殿下が探しているシンデレラは貴方の嫌いな私です

8話 アレックスside

｢まだ見つからないのか！｣

あのパーティーの後、すぐに銀髪の令嬢を探すように指示をして3日が過ぎた。

それなのに何の情報も入ってこない。

一体どこの令嬢なんだ。

それだけでもわかればすぐに会いに行くというのに...っ！

｢申し訳ございません、ですが、どこの家も銀髪の令嬢は居ないとのことで......｣

｢そんな訳ないだろ！あのパーティーに居たんだからこの国の令嬢のはずだ！｣

そうだ、あのパーティーに参加出来る令嬢なんてこの国の令嬢しかいない。

他の国に招待状を出したのは男だけだからな。

｢そうは言われましても.........｣

そう言って困った顔をしている執事すら苛立ってしまう。

｢はぁ...もういい、下がれ｣

俺がそう言うと、執事は少しビビりながら逃げるように部屋から出ていった。

多分首にされるのでは？と思っているんだろう。

ふん！ビビる前に早くあの令嬢を見つけてこい！


銀髪の令嬢と再会た後も、リリアーナは前と変わらず俺に擦り寄ってくるが、何も感じなくなってしまった。

前までは可愛らしく甘えてくるリリアーナが可愛いと思っていたが、それが今は令嬢のくせに教養のない女、としか思えない。

それに、リリアーナだろうと、他の令嬢だろうと、誰が来ても霞んで見えてしまう。

パーティーで見た銀髪の令嬢の洗練された動き。

早足だったのに、姿勢は綺麗なままだった。

あまり話すことは出来なかったが、話してみたらきっと優しくて聡明な人だろう。

多分、あの動きは高位貴族の令嬢だろうと予想している。

だが、同い歳くらいの令嬢はあのブサイクなユーフェミアとリリアーナ、それと侯爵令嬢くらいしか思い当たらない。

というか、銀髪の貴族がこの国に居たということすら知らない。

......そういえば、あのパーティーにユーフェミアが居なかったな。

一応、あの後リリアーナを振りほどいてしまったということもあって相手役として探したが最後まで見つけることが出来なかった。

まぁ、俺があの日婚約破棄をすることは色んなところで噂になっていたからな。

ユーフェミアもその噂を耳にしたんだろう。

ということは、俺に婚約破棄をされたくなくてパーティーに参加しなかったのか？

いや...でも建国祭のパーティーに参加しない貴族なんて聞いたことがないぞ。

多分、見つからないようにどこかに隠れていたんだろう。

そう考えると、たまには可愛らしいところもあるじゃないか。

でも今更そんなことをしても、あの令嬢が見つかり次第ユーフェミアとは婚約破棄するけどな。

そう考えるとニヤけが止まらなかった。

すぐに見つけ出すからな、待っててくれ。