皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

榎夜

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136話

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私とミーフィア様が応接室に行くと、もうあのバカ3人は到着していてつい

「あら?珍しいですわね」

と言ってしまいましたわ。

だって本当に珍しいんですもの。

きっとメイド長が早く行くように、と無理やり連れてきたんでしょうね。

なんて思っていると、案の定

「だってメイド長がすっごいうるさくてさぁ~」

とディアナ様がヘラヘラと笑って教えてくれましたわ。

まぁ、そのメイド長も部屋の端の方で待機しているんですけどね。

凄い形相で睨みつけていますわ。

するとディアナ様が発言したのを皮切りに、リリアン様も

「昨日も忙しかったのに酷い扱いよねぇ」

そう言って目でフェンダ様に合図を送っていますわね。

何か言ってやれ、みたいなものでしょうか?

なんだか嫌な空気ですわ。

そう思っていると、合図を受けたフェンダ様も

「朝方まで起きていた私達に配慮して欲しいですわよねぇ」

と言ってわざとらしくため息をついています。

なんでしょう?この3人って家族の中にいたら絶対厄介な3人ですわよね。

ネチネチと虐めるタイプと言いますか、一番厄介な人ですわ。

なんて思いながらも、3人にニッコリと微笑んで

「話は5分もかからないので大丈夫ですわ。終わったら移動しながら寝ていればいいだけですもの」

と言いましたわ。

まぁ、ここからそれぞれの家まで、結構時間もかかりますし、寝るには丁度いい時間ですわよね。

それに、寝ていないのは自分たちが外に遊びに行っていたからなのに、忙しかった、と。

今も体からお酒の匂いがプンプンしていますが気付いてないんでしょうかね?

なんて思っていると、ディアナ様は

「は?移動って何ですの?」

と驚いた顔をしていますわ、

他の2人も同じ意見のようで、ディアナ様の言葉に頷いていますし。

知らなくて当然ですが、私がバカなことを言っている、みたいな空気になるのは気に食わないですわよねぇ。

何か言ってあげたいところですが、まぁいいですわ。

心の中で、はぁ.......と大きなため息をついてから3人に

「今日で側室の候補期間が終わりになりましたわ。ちなみにこれは私の意思ではなくアルフレッド様の意思です」

そう言うと、

「えっ!?ってことはぁ~、側室が誰になるか決まったってことですかぁ?」

「あれ?そういえばジュリア様がいませんわねぇ」

「まぁ!もしかして、一番最初に候補から落ちたのはジュリア様でしたの~?」

ディアナ様、リリアン様、フェンダ様の順でそう言ってきましたが、明らかに目の色が変わりましたね。

まさか自分が側室になれる、と考えているわけではありませんわよね?

流石に、今までの行動を考えれば無理だ、ということくらい、誰でもわかると思うんですけどね。

まぁ、一番の強敵であるジュリア様が居なくなった、ということでそう勘違いしたんでしょう。

なんて思いながら、3人に

「そんなにテンションを上げなくても大丈夫ですわよ。この中で側室になる人なんていませんから」

そう言って微笑むと、まさかそのようなことを言われると思っていなかったのか、さっきまでのテンションは消え去って

「「「え?」」」

という間抜けな声が部屋に響き渡りました。

こんな時でも3人の声が揃っているなんて、相変わらず仲良しさんですのね。
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