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83話 フレグリッドside
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きっと、執務室の中の辺境伯たちは、俺がこの話を聞きながら、心の中で父上のことを責め続けているなんて思ってもいないだろうな。
まぁ、辺境の戦いが多い土地にいるにも関わらず、俺が盗み聞きしているのに気付いていない時点で、こいつらは大したことがないんだ。
つまり、父上がここまで必死に引き留めているのも無駄だし、全く意味のないことをしている。
それに気付くことが出来ないなんて、父上もバカだよな。
なんて思っていると、
「な、なら何でも好きな物をやろう。金か?宝石か?それとも兵士か?」
という声が聞こえてきて、反射的に執務室の中を覗いてしまった。
本当は中の様子を見るつもりなんてなかったし、話を聞いてバレないように立ち去ろう、くらいで考えていたんだが、あまりにも必死な父上の声と、そして重たい圧力をかけている辺境伯のことが気になって、のことなんだが....。
別に、何でも好きなものを送る、という話に食いついたわけではないぞ。
なんて思いながらそっと中を覗き込むと、なんと、そこには辺境伯らしき男たちが3人、椅子に座っているんだが、父上は床の上で這いつくばるような形で座っているではないか。
仮にも国の王なのに.....なぜこいつらにここまでして.......。
そう思った俺は、何を思ったのか宰相の方をチラッと見ると、どうやら宰相は俺が話しを聞いていることを知っているようで、俺のことをジッと見つめてきた。
まるで、邪魔をするな、とでも言われているような気分だ。
まぁ、元々邪魔なんてするつもりがなかったが、そうやって視線を向けられると少し思うことがあるというか.....。
なんて思っていると、
「そんなの貰っても何になるんですか?また金食い虫だ、と貴族たちに言われるだけですよ」
辺境伯の中でも一番若い男性が笑いながらそう言うと、父上の方がビクッと大きく揺れたのがわかった。
この言葉.....俺があのパーティーでアリスティアに発した言葉だ。
まさか辺境伯たちは本当にあのパーティーでの発言を全て知っていて、それが原因でこのようなことを?
そう思った俺は、なんだか急に申し訳なくなってきて下を向きながら耳だけ会話に意識を集中させた。
すると、その時辺境伯の中でも一番年上らしき、髭の生えた老人が
「まぁまぁ、だったら1つ儂の我儘を聞いてもらおうかのう」
というと、父上の顔がパァっと明るくなったが、次の言葉でせっかく明るくなった顔が、一気に強張った。
「あのパーティーでアリスティア嬢をバカにしていた子息令嬢を辺境で兵士として送ってもらおうか」
「それは.........」
バカにしていた子息令嬢、ということは俺を含めた奴らということだろう?
い、いやいやいや........辺境に俺たちが行ったところで何になるというんだ。
自分で言うものなんだが、本当に役に立たないだろうし、邪魔になるだけだ。
それに、剣術は別に問題はないが、田舎で暮らさないといけないということだろう?
そんなのは絶対に嫌だ。
そう思った俺は、執務室の外から必死にこの願いが通らないよう祈った。
「なんだ?なんでも儂にくれるんじゃろう?さっきの発言は嘘だったということか?」
「いい我儘ですね。私も同じものを頼んでいいですか?」
「確かにな。こっちも2人と同じく、だ」
という3人の辺境伯から圧をかけられているが、父上ならきっと実の息子を差し出すようなことはしないはずだ。
まぁ、辺境の戦いが多い土地にいるにも関わらず、俺が盗み聞きしているのに気付いていない時点で、こいつらは大したことがないんだ。
つまり、父上がここまで必死に引き留めているのも無駄だし、全く意味のないことをしている。
それに気付くことが出来ないなんて、父上もバカだよな。
なんて思っていると、
「な、なら何でも好きな物をやろう。金か?宝石か?それとも兵士か?」
という声が聞こえてきて、反射的に執務室の中を覗いてしまった。
本当は中の様子を見るつもりなんてなかったし、話を聞いてバレないように立ち去ろう、くらいで考えていたんだが、あまりにも必死な父上の声と、そして重たい圧力をかけている辺境伯のことが気になって、のことなんだが....。
別に、何でも好きなものを送る、という話に食いついたわけではないぞ。
なんて思いながらそっと中を覗き込むと、なんと、そこには辺境伯らしき男たちが3人、椅子に座っているんだが、父上は床の上で這いつくばるような形で座っているではないか。
仮にも国の王なのに.....なぜこいつらにここまでして.......。
そう思った俺は、何を思ったのか宰相の方をチラッと見ると、どうやら宰相は俺が話しを聞いていることを知っているようで、俺のことをジッと見つめてきた。
まるで、邪魔をするな、とでも言われているような気分だ。
まぁ、元々邪魔なんてするつもりがなかったが、そうやって視線を向けられると少し思うことがあるというか.....。
なんて思っていると、
「そんなの貰っても何になるんですか?また金食い虫だ、と貴族たちに言われるだけですよ」
辺境伯の中でも一番若い男性が笑いながらそう言うと、父上の方がビクッと大きく揺れたのがわかった。
この言葉.....俺があのパーティーでアリスティアに発した言葉だ。
まさか辺境伯たちは本当にあのパーティーでの発言を全て知っていて、それが原因でこのようなことを?
そう思った俺は、なんだか急に申し訳なくなってきて下を向きながら耳だけ会話に意識を集中させた。
すると、その時辺境伯の中でも一番年上らしき、髭の生えた老人が
「まぁまぁ、だったら1つ儂の我儘を聞いてもらおうかのう」
というと、父上の顔がパァっと明るくなったが、次の言葉でせっかく明るくなった顔が、一気に強張った。
「あのパーティーでアリスティア嬢をバカにしていた子息令嬢を辺境で兵士として送ってもらおうか」
「それは.........」
バカにしていた子息令嬢、ということは俺を含めた奴らということだろう?
い、いやいやいや........辺境に俺たちが行ったところで何になるというんだ。
自分で言うものなんだが、本当に役に立たないだろうし、邪魔になるだけだ。
それに、剣術は別に問題はないが、田舎で暮らさないといけないということだろう?
そんなのは絶対に嫌だ。
そう思った俺は、執務室の外から必死にこの願いが通らないよう祈った。
「なんだ?なんでも儂にくれるんじゃろう?さっきの発言は嘘だったということか?」
「いい我儘ですね。私も同じものを頼んでいいですか?」
「確かにな。こっちも2人と同じく、だ」
という3人の辺境伯から圧をかけられているが、父上ならきっと実の息子を差し出すようなことはしないはずだ。
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