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26話
しおりを挟む私が陛下達に伝えた内容というのは、婚約破棄を言い渡される時に隣に女性を連れていた、ということ、そして金食い虫、田舎者、と罵られたこと。
そして最後に、我が家はバジューリアー王国に必要ない、とハッキリ言われたことを伝えましたの。
すると陛下は物凄く鋭い目をして
「フージュリン辺境たちが金食い虫だ、だと?」
と呟いたのを聞いて、少し焦りましたわ。
だ、だって、今まで見たこともないくらい鋭い視線をしていたんですもの。
いくら戦いの場に出ていても急な殺気は驚きますわ。
なんて思っていると、陛下の言葉にカイロス様は
「何を知っていて、そのような発言が出来るのか......逆に興味がありますけどね」
にこやかにそう言っていますが、目は完全に笑っていませんわ。
こ、これは完全に怒っていますわね.......。
そう思って意外にも何も反応をしないディーヴァンに助けを求める様に視線を送ると、どこを見ているのかはわかりませんが、ただただ一点を見つめて呆然と動かなくなってしまっていましたわ。
え、えーっと?
ディーヴァンに関しては何が起こっているのか理解が出来ないんですが.......。
と、とりあえず
「フレグリッド様曰く、我が家の遠征で使う費用があまりにも高すぎる、とのことですのよね。他の家と比べたら3分の1くらいしか使っていませんのに、失礼な話ですわよね」
そう言って苦笑すると、私の言葉にカイロス様が
「いやいや......確かにそれもそうだけど、田舎者についても怒って良いと思うんだけどね」
と言って、さっきの怖い笑みではなくいつも通りの笑みに戻っていましたわ。
はぁ.....とりあえず多少、怒りは収まった、ということで安心ですわね。
まさかカイロス様がここまで怒ってくれるとは思ってもいなかったので少し驚きましたが、自分のことのように怒ってくれてなんだか嬉しいですわ。
なんて思っていると、
「とりあえず婚約破棄の原因はわかった。そのようなことを、しかも王太子が言っているなら確かに独立を考えるのもおかしくはないな」
そう言った陛下も少し時間があったおかげで冷静になれたんでしょう。
さっきの怒りはしっかりと収まったらしいですわ。
この2人は怒りやすいんですが、その怒りを抑えるのも上手なんですのよね。
私にはなかなか出来ないことなので、凄く尊敬しますわ。
なんて思いながら、2人に
「まぁ、お父様達は元々独立するつもりだったみたいですが、私を人質のように取られていたせいで、それは叶わなかったらしいですわ」
と言って苦笑すると、陛下が複雑そうな表情で
「そうだったのか..........」
と呟きましたわね。
その後に、何かを考え込むように顎に手を当てていますが......何か思うことがあったんでしょうか?
思わず、陛下の行動に首を傾げている私に、カイロス様は
「アリスティア嬢はフレグリッド殿に未練のようなものはないの?」
と聞いてきましたが
「未練ですか.........」
そう呟いたものの、元々嫌いだったこともあって、全くないんですのよね。
なので、心配そうな顔をしているカイロス様に
「全くありませんわね。むしろ婚約破棄してくれて感謝ですわ」
満面の笑みでそう答えましたわ。
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