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204話
しおりを挟む周りから多少の視線を感じましたが、シャリア様と話をしていると令嬢たちは何も言えないらしく、凄く静かになりましたわね。
正直、私としては物凄く嬉しいですわ。
友人も出来て、令嬢たちからも何も言われない、って........完璧じゃないですか。
しかも、シャリア様とは既に2人でお話をして数分が経過しましたが、聞き上手ですしお話も凄く興味深いものが多いんですの。
初めましてなので、話題に困るかも、と思っていましたが、シャリア様のおかげで凄く楽しく、話も途切れることなく時間だけが経過している状況ですわ。
なんて思っていると
「ごめんね、随分と長い時間待たせてしまって.......」
という聞き覚えのある声が聞こえてきましたわね。
反射的にパッと声のした方を見ると、私の想像通りそこには少し疲れた顔をしたレオンハルト様が立っていましたが、私の隣にいるシャリア様の姿を確認するなり
「シャリア嬢!?な、なぜ2人が一緒に?」
目を大きく見開いて驚いた顔をしていますわ。
この反応を見ると私とシャリア様が一緒にいることが想定外だったんでしょうね。
あぁ、もちろん私もレオンハルト様達を待っている間に友人が出来るとは思ってもいませんでしたわ。
ただ、なんとなくですが、令嬢たちもシャリア様を恐れているみたいですし、レオンハルト様もこの反応........。
私からすると、とても優しくて素敵な令嬢だと思っているんですが何があったんでしょう?
なんて思っているとシャリア様はニッコリと素敵な笑みをレオンハルト様に向けながら
「私たち、友人になりましたのよ」
と私の腕に、自分の腕を絡みつけながらそう言いましたわね。
そんな私たちを見て、レオンハルト様は
「友人、ですか.......はぁ......そ、それはよかったですが.......」
となんとも煮え切らないような返事をしていますわ。
うーん....せっかくこの国の令嬢となかよくなったというのに、レオンハルト様の反応を見ると、複雑な気分になりますわね。
もしかして、1人で孤立していた方が良かったんでしょうか?
それとも、シャリア様と仲良くなってしまったのが悪かった、とかでしょうか?
なんて思っていると、この場の空気があまりよくない、ということを察したのか、シャリア様はスッと絡めていた腕を私から離すと
「レオンハルト様達も戻ってきましたし、私も自分のいるべき場所に戻りますわ。セリスティア様、また今度ゆっくり話をしましょう」
そう言って、ニッコリと微笑んだ後にその場を後にしましたわ。
この一連の動きだけでもとても優雅で、見惚れてしまうくらい綺麗な動きだったので、思わず息をのんでしまいましたわよ。
ですが、レオンハルト様はまだ複雑そうな顔をして、シャリア様の背中を見送っていますわね。
うーん......一体どうしたんでしょうか?
と、とりあえず、シャリア様と話をしている間に少しずつ会場の真ん中の方に移動してしまっていたので、もう少し目立たない場所に移動をした方が良いですわね。
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