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77話 国王side
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アリスティア嬢とフレグリッドが勝手に婚約破棄を決めてから1週間が経過した。
今でもフレグリッドは自室で待機をさせているし、他の騒ぎを起こした子息令嬢たちも同様、家から出ないように、と指示を出している。
.......が、当然問題を起こした奴らを自宅待機にしても国の状況は全く何も変わらない。
「おい!辺境伯から手紙の返事は届いたのか!?」
日々の激務に加えて、余計な仕事が増えて苛立っている中、宰相にそう尋ねると
「少々お待ちください」
儂の苛立ちを気付いていないのか、それとも意図的に無視をしているのか普段と全く変わらない様子の宰相が俺の机の上にある書類の中から手紙を探し始めたではないか。
もちろん、このようなことをされてしまうと待っている間、何も出来ないし、言ってしまえば邪魔だ。
なのにこのような行動をとってくるなんて......普段は特に何も感じないが、苛立っているからこそこんな小さなことでも打ち首にしてしまいたいくらいに思えてしまうな。
なんて思っていると、机から手紙を探し出した宰相は
「先ほど渡した手紙の束の中に入っていますね」
そう言うと、10通ほどの手紙の中から1枚の封筒を取り出して、俺の前にスッと出してきた。
その手紙を儂は急いで開けて内容を確認したんだが.........読み終わってすぐにその手紙を握りつぶしてしまった。
だって、手紙の内容が
「くそっ.......この儂からの提案を断るだと......?」
そう、せっかくあのバカではなく他の王子との婚約を提案したのに、なんと辺境伯はそれを断ってきたではないか。
正直、提案した第二王子も第三王子も、アリスティア嬢より都市は下だが、フレグリッドと比べたら相当出来の良い2人だ。
ただフレグリッドは第一王子だし、婚約者がアリスティア嬢だから、と王太子にしていただけなのに、それがこのような結果になってしまうとは.......。
婚約の話が断られてしまうと、あの家の独立を止める方法が全く思いつかない今、一体どうするべきか......。
机の上にある書類を呆然と眺めながら、どうにかいい方法がないか、と悩んでいる儂に追い打ちをかけるかのように
「どうしましょうか、陛下......既に南と東の辺境からは兵士たちが我が国に向けて進軍してきていると報告を受けています」
宰相が手に持っている手帳を見ながらそう言ってきたが、
「どうする、と言われても.....どうも出来ないだろう。とりあえず辺境には兵士たちを配置しておくように指示を出しておけ」
と指示を出すことしか儂には出来ん。
既に進軍している、ということは、この国から竜騎士が居なくなった、という情報を掴んだんだろうな。
ここまで早く他国に伝わってしまうとは思わなかったが........やはり国の領地を広げるために周りも必死になっている、ということだな。
そう思いながら大きくため息をついていると、儂の指示に
「ですが、そんなことをしたら物資の調達が出来なくなってしまいます」
宰相は焦ったような顔でそう言ってきたではないか。
問題は山積みだ、ということだな。
今でもフレグリッドは自室で待機をさせているし、他の騒ぎを起こした子息令嬢たちも同様、家から出ないように、と指示を出している。
.......が、当然問題を起こした奴らを自宅待機にしても国の状況は全く何も変わらない。
「おい!辺境伯から手紙の返事は届いたのか!?」
日々の激務に加えて、余計な仕事が増えて苛立っている中、宰相にそう尋ねると
「少々お待ちください」
儂の苛立ちを気付いていないのか、それとも意図的に無視をしているのか普段と全く変わらない様子の宰相が俺の机の上にある書類の中から手紙を探し始めたではないか。
もちろん、このようなことをされてしまうと待っている間、何も出来ないし、言ってしまえば邪魔だ。
なのにこのような行動をとってくるなんて......普段は特に何も感じないが、苛立っているからこそこんな小さなことでも打ち首にしてしまいたいくらいに思えてしまうな。
なんて思っていると、机から手紙を探し出した宰相は
「先ほど渡した手紙の束の中に入っていますね」
そう言うと、10通ほどの手紙の中から1枚の封筒を取り出して、俺の前にスッと出してきた。
その手紙を儂は急いで開けて内容を確認したんだが.........読み終わってすぐにその手紙を握りつぶしてしまった。
だって、手紙の内容が
「くそっ.......この儂からの提案を断るだと......?」
そう、せっかくあのバカではなく他の王子との婚約を提案したのに、なんと辺境伯はそれを断ってきたではないか。
正直、提案した第二王子も第三王子も、アリスティア嬢より都市は下だが、フレグリッドと比べたら相当出来の良い2人だ。
ただフレグリッドは第一王子だし、婚約者がアリスティア嬢だから、と王太子にしていただけなのに、それがこのような結果になってしまうとは.......。
婚約の話が断られてしまうと、あの家の独立を止める方法が全く思いつかない今、一体どうするべきか......。
机の上にある書類を呆然と眺めながら、どうにかいい方法がないか、と悩んでいる儂に追い打ちをかけるかのように
「どうしましょうか、陛下......既に南と東の辺境からは兵士たちが我が国に向けて進軍してきていると報告を受けています」
宰相が手に持っている手帳を見ながらそう言ってきたが、
「どうする、と言われても.....どうも出来ないだろう。とりあえず辺境には兵士たちを配置しておくように指示を出しておけ」
と指示を出すことしか儂には出来ん。
既に進軍している、ということは、この国から竜騎士が居なくなった、という情報を掴んだんだろうな。
ここまで早く他国に伝わってしまうとは思わなかったが........やはり国の領地を広げるために周りも必死になっている、ということだな。
そう思いながら大きくため息をついていると、儂の指示に
「ですが、そんなことをしたら物資の調達が出来なくなってしまいます」
宰相は焦ったような顔でそう言ってきたではないか。
問題は山積みだ、ということだな。
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