皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

榎夜

文字の大きさ
180 / 314

179話

アルフレッド様とユリと一緒に、サーラ様とブリンタン侯爵、それから謎の子息様の待つ応接室へと急ぎましたわ。

はぁ......ペントミン伯爵の手紙も読むことが出来ませんでしたし、内容も物凄く気になりますが、こればかりは仕方ありません。

サーラ様とブリントン侯爵には二度とこんなことをしないでくれ、と話すしかありませんわね。

流石にアルフレッド様も

「あまりにも酷いことを言うようだったらすぐに追い出す」

と言っていたので、大きな問題はないと思いますが、本当に迷惑な話ですわよね。

これでもし、私達が2人とも対応出来なかったらどうするつもりだったんでしょう?

まぁ、とりあえずアルフレッド様が珍しく頼りになることを言っていたので、とりあえず様子見、ですわね。



応接室に到着すると、すでに3人は椅子に座っていてなんだか重たい空気が流れていましたわ。

えっと.......この中で話をしますの?

私としては物凄く遠慮したいので、アルフレッド様だけ残る、ということではダメなんでしょうか?

そう思ってアルフレッド様を見ると、私と似たようなことを思っていたみたいで、一歩後ろに後退っていましたわ。

これは.....流石に出て行く、なんて言えませんわよね。

仕方なく話し合いらしき場に参加するために、椅子の方に向かうことにしましたわ。

行きたくない、と思っている場所ですからね。

気も乗りませんし、足もなかなか進みませんが、なんとか足に力を入れて前に進んでいきますわよ。

そして3人の顔がハッキリと見えた時、アルフレッド様は再び足を止めて後ろに一歩、下がりましたわ。

しかも、顔は真っ青で。

咄嗟に

「どうしましたの?」

と尋ねると、アルフレッド様は

「な、なんでこいつがここに........」

とだけ呟いて下を向いてしまいましたが、こいつ、ですか?

多分一緒についてきた子息様のことを言っているんでしょうけど、なぜそんなにも顔色を悪くさせるほどに動揺しているんでしょう?

それに、なぜか前回会った時の自信満々、という様子だったサーラ様も顔色を悪くさせて俯いていますし、ブリントン侯爵もなんだか表情が曇っていますわ。

一方、子息様は1人だけ怒っているのか、眉間にしわを寄せて何も言わずに座っていますが.......。

本当に何がありましたの?

とりあえず、席に着かないわけにもいかないのでアルフレッド様を引っ張るような形で3人の前に向かって

「お待たせしましたわ」

とだけ言って着席したんですが、アルフレッド様だけは呆然と立ち尽くしていますわね。

子息様はなんだかアルフレッド様を睨みつけていますし。

側室にしない、という話を聞いて怒っているんでしょうか?

それとも何か他に理由があるんでしょうか?

もうわからないことばかりですわ。

そう思いながらも、座らないアルフレッド様はもう放っておくとして

「連絡の1つも無しに来客だなんて、随分と常識がありませんのね」

と言って3人に微笑みましたわ。

これで謝罪がなかったら本当に舐めていますわよね。

あなたにおすすめの小説

「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚

きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」 新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。 それもそのはず。 2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。 でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。 美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。 だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。 どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。 すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?  焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!

秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。 民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。 「おまえたちは許さない」 二度目の人生。 エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。 彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。 1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。 「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」 憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。 二人の偽りの婚約の行く末は……

嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな
恋愛
 伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。  そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。  その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。  そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。  ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。  堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

【本編完結】初恋のその先で、私は母になる

妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。 王宮で12年働き、気づけば28歳。 恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。 優しく守ろうとする彼。 けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。 揺れる想いの中で、彼女が選んだのは―― 自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。 これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。 ※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?