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66話

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さて、無事にティファー様の誤解も解けた、ということで、待機してもらっていたユーリからお茶を貰って、今度は3人でお茶会を再開することになりましたわ。

といっても、ティファー様とは初めましてですし、あの人達の情報を知らないか、と聞く予定でしたが、そんな状況ではありませんしね。

何を話すべきなのか.....。

なんて思っていると、ブレイドは私がいるにも関わらず

「ところで、急に来るなんて、珍しいね。どうしたの?」

今まで聞いたこともないくらい優しい声で、ティファー様にそう話しかけましたわ。

なんですの?

今の声は。

本当に好きな人に対して、だとここまで人は変わるんでしょうかね?

なんて思いながら、私もティファー様が急に来たのはなぜか、気になっていたのでジッと見つめていると、

「えっと.......」

と言いながらチラチラと私の方に様子を窺っていますわね。

私がティファー様のことをじっと見ているせいで、変に目が合ってしまうのは本当に申し訳ないですが.......これほどまでに、私の様子を窺う、ということは何か関係があることなんでしょうか?

それとも、私に聞かれたくないような内容?

そう思った私は、ティファー様に

「もし、私がいることで話しにくい事でしたら、席を外しましょうか?」

と声をかけると、なぜか焦ったように

「い、いえ!大丈夫ですわ!」

とは否定をしてくれましたが.......なんだかやっぱり話しにくそうですわよね?

ここは私が席を外してブレイドと2人で話をした方が......。

そう思った私は2人に気付かれないように、と静かに咳を立とうとしていると、それに気付いたのかティファー様は

「そ、そのー......まぁ、ブレイド様に関する噂を耳にしまして.......」

と話始めてしまったので、出て行くタイミングを逃してしまいましたわ。

まぁ、聞いても良い話だったら別に良いんですけどね。

私も気にはなっていましたし。

なんて思いながらティファー様の話を聞いていると、どうやらここに来たのは

「クリストファー公爵家に見たこともない令嬢が出入りしている」

という噂を耳にしたから、だったそうなんですの。

しかも、その噂は時間が経つにつれて

「ティファー様を捨てて、ブレイドの新しい婚約者にするための」

とか

「愛人候補の1人」

なんて言われ始めたので、ティファー様も流石に聞いているだけではいけない、と思ったみたいですわ。

「それでティファー様も心配になって来てみたら本当に令嬢とお茶をしていて取り乱してしまいましたのね」

と苦笑しながらそう言うと

「そ、その通りですわ......本当にお騒がせいたしました........」

本当に申し訳なく思っているみたいで、ティファー様は小さくなりながらも改めて謝罪をしてくれましたわ。

ただ、私からしてみるとティファー様は本当にブレイドのことが好きなんだ、ということが伝わってきたので羨ましい、とすら思いましたけどね。

私にもそのような相手が欲しいものですわ。
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