私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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153話

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そんなことを思っているうちにも、陛下が待っている応接室?に到着した.....のは良いですが、当然のようにノックをすることなくバンっ、と大きな音を立てて扉を開きましたわ。

これには流石のレオンハルト様も

「ふ、夫人?ノックくらいは常識的にしないと.....」

と言っていますが、その間にも伯母様はスタスタと部屋の中に入って行ってしまいましたわね。

まぁ、私としてはそんな伯母様の行動が面白くて、いくらでも見ていられる....というのが本音ですが.......陛下達が中に居たら怒られないんでしょうか?

私がもし、カイン様達の前でこのようなことをしたら相当怒られますし、それどころか爵位降格の可能性もありますわよ。

そう思いながら、レオンハルト様にエスコートをされて伯母様の後に続くと、まさかの

「はぁ......結構ここまで遠いのよね」

なんて言いながら、既に椅子に座っていて驚きましたわ。

だって、正面に陛下と王妃もいますのよ?

それなのに、これほどまで礼儀のなっていないことを........。

衝撃のあまり、レオンハルト様に手を引かれているのも忘れて立ち止まってしまいましたわよ。

そんな私の様子にすぐに気付いたレオンハルト様が心配そうな顔をしていましたが.......逆になぜ驚かないのか、と聞きたいですわ。

なんて思っていると、椅子に座っている伯母様が急にこっちを向いたかと思ったら

「セリスティア、レオ、早く座りなさいな」

そう言って、空いている伯母様の隣の席を指さしていますわね。

さも自分の家のような言い方をしていますが.......え?目の前に座っている人のことは見えていないんでしょうか?

それとも、実は陛下達よりも伯母様の方が上か同じくらいの立場で、挨拶のような面倒事は必要ない、ということになったとか?

......いやいや、陛下よりも上の立場なんてあり得ませんし、同等の、とか言われても納得できませんわよね。

本当に何が起こっているのか、状況も把握できませんわ。

そう思いながら、レオンハルト様と2人、陛下達の近くに行くと、伯母様は用意されたお茶を早速飲んでいますわね。

その様子を王妃はニコニコしながら眺めていますし、陛下も慣れているのか全く気にする気配がないですわ。

ですが、私としてはこのまま挨拶もなく座るわけにはいかない、と思って一応

「お、伯母様?もう少し、こう.......挨拶のようなものは.....」

と尋ねると

「そんなの気にしなくていいのよ」

「あぁ、いつものことだし大丈夫だ。2人も挨拶は良いから座ってくれ」

伯母様も陛下も当然のようにそう言って椅子を勧めてくれましたが、いつものことって......。

ま、まぁ......陛下が良いというなら構いませんが.......もしかして、この国の陛下は相当心の広い人、とかなんですの?

そうじゃなかったら、この状況が理解出来ませんわよ?

なんて思いながらも、とりあえず勧められた椅子に腰をかけましたわ。

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