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202話
しおりを挟む緊張しながらも、シャリア様がなぜ私に話しかけてくれたのかドキドキしながら様子を窺っていると、そんな私に気付いたのか
「どうしましたの?」
と質問されましたわ。
不思議そうな顔をして私の顔を覗き込んできましたが、そんな顔も凄く綺麗で女の私でも思わず見惚れてしまいますわね。
そう考えると余計になぜこのような完璧な令嬢が私なんかに話しかけてくれたのか、理解ができませんわ。
なんて思いながら、不思議そうに首を傾げているシャリア様に
「い、いや......なぜ私に話しかけてくれたのか、と思いまして......」
恐る恐るそう質問をすると、一瞬キョトンとした顔をしたシャリア様でしたが、すぐに顔を少し赤らめましたわね。
......って、顔を赤らめる!?
な、なぜですの!?
思わずシャリア様の反応に驚いて体を強張らせてしまいましたが、シャリア様の次の言葉で、一気に肩の力が抜けましたわ。
「まぁ、なんて言えばいいんでしょう........純粋に仲良くなりたいと思ったから、でしょうか?」
そう言ったときのシャリア様の顔が、物凄く可愛らし.......って、なんだか私の恋愛対象が女性だと勘違いされてしまいそうですわね。
当然ですが、私の恋愛対象は男性ですわよ?
なんて思いながらもシャリア様の申し出は私にとって本当に嬉しいものだったので
「わ、私と.....ですか?」
と聞き返すように呟いてしまいましたわ。
だって、この国で私は全く歓迎されていないものだと思っていたのに、シャリア様は私と友人になりたいって言ってくれているんですのよ?
そんなの嬉しいに決まっているではありませんか。
ですが、なかなか頷かない私にシャリア様は勘違いしてしまったみたいで
「やっぱり嫌ですわよね?この国の令嬢たちに対して良い印象を持っていないでしょうし.......わ、忘れてくださいませ!」
そう言うと、私に背中を向けてどこかに歩いて行こうとしたので、咄嗟に
「い、いえ!すっごく嬉しいですわ!」
と大きな声を出してしまいましたわ。
するとシャリア様は恐る恐るという様子で私に向きを変えて
「ほ、本当ですの?」
と顔を少し赤くしたまま聞いてきましたわね。
気のせいかもしれませんが、目には少し涙が溜まっているような気がしますわ。
もしかして......結構勇気を振り絞って私に話しかけてくれたんでしょうか?
そうだとしたら、いや、そうじゃなくても友人になりたいと言われて断る理由なんて1つもありませんわ。
なんて思いながら、不安そうな顔をしているシャリア様に
「この国に来てから友人と呼べる人が居なくて寂しかったんですの。もし、シャリア様がよかったら私と友人になって欲しいです」
そう言ってニッコリと微笑むと、不安そうにしていた顔が一変して、パァっと明るい笑みを私に向けてくれましたわ。
なんだか、最初の時と随分印象が違うような気がしますが......もしかして、こっちが本性なんでしょうか?
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