしたので、すかさずリンがディアナ様を部屋から追い出します。

合図を送ったのはこの為ですわ。

「離しなさいよ!」

と叫びながら引きずられているディアナ様を眺めていると、扉の外にはメイド長が私を睨みつけながら立っているではありませんか。

なるほど、メイド長がここまで案内した、ということですわね。

候補には私の部屋を教えてないのにおかしいと思いましたわ。

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