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132話
しおりを挟むそんなことを思いながら、呆然とドレスを見ている私たちに、伯母様は
「ちなみに、レオンのはこっちよ!」
と言って、ドレスの隣にあるマネキンの布を剥ぎ取りましたわ。
すると、そこに現れたのは、私のドレスと同じものを使われたレオンハルト様の服が。
ただ、ドレスと同様にグラデージョンがかかったものではなく、ドレスの下の方に使われている深い青色になっていますわね。
多分ですがいくらお揃いの物を、と考えていても2人が全く同じ布を使ってしまうと並んだ時にくどい印象になってしまう、と考えたんでしょうね。
その考えが良かったみたいで、隣り合っているマネキンを見ただけでも、凄く素敵に感じますわ。
なんて思いながらチラッとレオンハルト様を見ると、どうやら自分の服の方は今初めて見たらしく、目を大きく見開いて驚いた顔をしていますわ。
てっきりレオンハルト様の方も皆で話し合いをしているものと思っていましたが......。
そう思って伯母様の方を見ると、どうやらレオンハルト様の反応を見て満足したようで
「レオンったら、セリスティアの方は気合を入れてデザインしたのに、自分の方は興味も何もなさそうだったのよね。だから、私と旦那様でしっかりと考えておいたわよ」
と自信満々に胸を張ってそう言いましたわね。
なるほど......つまり、レオンハルト様は自分の物は何も考えていなかったのに、私の方はしっかりと考えてくれた、と。
そう考えると、嬉しいような、照れくさいような........。
なんて思いながら何も言わずにチラッとレオンハルト様の方を見ると、多分私と同じことを思ったんでしょう。
顔を少し赤らめながら
「あ、ありがとうございます」
と伯母様にお礼を言って小さく頭を下げていましたわ。
自分のことよりも私のことを優先してくれた、ということもですが、そこまで私のことを考えてくれた、という事実がとても嬉しいですわよね。
正直、今までそのような人がいなかったので、どういう顔をしていいのかわからなくもなりますが、本当に感謝しかありませんわ。
そう思いながら、伯母様とレオンハルト様のやり取りを微笑みながら見ていると
「とりあえず、本番までのお楽しみ.....と言いたいところだが、サイズの確認があるから試着してみたらどうだ?」
と伯父様が提案してくれましたわね。
確かにしっかりとサイズも測られましたし、間違えている、ということはないでしょうけど試着はしておいた方が良いですわよね。
そう思った私は、伯父様の提案に小さく頷いていると、話を聞いていたブレイドも
「そうですね。俺もこの服を着た2人が並んでいる姿、見てみたいですし」
と言って優しく微笑みましたわ。
この服を着た私とレオンハルト様.........ですか。
ちゃんと婚約者同士のように見えるでしょうか?
なんて思いながら、マネキンを眺めているうちにも
「そうね。じゃあ、お願いしても良いかしら?セリスティアの方は私も手伝うからミリアとディアはレオンの方をお願いしても良い?」
「「「かしこまりました」」」
と横では伯母様がユーリ達に指示を出していますわね。
皆、伯母様からの指示に慣れてしまって主は誰なのか、わからなくなってきましたわ。
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