私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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247話 義父side

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何よりも、離婚の話をされてユーミアなりに自分の行動を改めてくれたら俺だって様子を見ようとしたかもしれない。

だが、ユーミアは何を思ったのか以前よりも激しく男遊びをするようになり、ここ最近は毎日のように平民達から苦情がきていたんだ。

そんな相手と結婚生活を続けたい、なんて考えになると思うか?

そう思いながら、動揺が隠しきれいていないユーミアに対して

「当たり前だ。今日までの間に離婚の準備も終わっているし、これ以上お前と夫婦でいたいと思えない」

今までにないくらいハッキリとした口調で、しっかりと目を見てそう言った。

すると、流石のユーミアも俺の意志が固いことを察したんだろうな。

「ふんっ!そうやって強気でいるけど貴族としてしか生きたことがないくせに何が出来るって言うのよ」

まるでバカにするかのようにそう言ってきたから、俺は思わず笑ってしまった。

だって、それを言ったらユーミアだって今まで両親に甘やかされて、自分が継いだ領地だってまともに管理が出来ず俺がやっていたという無能だぞ?

口だけ立派でそれ以外何も長所がないのに、なぜそこまで威張ることが出来るんだ。

そう思いながら、ユーミアを眺めていると、俺が考え直してくれた、とでも思ったんだろうな。

得意げにフンっと鼻で笑ったかと思ったら

「ほら、今謝ったら許してあげるんだからさっさと謝りなさい」

そう言って、チラッと床を見たのがわかった。

まぁ、つまり謝罪をするとしたら床に頭をつけろ、ということなんだろうな。

当然だが俺はユーミアに謝罪することは1つもないし、

「既に働く場所は決まっているし、家も確保できている。お前のような奴と生涯を共にするくらいなら、ずっと1人でいた方が何倍もマシだ」

そう言うと、ユーミアは驚いたように目を大きく見開いて固まってしまった。

はぁ.......自分の方が上だと思っていたのに、下から嚙みつかれて頭が追い付いていないんだろう。

本当に......いくら親同士が決めた婚約とはいえ、こんなのと夫婦だったのが恥ずかしくて仕方がない。

そう思いながら、固まって動かなくなってしまったユーミアに対して、俺は最後の温情を与えてみることにした。

というのも、さっきから俺に謝罪を求めているが本当に謝らなければいけないのは俺ではなくユーミアの方だろう?

別に床に頭を付けろ、とは言わないが......。

なんて思いながら驚いた顔から状況を理解して、悔しそうな顔に変わっていっているユーミアに対して

「お前の方こそ、俺が何も言わないからと好き勝手やっているみたいだが、謝罪の1つもないのか?」

さっき俺に言ってきた時のような、少し小馬鹿にした感じでそう言った。

これで素直に謝罪をしてくれたのであれば、俺は離婚を考え直すし、再びこの領地の為に必死に働く。

まぁ、温情とは言ったものの、どうなるのか想像はできるけどな。

だがほんの少しだけ、希望というか....自分の立場と状況を理解することが出来たら、ここでどのような行動をとるべきなのかわかるだろうな。

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