58 / 344
57話
しおりを挟む
ブレイドの話を聞いた私は、正直伯爵に対する印象が元々悪かったのに、今では顔を見たくもないほど、苛立ちを感じていますわ。
だって、同じ姉妹なのに、比べるのもおかしい話ではありません?
しかも、どっちが跡取りになるのか、と平等な目で比べるのはわかりますわよ?
ですが伯爵は、カティ様を良く見せるためだけにリーシャ様の悪いところを必死に探して.........胸糞の悪くなる人ですわね。
なんて思っていると、ブレイドも私の思っていることが伝わってくれたのか
「本当に嫌な奴だよね。正直、あんなのが父親だ、と考えると伯爵家の2人には同情するよ」
大きくため息をつきながら吐き捨てる様にそう言いましたわ。
同情、ですか。
正直な話、私自身が最近まで良い暮らしをしていなかったので、同情してもいいのか、とは思ってしまいますけどね。
ですが、悪い話しかない伯爵と血の繋がりがある、と考えると確かに同情したくなりますわよね。
ただ、ブレイドがそこまで言うのはとても珍しような気もするんですが.....。
そう思った私は
「そう思ってしまうほど伯爵は酷いんですの?」
と聞いてしまいましたわ。
だって、表情で伝わってきますが伯爵のことを軽蔑しているような、そんな顔ですもの。
するとブレイドは、私の質問にはぁ......とため息をついてから
「まぁ....それ以外にも、お酒を飲んでパーティー会場で暴れたり、問題を起こしているからね」
と答えてくれましたわ。
これには流石に
「うわぁ.......最悪ですわね。確かにそんなのが親だったら、と考えると胃がキリキリしてしまいますわ」
と呟くと、
「といっても、子供は親を選べない、とかも言うしなぁ.......」
「そうですわねぇ.........私は両親があの2人でとても幸せでしたが、中にはそう思えない人も沢山いますのよね」
2人でそれぞれそう言うと、ほぼ同時にため息をついてしまいましたわよ。
それほどまでに色々と思うことがある、ということですわ。
特に、子供は親を選べない、という言葉に関しては、あの女にも当てはまるのでは?と考えてしまいましたのよね。
だって、もしあの女の両親がまともな人だったら、あのような見た目と正確には育たなかったんじゃないかしら?とか思ってしまいましたのよね。
まぁ、だからと言って今までやられたことを許すつもりはありませんけど。
そう思いながら、もう冷めてしまったお茶を一口含むと、それとブレイドも同じタイミングでお茶を飲んでいますわね。
なんだかこうやって見ると、仲睦まじくお茶を楽しんでいる男女、ですわ。
何も知らない人が見たら密会でもしているのか、と勘違いされてもおかしくない状況で少し複雑な心境になりますわね。
だって、勘違いされてしまったら私はブレイドの浮気相手、ということになりますもの。
そんなのはごめんですわ。
と言っても、少し離れた場所にユーリとディアが待機していますし、家に来る人なんて限られているので大丈夫だと思いますけどね。
なんて思っていると、急に温室の入り口の方から
「ブレイド様!私というものが居ながら他の令嬢とお茶だなんて.......浮気していますの!?」
という叫び声が、私達の方に響いてきましたわ。
だって、同じ姉妹なのに、比べるのもおかしい話ではありません?
しかも、どっちが跡取りになるのか、と平等な目で比べるのはわかりますわよ?
ですが伯爵は、カティ様を良く見せるためだけにリーシャ様の悪いところを必死に探して.........胸糞の悪くなる人ですわね。
なんて思っていると、ブレイドも私の思っていることが伝わってくれたのか
「本当に嫌な奴だよね。正直、あんなのが父親だ、と考えると伯爵家の2人には同情するよ」
大きくため息をつきながら吐き捨てる様にそう言いましたわ。
同情、ですか。
正直な話、私自身が最近まで良い暮らしをしていなかったので、同情してもいいのか、とは思ってしまいますけどね。
ですが、悪い話しかない伯爵と血の繋がりがある、と考えると確かに同情したくなりますわよね。
ただ、ブレイドがそこまで言うのはとても珍しような気もするんですが.....。
そう思った私は
「そう思ってしまうほど伯爵は酷いんですの?」
と聞いてしまいましたわ。
だって、表情で伝わってきますが伯爵のことを軽蔑しているような、そんな顔ですもの。
するとブレイドは、私の質問にはぁ......とため息をついてから
「まぁ....それ以外にも、お酒を飲んでパーティー会場で暴れたり、問題を起こしているからね」
と答えてくれましたわ。
これには流石に
「うわぁ.......最悪ですわね。確かにそんなのが親だったら、と考えると胃がキリキリしてしまいますわ」
と呟くと、
「といっても、子供は親を選べない、とかも言うしなぁ.......」
「そうですわねぇ.........私は両親があの2人でとても幸せでしたが、中にはそう思えない人も沢山いますのよね」
2人でそれぞれそう言うと、ほぼ同時にため息をついてしまいましたわよ。
それほどまでに色々と思うことがある、ということですわ。
特に、子供は親を選べない、という言葉に関しては、あの女にも当てはまるのでは?と考えてしまいましたのよね。
だって、もしあの女の両親がまともな人だったら、あのような見た目と正確には育たなかったんじゃないかしら?とか思ってしまいましたのよね。
まぁ、だからと言って今までやられたことを許すつもりはありませんけど。
そう思いながら、もう冷めてしまったお茶を一口含むと、それとブレイドも同じタイミングでお茶を飲んでいますわね。
なんだかこうやって見ると、仲睦まじくお茶を楽しんでいる男女、ですわ。
何も知らない人が見たら密会でもしているのか、と勘違いされてもおかしくない状況で少し複雑な心境になりますわね。
だって、勘違いされてしまったら私はブレイドの浮気相手、ということになりますもの。
そんなのはごめんですわ。
と言っても、少し離れた場所にユーリとディアが待機していますし、家に来る人なんて限られているので大丈夫だと思いますけどね。
なんて思っていると、急に温室の入り口の方から
「ブレイド様!私というものが居ながら他の令嬢とお茶だなんて.......浮気していますの!?」
という叫び声が、私達の方に響いてきましたわ。
42
あなたにおすすめの小説
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?
朝陽千早
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」
そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち?
――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど?
地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。
けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。
はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。
ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。
「見る目がないのは君のほうだ」
「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」
格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。
そんな姿を、もう私は振り返らない。
――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。
BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。
だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。
女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね?
けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる