皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

榎夜

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62話

さて、1週間が経ちましたわ。

気になることは沢山ありましたが、一応普段の生活と大して変わりもなく過ごす事が出来たので、まぁ、合格でしょう。

それに、最後の3日くらいには

「皇妃様、今日のご予定は」

と聞いてくるようになりましたし、私も

「そうね、今日は仕事が終わったら調べたいことがありますの。この国の歴史がわかる本を部屋に運んでおいてくれるかしら?」

そのようなお願い事もすることが出来るようになりましたわ。

しかも、今までは嫌々ながらの

「かしこまりました」

でしたが、最近はしっかりと挨拶と返事をしてくれるようになりましたの。

今までだと考えられない、大きな進歩ですわよね。

まぁ、私もメイド長がいるから、という理由で特別なことはしていませんし、普段通りに過ごしていたんですが、少しでもユーフェミア、という人を知ってもらえたのなら良かったですわね。

私の噂はあまりいいものがありませんし。

そう思っていると、

「皇妃様」

あら、メイド長が部屋に入ってきましたわね。

なんだか物凄く真剣な顔をしていますわ。

「どうしましたの?」

と私が尋ねると、メイド長は急に私の前に跪いて

「今までのご無礼、申し訳ございませんでした!」

そう言って地面に頭が付いてしまうくらい低く頭を下げましたわ。

あまりにも急なことでしたし、戸惑って

「ど、どうしましたの?」

私がそう尋ねると

「私、今ままで自分の目で確認などすることはなく、勝手の周りからの話だけで皇妃様のことを判断しておりました」

泣きそうになりながらメイド長はそう言いましたが、まぁ、そうでしょうね。

だって、会ったこともないのに、最初から敵対心がむき出しで来るなんて、それ以外理由が思いつきませんもの。

するとメイド長は

「ですが、今回の1週間......たった1週間だけなのに、その噂はただの噂なんだということが痛いほどによくわかりました」

なるほど.......私と関わってみて、噂がどこまで本当なのか理解した、ということですわね。

そういうことなら少し聞きたいことがありますのよね。

そう思った私は

「えっと.......気になるから聞いても良いかしら?」

と首を傾げると

「はい...........」

今までに見たことがないくらいしおらしくなったメイド長に

「私の噂、というのはどのような内容なのかしら?」

と尋ねると、少し言いづらそうにしながらも話し始めましたわ。

「まず、周りから聞いていたのは使用人に対して顎でこき使うような、とりあえず自己中だと」

「なるほど」

それはありませんわね。

というか、私の為に働いているのにそんなことをして何が楽しいのか、となりますわ。

「貴族たちから聞いていたのは自分で気に食わない人は誰であろうと容赦しないと」

「別に気に食わない人だろうと、国に害のない人なんて興味もわきませんわ」

というか、私が容赦しない人は国に害のある人たちに対してのみですわ。

あ、後は私の命を狙うような人も遠慮はしませんわよ。

だって、それで自分が死んだら元も子もありませんもの。

そして最後に

「あと令嬢から聞いたのは、体を使って皇帝のことを誑かしたと」

「そんなことはしませんわ」

大体、体を使って、という時間がどこにあったのか聞きたいですわね。

アルフレッド様とは会ったこともないのに婚約を結ばされて皇妃になっていますのよ?

私に全て論破されたメイド長は

「はい.......それはよくわかりました」

とうなだれていますわ。

でも、それがわかったなら良かったですわね。

噂は所詮、噂なだけで、実際のところはどうなのかわかりませんのよ。


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