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168話
しおりを挟むこうして迎えたパーティー当日。
私は、というとしっかりと用意されたドレスを着て準備万端の状態でレオンハルト様と一緒に馬車の中で待機をしていますわ。
というのも、まだ会場に入場するのには早い、ということで、まだ外に出ることが出来ないんですのよね。
なので、この国の令嬢たちとは顔を合わせていませんし、外を見ても誰もいないので、どのような令嬢がいるのか、も把握できていませんわ。
まぁ、とにかく何も問題なく終わって欲しい、というのが一番の願いなんですけどね。
そう思いながら、ボーっと窓の外を眺めていると
「どうしたの?」
と心配そうな顔をしたレオンハルト様に声をかけられましたわ。
正面に座っているので、当然ですが私がどのような顔をしているのか見えますわよね。
なので、変な....と言いますか、不安そうな顔をしていたらレオンハルト様も気になってしまいますわよね。
そう思いながら、レオンハルト様の質問に苦笑しながら
「いや......どのような令嬢がいるのか、と思いまして」
と言って、外に止まっている馬車に視線を向けると、納得したような顔で
「あぁ......」
と呟きましたわね。
なるべく緊張しないように、と考えないようにしては居ますが、どうしても気になりますのよね。
なんて思いながら、レオンハルト様にバレないようにため息をつくと、
「当然だけど、見た目は至って普通だよ。ただ、話をするとちょっと変わっているというか........暴走したら手が付けられなくなってしまう、という感じかな」
そう言ったレオンハルト様は暴走してしまった令嬢の相手をしたことがあるのか、複雑そうな顔をして苦笑していますわね。
手が付けられなくなる、ですか.......。
そのような令嬢の姿は見たこともないので
「そ、そうなんですのね」
としか答えることが出来ませんが、何も全員が同じような令嬢なわけありませんものね。
中には少し危ない人....というか、手が付けられないような令嬢がいる、というだけで。
なんて思っていると、レオンハルト様は
「とりあえずは、あちら側から絡んでこないのであれば挨拶に行くべきところに行って、他は放置で良いと思っているけど........」
そう言ってくれていますが、何が起こるかわからないので、どこか不安そうな顔をしていますわね。
とにかく、必要なところにだけ行く、というのは賛成ですわ。
無意味な行動をすればするするほど、厄介事に絡まれてしまう可能性が上がりますもの。
なので、レオンハルト様の言葉に
「えぇ、私もそれが一番いいと思いますわ」
と頷くと、馬車の扉をコンコンとノックする音が聞こえてきましたわね。
これには咄嗟に
「あら?もう皆外に出ているのかしら?」
と言って扉に手をかけようとしましたが
「いや........まだ外に出るには早い時間だけど........」
というレオンハルト様の言葉を聞いて、扉を開けるのを躊躇しましたわ。
てっきり時間になったら呼びに来てくれるのか、と思っていましたが、どうやらレオンハルト様の様子を見ると違うみたいですし.......。
だとすると一体誰が馬車の扉をノックしていますの?
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