240 / 344
240話
しおりを挟む
手持ち無沙汰なままユーリ達を眺めていること30分が経過しましたわ。
椅子に座ってずっとキョロキョロとしているだけではありますが、絶対にうっとおしいですわよね。
うーん......せっかくですし、どこかに行ってきてもいいでしょうか?
そう思った私は、とりあえず、ずっと座っていた椅子から立ち上がって部屋の扉の方に向おうとしましたわ。
すると、それとほぼ同時くらいでしょうか?
「セリスティア!お客様よ!」
急に部屋の扉がバンっと大きな音を立てて開いたかと思ったら伯母様が中に入ってきましたわ。
今日も物凄く機嫌が良さそうですが.......
「お客様?」
と驚いてしまいましたわよ。
だって、今日は国を出る1日前、ということでレオンハルト様もシャリア様も遊びに来ない、と聞いていましたもの。
というのも、荷物を詰めたり明日のことについて話したり、で忙しいだろうし、長い道のりなので出発前にゆっくりと体を休めて欲しい、と言ってくれましたのよね。
私に気を遣ってのことですが、当日になると想像していた以上に暇になって困っていたのでお客様はありがたいですわ。
ただ、レオンハルト様でもシャリア様でもない、となると一体誰が.......。
そう思いながら伯母様に連れられて応接室の中に入ると、
「セリスティア様!」
という聞き慣れた声が聞こえてきて驚きましたわ。
だって、まさか彼女が来るとは思ってもいませんでしたし、意外....と言ったら失礼かもしれませんがそんなことをする人だと思っていませんでしたもの。
あぁ、もちろん最後にゆっくりと話をしたいと思っていたので本当に嬉しいですわよ?
なんて思いながら、
「り、リーシャ様!?どうしましたの!?」
椅子に座るリーシャ様に駆け寄ると、少し申し訳なさそうに目を伏せながら
「明日国に帰る、とのことだったので、忙しいかとは思ったんですがお邪魔させてもらいました」
と言ってペコっと頭を下げましたわ。
そんな私とリーシャ様を見て、伯母様は
「私は席を外すから2人でゆっくりと話したらいいわ。授業ではないから色々と話をしてあげなさいな」
とだけ言うとすぐに応接室を後にしましたわね。
もしかして、わざわざ私をここに連れてくるためだけに仕事を中断してくれましたの?
そうだとしたらありがたいですが.......多少の申し訳なさもありますわね。
ただ、伯母様の言う通り今までリーシャ様とは勉強やマナーの話しかしませんでしたからね。
この国の令嬢の中では一番話をした回数が多いですし、仲悪くもないと思いますが、どうしても少し距離がありますのよね。
なので、今回このような機会を設けてもらって本当に嬉しいですわ。
とりあえずリーシャ様の正面の椅子に座った私は、ジッとリーシャ様の顔を見つめましたわ。
そんな私の行動にリーシャ様は驚いて、警戒したような顔をしていましたが、すぐに恥ずかしそうに斜め下を向いてしまいましたわね。
まぁ、そんなリーシャ様の行動も見慣れたものですわね。
椅子に座ってずっとキョロキョロとしているだけではありますが、絶対にうっとおしいですわよね。
うーん......せっかくですし、どこかに行ってきてもいいでしょうか?
そう思った私は、とりあえず、ずっと座っていた椅子から立ち上がって部屋の扉の方に向おうとしましたわ。
すると、それとほぼ同時くらいでしょうか?
「セリスティア!お客様よ!」
急に部屋の扉がバンっと大きな音を立てて開いたかと思ったら伯母様が中に入ってきましたわ。
今日も物凄く機嫌が良さそうですが.......
「お客様?」
と驚いてしまいましたわよ。
だって、今日は国を出る1日前、ということでレオンハルト様もシャリア様も遊びに来ない、と聞いていましたもの。
というのも、荷物を詰めたり明日のことについて話したり、で忙しいだろうし、長い道のりなので出発前にゆっくりと体を休めて欲しい、と言ってくれましたのよね。
私に気を遣ってのことですが、当日になると想像していた以上に暇になって困っていたのでお客様はありがたいですわ。
ただ、レオンハルト様でもシャリア様でもない、となると一体誰が.......。
そう思いながら伯母様に連れられて応接室の中に入ると、
「セリスティア様!」
という聞き慣れた声が聞こえてきて驚きましたわ。
だって、まさか彼女が来るとは思ってもいませんでしたし、意外....と言ったら失礼かもしれませんがそんなことをする人だと思っていませんでしたもの。
あぁ、もちろん最後にゆっくりと話をしたいと思っていたので本当に嬉しいですわよ?
なんて思いながら、
「り、リーシャ様!?どうしましたの!?」
椅子に座るリーシャ様に駆け寄ると、少し申し訳なさそうに目を伏せながら
「明日国に帰る、とのことだったので、忙しいかとは思ったんですがお邪魔させてもらいました」
と言ってペコっと頭を下げましたわ。
そんな私とリーシャ様を見て、伯母様は
「私は席を外すから2人でゆっくりと話したらいいわ。授業ではないから色々と話をしてあげなさいな」
とだけ言うとすぐに応接室を後にしましたわね。
もしかして、わざわざ私をここに連れてくるためだけに仕事を中断してくれましたの?
そうだとしたらありがたいですが.......多少の申し訳なさもありますわね。
ただ、伯母様の言う通り今までリーシャ様とは勉強やマナーの話しかしませんでしたからね。
この国の令嬢の中では一番話をした回数が多いですし、仲悪くもないと思いますが、どうしても少し距離がありますのよね。
なので、今回このような機会を設けてもらって本当に嬉しいですわ。
とりあえずリーシャ様の正面の椅子に座った私は、ジッとリーシャ様の顔を見つめましたわ。
そんな私の行動にリーシャ様は驚いて、警戒したような顔をしていましたが、すぐに恥ずかしそうに斜め下を向いてしまいましたわね。
まぁ、そんなリーシャ様の行動も見慣れたものですわね。
26
あなたにおすすめの小説
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?
朝陽千早
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」
そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち?
――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど?
地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。
けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。
はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。
ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。
「見る目がないのは君のほうだ」
「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」
格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。
そんな姿を、もう私は振り返らない。
――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。
BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。
だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。
女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね?
けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる