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2話
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「ちょっと!まだ話は終わっていないわよ!」
という声が聞こえてきたような気がしますが、まぁ、気のせいでしょうね。
そんなことよりも、家から出て行く、なんでこんなに簡単なことが思いつかなかったんでしょう?
ここは私の家なので出て行く、という考えは全くありませんでしたが凄く良い提案ですわ。
そう思いながら部屋に入ると、専属メイドのユーリが私の部屋のベットメイキングをしていましたわ。
こんな時間にだなんて珍しいですわね。
今日は何か忙しかったのかしら?
そう思いながらベットに近付くと、私の気配に気づいたユーリが
「お、お嬢様!?」
と驚いた顔をして私を見ていますわ。
どうしたんでしょう?
私の部屋なのに入ったらまずい事でもあるのかしら?
そう思ってベットを見ると、今日学園に行く前は綺麗に整っていたはずのベットが、今はワインか何かをかけられて赤く染まっていますわ。
それに、これは.......ガラスかしら?
透明のかけらが沢山落ちていますわね。
これにはつい
「これは..........」
と言葉を失ってしまいましたわ。
するとユーリは、そんな私の様子に何を思ったのか
「す、すみません!お嬢様が来る前に気付いたら良かったんですが........」
そう言って、物凄い速さで頭を下げましたわ。
もしかして、私が怒っていると思ったんでしょうか?
別にユーリに対しては何も思っていないんですが。
強いて言うなら、怒るとしたらこれをやったあの2人のどちらかに対してなんですのよね。
なんて思いながら、本当に申し訳なさそうに謝っているユーリに
「ユーリは何も悪くありませんわ。やったのはどうせお母様かお姉様なんでしょう?」
と優しく声を掛けましたわ。
するとユーリは
「は、はい..........」
と小さな声ですが返事をしてくれましたが、ユーリにこんなにも悲しそうな顔をさせている、ということがベットを汚されたことよりも苛立ちますわね。
昔だったらこんな顔をさせることなんて絶対になかったのに....。
そう考えると、今まで溜めていた怒りも沸々と込みあげてきましたわ。
もう少し考えてからにしよう、と考えていましたが、やっぱり限界ですわね。
そう思った私は、片付けを進めようとしているユーリに
「ベットの片付けはしなくてもいいですわ。その代わり、荷造りを手伝ってちょうだい」
と声を掛けましたわ。
私がこの家から出て行ったら大変なことになることはわかっていますが、流石に我慢の限界です。
こんな家、本当に出て行きますわ。
そう改めて決心した私は、私の言葉にポカーンとしているユーリを横目にクローゼットの中から大きなキャリーバックを取り出しましたわ。
そんな私の姿に、本気だということはわかってくれたみたいですが、ユーリはまだ状況を理解できないのか
「ど、どうしたんですか?も......もしかして、家出.........」
と呟いているので
「まぁ、家出みたいなものですわね」
そう言って、適当に動きやすそうなワンピースとドレスを鞄に入れましたわ。
私が家から出る、ということは何を意味しているのか、この家の従者たちはよくわかっているので
「ですが、この家は......っ!」
と止めようとしますが、私の決意は揺らぎませんわ。
そう思いながら、改めて焦った顔をしてなんとか私を止めようとしているユーリに
「いいから。手伝ってくれるかしら?」
ハッキリと目を見てお願いをすると、諦めたのか
「.......わかりました!」
と頷いてくれましたわ。
私の存在がどれほど大きなものなのか、あの2人は身をもってわかればいいですわ!
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