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198話
しおりを挟むアーリナ様の反応は少し意外ですが......あぁ、もしかしたらレオンハルト様の婚約者が家庭教師だ、なんて知られたら色々と厄介なことがあるので、あえて言っていなかった可能性もありますわね。
なんとなくですが、リーシャ様と違ってカティ様の方はずる賢いところがありますし.......。
なんて思っていると、都合の悪そうな顔をしたカティ様が私のことをキッと睨んだかと思うと
「知り合いな訳がありません。私たちのレオンハルト様を誑かすような人、関わりたくもないです」
冷たくそう言ってきましたわね。
まさか、このような扱いをされるとは思ってもいなかったので一瞬何を言われたのか理解ができませんでしたが、それよりも
「私たちの......」
という言葉に驚いて思わず呟いてしまいましたわ。
だって、私たちの....と言ってきた、ということはやっぱりカティ様もレオンハルト様のことが好きで、だからこそ、レオンハルト様の婚約者が私だと気付いた時に訳のわからないことを言ってきた、ということですわよね。
今までは信じたくない、という思いで気のせいだと思ってきましたが、流石にここまでハッキリと言われると確信に変わってしまいますわ。
なんて思っていると、今の言葉で何かが吹っ切れたのか
「急に現れたかと思ったらレオンハルト様の婚約者になって....しかも、アーリナ様に喧嘩を売るなんてもっての外ですわ!」
ピシッと私のことを指さしてそう言うカティ様は、完全に私のことを敵視していますわね。
さっきまでは、やっぱり気まずさというものがあったのか、遠慮をしているように見えましたが今では自分の思っていることをそのまま私に言ってきた、という感じがしますわ。
まぁ、それは嬉しい事なので良いんですけど......。
カティ様が私に対して強く言っているのを聞いて一緒にいた取り巻きの人達が何を思ったのか
「それに、さっきまで第二王子も一緒にいましたわよね」
「やだ、ということはレオンハルト様だけではなく第二王子にまで手を出しましたの?」
「隣国ではこのような事が当たり前なんでしょうか?ありえない行動ですわ」
と私のことを嘲笑しながら、ひそひそと.....ですが私にしっかりと聞こえる声の大きさで話をし始めましたわね。
はぁ.....まぁ、ジャミン様と一緒にいる時点で何かしら言われることはわかっていましたわ。
ただ、令嬢たちがこれほどまでに楽しそうな顔をしながら第二王子に手を出した、なんて勝手に想像で話をするなんて.......品がないといいますか、何と言いますか.......。
正直呆れてしまいますわね。
心の中で小さくため息をつきながら、私に対してひそひそと話をしている令嬢に順番に視線を送ると
「な、なんですの?」
と都合の悪そうな顔をしながら一歩後ろに下がりましたわね。
全く.....そのような反応をするのであれば、最初から私に対して喧嘩を売って来なければいいのに。
なんて思いながら、アーリナ様に向き直ってこう言いましたわ。
「あら?この国では1人の令嬢に対して、こんなに大人数で喧嘩を売ってくるのが当たり前、ということですの?」
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