幼馴染で婚約者の私より、貴方は運命の相手の方が大事ですのね

榎夜

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7話

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準備が終わった私は、早速ジオルグ様が待つ応接室へと急ぎましたわ。

なんだか2人というのは久しぶりなので緊張してしまいますわね。

今までは当たり前のことだったのに、おかしい話なんですけど。

まぁ、それほどまでにジオルグ様との関りが少なかった、ということですわ。

なんて思いながら応接室と開けると、そこにはお兄様が言った通り不機嫌そうに足を組んで、私のことを待っていたジオルグ様がパッと私の方を見てきましたわ。

ですが顔は不機嫌そうなままですわね。

はぁ......こっちまで気分が下がるのでやめて欲しいですわ。

そう思いながらもジオルグ様に

「待たせましたわ」

と一言声をかけると

「あぁ」

なんて短い返事だけをして、そっぽを向いてしまいました。

これでは私が無理やり来るように言ったみたいじゃないですか。

別に私はお願いしていませんわ。

ジオルグ様の態度に、段々と苛立ちを感じた私は

「そんな不機嫌な顔をしてまでわざわざ来なくても良いですわ」

........と言いたくなりましたが、ぐっと堪えましたわよ。

だって、朝一でそんな話はしたくありませんもの。

私の希望は、朝は気分よく学園に向かいたいんですの。

なのでジオルグ様に

「迎えに来てくれるなんて嬉しいですわ」

と微笑んだのですが、ジオルグ様は不機嫌な顔のまま、

「そうか」

なんてそっけない返事を返すだけでしたわ。

はぁ.......腹立たしいですわね。

こんな人と同じ馬車に乗るなんて考えると憂鬱になってきますわ。

どうせ馬車の中での世間話すらしないでしょうし。

そう思いながらも、学園に向かう為に馬車に乗り込むと、今までは先に乗るように、と手を差し出してくれたんですが、今日は自分だけがさっさと中に入っていってしまいましたわ。

まぁ、わざわざそのようなことをしなくても、1人で乗れるんですが、それでも婚約者と馬車に乗るんですからエスコートするのが当然ですわよね。

流石の私も婚約破棄、という言葉が喉まで出かかりましたわ。

ですが、仕方ないので1人で馬車に乗ったのは良いんですが、また次の問題ですわよね。

私が思っていた通り、重い空気の中馬車が走り始めましたわ。

はぁ.......何かを話すにも、半年もまともな話をしてこなかったので何を話せばいいのかわかりませんわね。

ですが、このまま無言なのも耐えられませんし、とりあえず

「今日は放課後に何か予定がありますの?」

前と変わらない質問をしてみましたわ。

リーア様が来る前は、こうして馬車の中で放課後の約束をしていたので。

ですが私の質問に、ジオルグ様は

「別に、ジュリエッタには関係ないだろう」

そう言って、馬車の外を見つめるだけ。

これって、昨日のことを考えた、というわけではなくて誰かに言われたから仕方なく迎えに来ただけですわね。

はぁ........そうだと思いましたが、ここまであからさまにされると本当に不愉快ですわ。

でも今は我慢ですわ。

だって、一応わざわざ家まで来てくれたんですもの。

とりあえず、1週間ほど様子を見て、それで判断しましょう。
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