私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

文字の大きさ
24 / 344

23話

しおりを挟む

伯父様と伯母様のお話?が終わったのは、それから10分ほど経った後でしたわ。

いまだにニコニコして私とブレイドの顔を交互に見てくるのは気になりますが、沢山お話をしたおかげか、なんだか満足気なので、よかったですわ。

なんて思っていると、伯父様が急に真面目な表情をして、

「それで、連絡も無しにセリスティアが来るなんて余程のことがあったんだろう?何があったんだ?」

と私に聞いてきましたわ。

本当に急な切り替わりだったので、驚きましたわよ。

伯父様の言葉に、伯母様もニコニコしていた表情を切り替えて、今ではきりっとした真剣な表情をしていますし、ブレイドは......まぁ、特に変わっていませんわね。

そう思いながら、伯父様に、今までのあった出来事を説明しましたわ。

お父様の弟の嫁が、我が家に居座っていること。

メイド達も自分の専属以外には不当な扱いをし、挙句の果てに我が家のお金を好き勝手に使っていること。

私の婚約を邪魔しているだけでも相当腹立たしい事ですが、それ以外にも物を取っていくし、食事も私も分まで全て平らげてしまうこと。

3年間、誰にも言わずに我慢してきたけど、流石に限界だった、と全て話しましたわ。

.....あ、流石に夢の中にお母様が出てきた、ということは話しませんでしたわよ?

感謝された、何て言っても気のせいだと思われてしまいそうですし。

私の話を聞き終えた伯父様達は、3人とも驚いた顔をしてなにかを考え込んでいますわ。

一方、部屋の隅の方で話を聞いていたセバスは

「せ、セリスティア様......そんなにお辛い思いを........」

と目から大粒の涙を流して、手にはハンカチまで持っていましたわ。

まさか、セバスがこれほど涙もろいとは思いませんでしたわね。

年齢の問題もあるかもしれませんが......。

なんて思っていると、考え事をj終えた伯父様が

「話は分かった。セリスティアはどうしたい?」

と私に聞いてきましたわ。

まさか、どうしたい?と聞かれることは想定外だったので、

「どうしたい.....ですか?」

と聞かれたのに疑問形で返してしまいましたが、全く考えていませんでしたわね。

あの人たちと関わりたくなくて、逃げよう、と思ってはいましたが....どうしましょう?

制裁を加えたい、とかそういうことは別に思っていないんですが、やっていること自体が問題のあることなので、自然と罰は下りますわよね?

そう思っていると、私の反応に伯父様が

「そいつらを家から追い出して、もう二度と関われないようにするのが良いのか、それとも逃げて来ただけで落ち付いたら帰るのか」

と提案をしてくれましたわ。

えっと.........最初の提案だと、家から追い出す、ということですわよね?

そうなるととメイド達も戻ることが出来ますし、私も婚約を邪魔されずに済みますし、お父様達が残してくれたものが全て返ってきますわね。

それで、後者になると今までと変わらず、あの2人に搾取され続ける。

そう考えると、迷うことなんてありませんわよね。

私は伯父様に

「私としては、あの人達とはもう二度と関わりたくありませんわ。ただ、あの人たちが貴族でいる以上、関わらない、ということ自体難しいと考えています」

と思った通りのことをそのまま伝えましたわ。

出来ることなら二度と関わりたくない、というのが本音ですわ。

ただ、一応子爵家の人達ですもの。

それも難しい話ですわよね。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?

朝陽千早
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」 そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち? ――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど? 地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。 けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。 はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。 ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。 「見る目がないのは君のほうだ」 「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」 格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。 そんな姿を、もう私は振り返らない。 ――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。 一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。

BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。 だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。 女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね? けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。

処理中です...