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13話 テオルside
しおりを挟む俺は伯爵家の長男として生まれた。
長男と言っても双子だから後継者がどうなるのか、と思っていたが、マロンが商会を作るから、と俺に譲ってくれた。
マロンはいつも俺と揉めないように行動してくれているのは知っている。
小さい時からおもちゃも取り合いもした事がなかったし、お菓子も俺が足りないと思っていたら気づいて分けてくれた。
双子だけど、兄だからマロンは気を使っているんだろうなって思っていた。
でも、それは学園に入ってそれは違うということに気付いた。
マロンは頭が良くて、俺は頭が悪かった。
マロンが俺に気を使っていたなら俺より低い成績を取るはずだ。
でも違った。
マロンは常に10位以内に入る成績、俺は下から数えた方が早い成績。
商会もどんどん大きくなっていってる中、俺は領地の勉強。
全然覚えられないし、勉強より体を動かしていた方が楽しい。
マロンの方が跡継ぎに向いている。
俺は兵士にでもなって、マロンを跡継ぎにしてもらおう。
そう考えた時もあった。
でもマロンが俺に譲ってくれたんだから頑張らなきゃ。
そう思って頑張ってきた。
婚約者だったキーファはそんな俺の気持ちをわかってくれて、いつも励まして支えてくれていた。
キーファは明るくて、いつもニコニコしていて、優しかった。
キーファの励みのおかげもあって、なんとか今までやってこれた。
そのはずなのに、アリスと出会ってから、キーファの存在がうっとおしくなってしまった。
今まで純粋にありがたいと思っていた励ましは、出来ない自分に対しての哀れみから出た言葉だ、と思うようになった。
アリスが言ってくれた言葉はストレートに心に届くのに...。
だから、婚約破棄した当初は清々しい気分だった。
アリスは婚約破棄したら俺と付き合ってくれると言っていたし、幸せな日々を送るはずだった。
それなのに、アリスはマロンを選んだ。
昨日、マロンの部屋に泊まって、今日商会に向かったということは、そういうことだろう?
マロンは今まで全てを俺に譲ってきたのに、アリスだけは絶対に譲ってくれなかった。
それだけ本気だということだろう。
だから、もう諦めようと思う。
だって、俺は兄だからな。
たまには兄らしいことをさせてくれ。
そう思ったとき、ふとキーファのことを思い出した。
確か今、父上の紹介でどこかの家のメイドをしていると言っていたな。
婚約破棄のことを謝ったら、また戻ってきてくれるだろうか?
いや...戻ってきて欲しい。
そんな思いで、机の中から便箋を取りだした。
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