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16話 義父side

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1時間後、セリスティアも一緒に、と言っていたがいなかったから仕方がない、と俺1人で王宮に向かった。

もちろん、なんて言い訳するかをしっかりと考えているからきっと大丈夫だろう。

セリスティアは風邪をひいてしまったから来れない、ということにしておくことにしたんだ。

どうせ、あの時間からセリスティアのことを探しても間に合わないからな。

だったら探すよりも仮病を使っておいた方が良いという判断だ。

まぁ、行く当てもないんだから明日には帰ってきているだろうしな。

そう思いながら陛下の待つ王宮の応接室へと向かった。

陛下は俺の姿を見るなり

「セリスティア譲と来るように、と言ったはずだが?」

そう言って眉を顰めて聞いてきたが、それほどまでにセリスティアに会いたかった、ということか?

....いや、セリスティアは陛下と関りがないから別に連れて来なくても何も問題がないだろう?

はぁ.........ま、まさか一番最初にそれを言われるとは思わなかった。

いや、だがしっかりと理由を考えたではないか。

そう思いながら、さっき考えたばかりの言い訳を頭に思い浮かべて

「そ、そのー......セリスティアは風邪をひいてしまったみたいで.........」

と少しどもってしまったが、なんとか陛下に言うことが出来た。

ふぅ.......兄上は陛下と仲が良かったらしいが、歳が違うということもあって陛下と話をする機会なんて滅多にないからな。

なんとなく、陛下から重い空気と言うか......変な圧迫感を感じるし、俺は仲良くなれないタイプの人だ。

そう考えると兄上は普段からこのような陛下と2人きりで話をしていたのか?

流石にいくら陛下と話が出来る、ということは光栄なことだがもう二度と向かい合って話はしたくないな。

なんて思っていると、陛下は俺の言葉に

「風邪........風邪か。なるほどな」

と意味深に呟くと、椅子に座るように促してきたではないか。

こ、これは正面に座っても良いんだよな?

それに、なんで陛下の横に王太子が座っているんだ?

俺は今からどんな話をすればいいんだ?

そう思いながら、なんとか

「し、失礼します........」

と呟いて、陛下と正面になるよう座ると俺が座るのを確認した陛下は早速

「さて、なぜ今日、呼び出したのかわかっているな?」

そう言って、何やら険しい顔をして俺のことを見て来たではないか。

なんで呼び出したか、だと?

そんなの俺が聞きたいことなんだが.....。

そう思いながらも、陛下からの呼び出しなんて子爵家の領地についてしか思い当たることがない、と思った俺は

「その、領地のことについて、でしょうか?」

恐る恐るだったがそう尋ねた。

すると

「それもあるが......」

と呟いた後に、はぁ.......と大きなため息をついて

「一応保護者だというのに何も知らないんだな」

何やら意味深な言葉を呟くと、今までも十分重たかった空気がより一層重たくなったのを感じた。

な、なんだ?

陛下は......怒っているのか........?

い、いや、だが陛下が怒るようなことを俺は何もしていないはずなんだが......。

本当に何のことかわからない俺は、なんとか声を絞り出して

「そ、それはどういうことなんですか.........?」

と尋ねた。

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